すべてはご主人様のために――戦うメイドが撃って斬ってと大暴れ「THE メイド服と機関銃」レビュー(1/2 ページ)

SIMPLEシリーズにメイドが主役のスタイリッシュアクションゲームが誕生した。一見、梅干とウナギのように食い合わせが悪そうな気がする“メイド”と“アクション”だが、新たな化学反応から萌えは発生しているのか?

» 2006年08月24日 16時42分 公開
[雛見沢秀一,ITmedia]

時空をかけるメイド

 風のウワサで“メイドがご主人様を守るため、銃や剣を手にジョン・ウー映画ばりのスタイリッシュなアクションを見せるゲームが出る”と聞き、個人的にずっと気になっていた作品がある。それが本作「SIMPLE2000シリーズ Vol.105 THE メイド服と機関銃」だ。

 本作でプレーヤーが操るのは、あらゆる戦闘機能にタイムトラベル機能を併せ持つ、少々天然ボケのメイドロボ「ユウキ」。このメイド、某ターミネーターよろしく、現代から過去へタイムトラベルしてきたという設定で、ロボなため迫り来る敵を容赦なく叩き潰す。凶悪犯罪がはびこる昨今、一家にひとりは置いておきたいと誰しもが思うパワフルなメイドなのだ。

photo マサキ博士は、謎の組織が行う歴史の改ざんを阻止すべく、そして自らを守るべくユウキを過去の世界に送り込む

 ちなみにユウキがなぜ、過去へとタイムトラベルすることになるのかというと、ユウキの生みの親でありご主人様であるマサキ博士。その少年時代が敵に狙われ、ピンチに陥ったから。つまり、ユウキの目的はマサキ少年を保護することにある。

photo マサキが敵に捕まりかけている瞬間。必死に振りほどこうとしているが、徐々に体力がなくなっていくだけのマサキのヘタレっぷりに萌える

 マサキ少年はショートカットに半ズボンというおぼっちゃまスタイルで、仮にプレーヤーが女性じゃなくても“守ってあげたい!”という気持ちが芽生えてくる。つまり本作は“ショタ萌え”というニーズにもさりげなく応えているわけだ。

 例えば、マサキ少年が敵に捕まらないよう護衛しながら目的地に向かうという特殊ステージがあるのだが、ここでは彼がおびえる姿をたっぷりと堪能できる。ショタ萌え専用ステージと言ってもいいほどだ。と、ここまでショタ萌えを強調しておいてなんだが、筆者は残念ながらそちらの属性はないため、マサキには特別何も感じなかった。


photophoto パッケージ絵(写真左)にもなっている、ユウキに抱きつくマサキ少年。ショタ属性のある方、いかがでしょうか?

仕草とミスマッチさに萌えるべし

 タイトル画面でスタートを選択すると、ユウキが“お帰りなさいませ、ご主人様”とプレーヤーに話しかけてくれる(ちなみに声優はユウキ役に永田依子さん、マサキ役に皆川典子さん)。いきなり登場した萌えボイスの先制パンチに、筆者は早くもダウン寸前だったが、何とか気をとりなおして、戦うメイドさんことユウキのスタイリッシュな活劇を堪能すべく、プレイを開始した。ちなみに本作は全部で8ステージ存在し、各ステージにはボスが待ちかまえている。

photo 画面中の敵全員に大ダメージを与える「必殺バズーカ」を使用すると、アニメーションのカットインが入る

 ユウキのアクションはかなり豊富で、銃器での遠距離攻撃、剣での近接攻撃に加え、ジャンプ攻撃、前転や側転、ダッシュ突きなど、多彩なアクションが楽しめる。また前転や側転中に射撃を行うこともできるため、避けながら相手を攻撃するといったスタイリッシュなアクションも可能だ。

 中でも特に注目したいのは「メイドスタイル」と呼ばれるアクション。このアクションを発動すると、ユウキがトレイを抱えお辞儀、ホウキでお掃除、お茶をくむなど、いくつかの萌えアクションを行い、アクション終了時までダメージを受けずにいると、CからSのランクで評価される。高評価を受けてステージクリアすると、ボーナスが入る仕組みだ。くるっと回りこちらに微笑まれでもしたらもう、思わず“2次元万歳!”と叫びたくなる。

 メイドスタイル以外にも、各々のアクションにしっかりと萌えが含まれていることにも注目したい。例えば、剣による多段攻撃のバリエーションにある、ユウキの連続キック。ユウキが足をバタバタさせる仕草がなんともかわいらしい。またアクションのたびにユウキがしゃべるため、筆者のテンションは常時アップし続けている状態だ。

 筆者が個人的にお勧めしたいが、対戦車ライフルを撃つ時の“お掃除しちゃいますよ!”と、敵の攻撃を食らいダウンしたときの“痛いです……”や“エッチ!”というセリフ。もう問答無用で、たまらなく萌えた! 何度も聞きたくてついダメージを受け過ぎ、ゲームオーバーになりかけることが数回あったほどだ。本作をプレイする場合は、ぜひ聴いてほしい。

いろいろなメイドさんの姿を楽しめるステージ群

 ステージのバリエーションも豊富で、多彩なアクションで敵を倒していく一般的なステージに加え、狙撃のみで敵を倒すステージ、逃げる敵を車で追跡するステージ、前述したマサキ少年を護衛するステージなどがある。メイドさんがスナイパーとなり、カーチェイスまでこなしてしまうゲームは、そうそうないだろう。ミスマッチに思えるこの展開に、何だか引き込まれている筆者がいた。

 各ステージは短く、オールクリアまでさほど時間はかからないだろう。ただし、手に入れた武器やポイントの引継ぎ、クリアによって現れる新たなモードなど、やり込み要素も用意されている。繰り返しプレイを前提に考えれば、全体的なボリュームはそこそこあるはずだ。特に、新たな衣装を手に入れた時は、思わず小躍りしてしまうほどうれしかった。

 なお本作は、アクションゲームとしての面白さ以外にも、ユウキの少しずれた会話や、敵として登場するラウラのツンデレっぷりなど、演出面での見どころがたくさんある。その中から印象に残る場面を2つほど紹介しよう。

photophotophoto ユウキがステージ4にてラウラと初めて顔合わせするシーン。身体に人工的な強化を施したラウラが、まだ自分の体に慣れずマサキ少年を押し倒してしまう。慌てふためくラウラにユウキが割って入る。焦った表情で説明するラウラがかわいい。というかマサキ少年、おいしすぎる

photophotophoto 間に合わせで作ってしまったせいか、単語を忘れていたり自分のご主人様をオトリに使うなど、ところどころ微妙におかしいユウキ。だが、彼女のその変な言動にも心がときめく
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声