いったいなにが起きたのか? 「イース」のミッシングリンクに迫る:「イース・オリジン」レビュー(2/2 ページ)
ボス戦以外では、それほど苦労しない秀逸な難易度設定に感心
最初に選択できる難易度は3種類あり、ノーマルランクならボス戦以外では苦労しないように作られていると感じられた。元々のコンセプトが、簡単・かつ歯ごたえのあるRPGというところを目指していたのだから、至極当然と言えよう。途中で出会うザコ敵に関しては、一度戦ってコツを飲み込んでしまえば、そう簡単にはダメージを受けなくなる。また、攻撃→攻撃→攻撃→スキルというコンボを覚えると、戦いも格段に楽になるのだ。もちろん、中盤を過ぎたあたりから一筋縄では倒せないザコも登場する。とはいえ、対応策を頭にたたき込むか、ある程度のレベルを上げることで、難なく倒せるようになるので心配はいらない。
やはり、誰もが難しく感じるのはボス戦だろう。何度か戦いを挑み、相手の攻撃パターンを把握しないことには、がむしゃらに戦っても勝てないどころか、ダメージすら与えられない。逆に、それさえ分かってしまえば後はテクニックの問題となるのだが、そこにたどり着くまでが大変なことも多い。ただし、努力と根性で何とかなる場合がほとんどなので、あきらめずに挑戦するのが大事だ。また、宝箱の中に入っている防具を取っていなかったり、装備を強化し忘れていると、思わぬ苦戦を強いられることがあるので注意したい。
装備の強化は、武器と防具の双方で行える。特に防具は、敵を倒したときに出現するクリスタルを回収してSPを溜め、女神像のところで加護を選び表示された一覧から項目を選択することで、その能力がパワーアップする仕組みだ。女神像では、それ以外にもクリスタルやアイテムの出現頻度を上げたり、歩くスピードをアップさせるなども可能。SPが溜まったと思ったら、確実にパワーアップさせておきたい。なお、武器はどこかにあるクレリア鉱石をゲットし、それを特定の人物に渡すことでレベルが上がるようになっている。これまでのシリーズのように、宝箱の中に強力な武器が隠されていて、それを取って装備し直すという方式ではないのは、ちょっと残念。せっかくなのだから、フレームソードなどの懐かしい武器を登場させて欲しかったところだが……。
至る所に懐かしさを醸し出す仕掛けがあるので、オリジナル作品をプレイしたユーザーには感涙もの
ここまでに紹介したアクションを駆使して、主人公はダームの塔を上っていく。最新作ということもあり、塔の中は1作目とは比べものにならないほど豪華なトラップが仕掛けられている。とはいえ、マップ自体が同じというわけではないものの、主立った施設はそのまま。例えば、4階に仕掛けられているワープさせられてしまうトラップは、「YsI」でも活躍した、とあるアイテムを装備していないと突破できないようになっているし、マスク・オブ・アイズを使わないと先へ進めない場面も存在する。もちろん、マスク・オブ・アイズを装備すれば画面は白黒になり、敵が見えなくなる代わりに見えなかったものが見えるようになる効果が発揮される仕組みだ。装備画面を見ればヒントらしきメッセージが出るが、オリジナル版と効果が同じなので、当時を知っている人ならばヒント不要で先に進めるのもありがたい。
上の階へ進めば、ラドの塔もそのまま存在しているだけでなく、ここで流れるBGMがYsIのボツ曲扱いだった、あの「DREAMING」のアレンジだったりするのだ。この感激は正直、当時を知る人じゃないと味わえないかもしれないが、それだけに昔からのプレーヤーにはうれしいサービスといえる。もちろん、ダームの塔の途中には、YsIの時にハンマーで壊すことになる塔の柱もあるし、悪魔の回廊も健在。1作目を知らなくても遊べるが、知っている方が当時を思い出しながら楽しめるため、その興奮度は格段に違うといえるだろう。
なお、途中には「YsI」で登場した、懐かしのボスも現れる。どの敵が出るのかは見てのお楽しみだが、当時とあまり変わらない攻撃方法で襲ってくるので、戦いそっちのけで見入ってしまったほど。ザコ敵ではなく、印象に残っているボス敵を再び登場させるというのも、心憎い演出だ。当然ながら、攻撃パターンもそれほど変わっていないので、新しく登場するボスよりも戦いやすかった。クリア回数が3桁に届こうというほど当時やり込んだゲームなので、当たり前と言えば当たり前かもしれないが。
グラフィックスカードを最新のものに取り替え、最高の環境で最高の感動を
このように、いたるところに旧作の面影を残しつつも、まったく新しい作りになった本作。新規ユーザーには今風のおもしろさを提供し、古くからのプレーヤーは懐かしさを感じながら遊べるという、なかなか両立させづらい2つを巧みにまとめ上げたことに関しては、頭が下がる思いだ。一度クリアしても、別キャラでの挑戦やボス戦タイムアタックなど、何度も遊べる仕掛けがきちんと作られているのにも感心した。
なお、本作も今時の他のソフト同様、それなりのPC環境を要求してくる。そのため、非力なグラフィックスカードを搭載したPCでは、どうしても見た目が厳しくなってしまう。実際に、グラフィックスカードの能力が大幅に異なる2機種で動かしてみたのだが、片方は最高スペックでスイスイ動くのに、もう一方は最低スペックにしてやっとプレイできるといった程度。そう考えると、ここ3年以内に発売されているPCで遊びたいところだが、それよりも古い機種の場合は買い換えか、グラフィックスカードの交換を考えた方がいいだろう。1月30日には新OS「Windows Vista」も発売されるのだから、本作をきっかけにPCのパワーアップを一考する価値はあるだろう。それに、実際にプレイしてみて思ったが、せっかくの名作を低スペックPCで遊んでしまっては、感動も半減。
イースの地に700年前に起きた出来事を、美しいグラフィックで、あなた自身の目で確かめてほしい。
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