「エンジェル ラブ オンライン」の収録現場探訪――田中真弓さんの場合

近日βテストが予定されているキューエンタテインメントのWindows用オンラインゲーム「エンジェル ラブ オンライン」の声の収録が行われた。登場したのは声優の田中真弓さん。クリリンでルフィな田中さんに話を聞いてみた。

» 2006年11月13日 15時50分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 キューエンタテインメントは、UserJoy Technologyが開発した「エンジェル ラブ オンライン」の声の収録を行った。今回、プレーヤーキャラクターの声を担当する田中真弓さんにお話をうかがうことができた。

 田中真弓さんといえば、「ドラゴンボール」のクリリンや、最近では「ONE PIECE」のルフィなど、その時代を代表する作品へ多く参加される声優である。オンラインゲームのプレーヤーキャラクターの声を、田中さんのような大御所が演じられるのは珍しいということで、収録については開発費ではなく広告費でまかなわれていると聞く。というのも、声自体が宣伝になるからだ。果たして、オンラインゲームでの“声”での関わり方に田中さんはどうお考えなのだろうか。

 「エンジェル ラブ オンライン」は、近日βテストの開始予定となっている2DテイストなほのぼのMMORPG。本作は髪型、髪の色などキャラクター作成時の組み合わせが男女それぞれ3万通り以上ありカスタマイズが魅力。加えてスキルの取得や育て方は自由自在で、自分だけのオリジナルキャラクター育成が可能となっている。剣と魔法で戦うもよし、アイテム製造に徹するもよしと、プレイスタイルの自由さが特徴だ。


移動の際には乗り物のほかにペットにも搭乗可能。これらは戦闘やアイテム収集に大活躍する

―― 収録ではどういう形で行われたのでしょうか?

田中 セリフは短いものばかりで、叫び声とか「ありがとう」や「さよなら」など1つの言葉を3〜4パターンくらい収録しました。全部で50種類くらいでしょうか。特にゲームの声撮りでありがちだけど、全体的なストーリーやキャラクターのバックグラウンドがわからないし、どういう状況でどういう感情なのか分からないので、「助けて」という言葉でも“どれくらい助けて”なのか分からなくて難しいですね。泣いている声もどういう風に泣いているのか――物理的なのか、心情的なのか分からないから不安になりますね。

―― ゲームの声を担当することも多いですよね?

田中 それこそアニメをずっとやっていた上でのゲーム化なら、キャラクターも理解しているし、ストーリーも性格も自分の中に入っているので、いざゲーム化されても簡単につかめるけど、ゲームだけだと厳しくなりますね。特に今回のように名前もなければ性別も分からないみたいなものだとなおさら。今回も最初勘違いしちゃって元気ない子にしちゃいすぎて失敗してしまいました。姿が見えないキャラクターの声なので、ディレクターも私も互いに探り合ってやったって感じです。

―― 実際どういうものが使われるか分からないわけですか。

田中 こういう場合、とりあえずいろいろやっちゃって、その中から選んでもらっています。これが声を“置いていく”という作業ですね。可愛いらしい絵は見せてもらったんですが、15歳という設定から声変わりしている頃だし一番難しいなと。今も実はつかめていないので、何が選ばれるのか……。選ばれたものが一環していないかもしれない。でも、自分が思っているほど変わってなかったりもするんですよね(笑)。こっちは人格異常かと思うくらい変えたつもりでも、聞いてみると変わってないんですよこれが。よく現場では別のキャラクターもダブルで声を入れたりするんですが、特徴ありすぎてダブらせてくれない役者なんです。

―― 今回の収録で面白かったことは?

田中 ディレクターさんの方針なのか“やわらかい雰囲気”でしたね。前からの顔見知りだったんで、名刺交換から始めたり敬語とか使わなくてもよくてよかった。始めての現場だと冷たく堅いまま進んじゃって、最後まで“置いていくだけの仕事”になりがちなんです。つい、「欲しいものを置いていきますから適切な指示をください」みたいな物言いになっちゃう。それはいかんでしょ。あと、今日よかったことはブースの扉を開けていてくれたことですね。ディレクターや周囲の人の声が全部聞こえた。私たち声優は静かなブース内で指示を待っていることが多いのですが、どこがよくてどこが悪いのか分からないままOKをもらったりするんです。1人でいたりすると特にガラスの向こう側で首でも傾げられるとどんどん役者は固まっていくもので。渋い顔したスタッフとか見てごらんなさい。もうガチガチ。どんどん悪くなる。そういう点では狙いなのか分からないけど、ドアは開けておいてもらってよかったかな。

―― 普段ゲームをされないんですよね?

田中 ええ。ゲームのことを分からないので、あまり説明してもらってないんです。息子がいるんですけど、小さい頃は一緒にやりましたけどね。PCエンジンの「天外魔境」だったかな。でもクリアできなかったな。

―― 読者へメッセージをお願いします。

田中 おばちゃんも頑張ったからぜひ遊んでやって。そして感想を教えてください。

―― ありがとうございました。

 今回の収録インタビューでは、プレーヤーキャラの声を担当する声優さんの気持ちが理解できる有意義な時間をいただけた。「エンジェル ラブ オンライン」については近日中にさらに詳細にお伝えする予定。まだその全容を見せていない、日本でのサービスについてなど、報告していきたいと思う。


(C)2006 UserJoy Technology Co., Ltd. (C)2006 Q ENTERTAINMENT INC.
※画面はすべて開発中のものです


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