呼吸を止めて1秒後に敵は死神とタッチする――狙撃の楽しさが増したミリタリーゲームの定番「ゴーストリコン アドバンス ウォーファイター」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年08月02日 16時20分 公開
[板橋舟人,ITmedia]
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よりアグレッシブに戦えるようになった戦闘アクション

 プレーヤーが行えるアクションも大幅に増加。より多彩な戦い方を楽しめるようになった。まずは、定番の“物陰に隠れる”という動作。ドラム缶などの遮へい物に背中をつけて隠れるアクションで、その状態から横へ身を乗り出して偵察したり、そのまま攻撃することが可能だ。このアクション自体は以前もあったが、いまいち使い勝手が良くなかった記憶がある。ただ本作では、視点は三人称が標準となったため、周囲の状況が確認しやすく、非常に使えるアクションへと変容している。

 加えて、隠れている時でも“身を乗り出したときの銃の照準”が表示されるため、隠れた安全な状態で敵に狙いをつけ、すばやく身を乗り出して速攻で敵を撃破、なんて格好よいアクションも手軽に行えるのだ。

photo スコープ使用時は、息を止めると照準のブレが止まり、より正確な狙撃が可能になる。単純ながら楽しい仕掛けだ

 もうひとつの重要なアクションが“息を止める”だ。一般的な戦争アクションにて、遠距離の敵を倒したい場合、スコープをのぞき込んで狙いをつけ、狙撃するという戦術が一般的だ。だが、スコープでのぞいている時は大きく銃身がぶれる(ように感じる)ため、ほふくなど安定した状態でスナイプするのがセオリーだった。

 本作も、スコープからのぞき込んでいるときは照準がぶれるのだが、この時に息を止めるアクションを行えば、ぶれがピタっと止まるのだ。さらに少しだけ拡大倍率が上昇するというメリットもある。息を止められる制限時間こそあるが、使用した際のデメリットが特にないため、ぜひ活用したいアクションだ。敵を倒しやすくなるばかりか、何より狙撃の楽しさが大幅に上がる。やっぱり、狙った場所にバシッと当たると、気持ちいいじゃないですか!

近未来風の兵器を使いこなせ

 ミリタリーアクションの影の主役として、あまたの兵器たちも忘れてはならない。本作でも、M9(ハンドガン)やCRYE MR-C(ライフル)、Zeus MPAR(ロケットランチャー)など、実在・架空問わず、多彩な武器が登場する。架空といっても、近未来に登場しそうな(または実際に開発中のもの)武器ばかりで、ブッ飛んだ性能の武器は登場しない。このあたりでしっかりとした世界観が統一されているのは、さすがである。

photo 米軍が誇る主力戦車、M1A1エイブラムス。敵にまわしたときの絶望感は筆舌に尽くしがたい

 また武器以外にも、パナール(社製の装甲車)やM2A2BLADLEY(歩兵戦闘車)、M1A1(エイブラムス、米軍主力戦車)といったビーグルもいたる場面で登場する。とりわけ注目したいのは、無人探偵機「ドローン」だ。浮き輪にカメラを付けたような形をしており、空中をふわふわ移動して偵察を行うという、頼れるヤツだ。これから攻めるべき場所に先行させれば、敵の位置および戦力を把握できるため、その後をグッと楽に戦える。ただし耐久力はないに等しいため、大切に扱いたい。

 また、ミッションによっては、いくつかの車両を操る場面もある。これは実際に操縦するのではなく、“前進しろ”や“止まれ”というように指示を出せば、そのように移動してくれる仕組みだ。破壊力に優れた車両と協力して戦う面白さも味わえるのである。

みんながいるからこそのゴースト隊

photo 部下への指示は簡略化されたが、そのかわり使う機会は大幅に増加。ちなみに指示を出すと、主人公がハンドシグナルを行う。芸が細かい

 仲間は何も機械だけではない。本作の主人公は「特殊部隊ゴースト」の隊長という設定で、ミッションによっては3名の部下が配備されることもある。彼らに指示を出し、戦場で共闘するのは非常に楽しい。

 この指示の出し方も、大幅に簡略化されている。移動に関しては、行く場所を指定する、自分のところに集合させるの2つだけ。このほかに、敵を発見した場合の行動を、偵察(見つからないよう行動する)とアサルト(敵を排除する)という形で指定できる。また、どの敵を攻撃させるかという指示を出すことも可能だ。

photo 負傷して倒れた部下は、救護して戦線に復帰させることが可能。ちなみに主人公が倒されたら、即ゲームオーバーだ

 前作までのように、3人をバラバラに行動させることはできなくなったが、操作が簡単になったおかげで、より遊びやすくなったのは大きい。指示を出す機会も大幅に増えており、“部下を率いている感”がより味わえるのは良いところだ。部下を先行させて偵察させたり、敵を攻撃させて足止めしているスキに自分がほかの角度から敵を叩く……など、チームならではの戦術が楽しむことができる。

戦場もバラエティ豊か

photo ヘリから撃ちまくるシーン。実は照準があわせにくく、見た目以上に難易度が高い場面だ。くわばらくわばら……

 ミッションのシチュエーションも、バラエティに富んでいて面白い。ステージ2の序盤では、ヘリからマシンガンでビル屋上の敵を倒す、という戦闘が楽しめる。ヘリはオートで移動するため、「ゴーストリコン」というよりも、ゲームセンターのガンシューティングに似た面白さを体験できるのだ。あまりのゲーム性の違いに戸惑いすら覚えたが、シリーズではなかなか味わえない“撃ちまくりの爽快(そうかい)感”をここぞとばかりに楽しんだ。

 ちなみに筆者はこの時、頭に某戦争映画の1シーンが浮かんだ。“ホント戦争は地獄だぜぇー!”なんて叫びながら堪能させていただきました。アホでしょうか。

軍事モノ好きは必プレイ

photo ミッション途中、デモシーンが挿入されることも。ちなみに右上では、ニュースが放映されている

 欠点らしい部分は見あたらない本作だが、強いて挙げるのならば2点ある。ひとつはミッション中、画面右上に指揮官からの指示が表示されることがあるのだが、このメッセージに字幕が表示されないことだ。シナリオに絡む重要な話もあるので、うっかり聞き逃すとかなり残念な結果になってしまう。

 もうひとつは、メニューなどから文字がはみ出ている個所があること。日本語のフォントが英語よりも大きい、または文字量が多いことが原因だと思うが、何にせよちょっと格好悪い。ゲームシステムに絡むわけではないが、もう少しうまく収めてほしかった。

 総合的に見て、どの要素を取っても非常に高レベルで、間違いなく名作に値するであろう本作。シリーズのファンはもちろん、「トム・クランシー シリーズ」未体験の人にもぜひプレイしてもらいたい。難易度は結構高いが、その苦労に見合った満足感を得られるはずだ。

ゴーストリコン アドバンス ウォーファイター
対応機種Xbox 360
メーカーユービーアイソフト
ジャンルシューティング
発売日発売中(PS2版は2006年9月28日発売予定)
価格7140円(税込)
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