みんなで作るRPG「百の世界の物語」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

ボードゲームスタイルのRPG、「百の世界の物語」(アスク講談社)。中古でけっこうなプレミアがついているようですが、一般的にはあまり知られていないゲームだと思われます。でも、1人から4人まで楽しめる、かなりハマれるゲームなのです。

» 2006年04月06日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

RPGっぽいハウステンボスの街並み

画像 今回も、ハウステンボスからお送りします

 ハウステンボスの建物はどれも、オランダの歴史ある建物を再現している。だから街並みも、中世ヨーロッパの雰囲気に満ちている。

 しかも、そこここに花が散りばめられていて、実際のオランダの古都よりも、メルヘン的な要素が強い。まさに、RPGに出てくる“ファンタジー世界”そのものといった感じだ。

画像 中世ヨーロッパ的な街並み。車も時々走るが、そのほとんどがクラシックカーか、原色のメルヘンチックなカラーリングだ

 考えてみれば、この連載ももう19回目になるのに、今までファンタジーRPGを取り上げてこなかった。現在でも最も人気の高いジャンルだし、そろそろ1本くらいテーマにしなければなるまい。

 今まで私がプレイしたRPGの中で、どれを取り上げようか、とても迷った。

 迷った末に選んだのが、1991年に発売された「百の世界の物語」(アスク講談社)。このゲームに漂う、ほのぼのとした雰囲気と、何が起こるかわからない、びっくり箱のようなにぎやかさが、テーマパークっぽく思えたからだ。

画像 オープニング画面。これから始まる物語は、こどもがお姉さんに読んでもらう童話という設定
画像 いかにもボードゲームっぽいゲーム画面だが、モンスターも出てくるし、経験値も稼げる

 もともと好きなゲームだったが、中古ソフト屋さんに行ったとき、この「百の世界の物語」にプレミアがついていたのには驚いた。

 中古の販売価格が、発売当時の価格である6200円を上回っているのだ。

 確かに、多少マイナーで、あまり本数が出回っていないほうがプレミアはつきやすい。とはいっても、まさかこのゲームがプレミアの対象になるなどとは思いもしなかった。

ユキリアは、ほのぼのファンタジーワールド

 「百の世界の物語」の舞台・ユキリアは、このゲームのために設定された世界というわけではなく、テーブルトークRPG「ウィッチクエスト」や、富士見書房の本「ファンタジーRPGクイズ 五竜亭の一夜」など、冒険企画局が手がける、さまざまな作品の舞台となっている。

 これらの作品に共通するのは、ほのぼのとした空気が流れていることだ。

画像 「百の世界の物語」にも“猫の人”が登場。よく爪切りをなくし、勇者に「探してほしい」と依頼する

 ユキリアが、ほのぼのとした雰囲気になっているのは、“猫の人”の存在によるところが大きい。

 “猫の人”はこどもっぽい外見で、猫耳としっぽがついている。その言葉は、日本語に訳す際、すべてひらがなで表記される。

画像 「コーヒーの出前」って……。ほかにも「病気の妹に薬草を届ける」とか、「沼の妖精にツボを持っていく」とか、さまざまなクエストがある

 「百の世界の物語」でも、ゲーム中に勇者たちがこなすクエストに、ユキリアの“ほのぼの感”が色濃く反映されている。猫の人だけではなく、登場する人間は皆、何となくほんわかとしている。

 勇者が「手紙を届けに行く」というのは、ほかのRPGにもあるかもしれない。でも、勇者が「コーヒーを届けに行く」というのは、さすがにユキリアならではだろう。

 RPGの世界をちょっとパロディ化したような設定は、同時代に書かれた小説「フォーチュン・クエスト」(深沢美潮)や「ゴクドーくん漫遊記」(中村うさぎ)に通じるものがある。

画像 モンスターも「はやうちマック」、「キラートマト」、「ねこやぐら」など、コミカルなものが多い

 社会思想社の雑誌「ウォーロック」では、ユキリアの一部として“二つの川”という地域が設定され、そこに住む人や起こった出来事を読者投稿で決めた。そのため、ファンタジー世界なのに、不動産屋やレコード店があったり、新たにラーメン屋がオープンしたりと、何でもありな状態に。

 そんな状態を許容できるのも、ユキリアという世界の、懐の深さといえるだろう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」