息を飲むほどに圧倒的なグラフィックをひっさげて、PS3に“バーチャ”見参!「バーチャファイター5」レビュー(4/4 ページ)

» 2007年02月20日 10時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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アミューズメントセンターを渡り歩いて、自分だけのキャラを作り出そう

 おそらく本作の肝と言ってよいのが「QUEST」だ。プレイステーション 2用タイトルの「VF4」や「バーチャファイター4エボリューション」にもあった、架空のアミューズメントセンターを渡り歩くモード。本作においても各キャラは十級から始まり、一級の次は初段、初段からは二段、三段と上がっていき、さらに昇格すると段位ではなく称号が与えられるという流れだ。また、プレイを進めることでアイテムやマネーを手に入れることができ、そのアイテムをカスタマイズすることで、自キャラのビジュアルを変えることができる。

画像 こちらがメインマップ。どこのアミューズメントセンターにも自由に入ることができる
画像 施設に入ると誰と対戦するかを選ぶことになる。最初は段位が近いキャラを選んでおいたほうが無難だろう

画像画像 最初は余裕で勝てるはず。相手の段位が上がれば上がるほど、単純な技では勝てなくなってくる。油断するとすぐに負けてしまうのでご注意を

 いくつか存在する架空のアミューズメントセンターにはそれぞれ特色があり、初級者中心の施設もあれば、上級者中心の施設もある。初級者から上級者まで幅広く存在する施設や、トーナメント大会専用の施設も用意されている。本作の「QUEST」のよいところは、十級のキャラがいきなり五段とか十段に挑戦することもできる、という自由度の高さだ。

画像 段位認定戦に勝てば、晴れて昇格。気持ちのよい瞬間だ
画像 たまに現われる争奪戦。これに勝てば賞品を獲得できる。負けられない戦いがそこにある!
画像 トーナメント戦もかなり熱いっす。負けたらそこで終了。目指すは優勝のみなのです

 敵プレーヤーたちはそれぞれこだわりのカスタマイズでキャラのビジュアルを変えているので、同じキャラとあたっても新鮮な感覚で戦えるだろう。また、同じアミューズメントセンターに常駐していると、以前に戦ったことのあるプレーヤーが登場したり、「負けたら連コイン?」というコメントを持つプレーヤーが、本当に連続で挑戦してきたりするので、あたかもアーケードで戦っているような感覚を楽しむことができるはず。全てのプレーヤーキャラに出会うために各地を転々とする、という遊び方もできる。

 残念だったのは、マネーが貯まりにくく、かつ、カスタマイズ用アイテムがなかなか高額なので、アイテムを揃えるのが大変だという点。バトルに勝つ度に少しずつマネーがもらえるとか、もう少し易しい設定なり救済があってもよかったのではないかと思ってしまった。

オンライン機能も欲しかったが、“バーチャ”の最先端を家庭で遊び倒せるという魅力は大きい

 1人用に特化した「QUEST」の面白さもさることながら“バーチャ”ファン同士が集まった際の対戦プレイも盛り上がることは間違いない。実力が近ければ近いほど熱く激しい試合を楽しむことができるだろう。

 移植の度合いにも文句はないので家庭用「バーチャファイター」シリーズとしてはオススメできる出来だが、欲をいえばオンライン対戦を実現してほしかった。もちろんオンラインで秒間60フレームのシビアな格闘ゲームをプレイするということがかなり難易度の高いことであるのは重々承知している。しかし、プレイステーション 3の売りのひとつにネットワーク構想がある以上、多少のタイムラグなどを犠牲にしても「オンラインで“バーチャ”ができる」となればかなりのインパクトはあったように思う。なくても本作の面白さには何ら変わりがないのだが、気軽なオンライン対戦がいろいろタイトルで実現している昨今だけに、どうしてもオンラインで“バーチャ”というプレイスタイルを夢想してしまうのだった。

 その一点は残念ではあるが、本作は現役の“バーチャ”ファンには迷わずオススメできる内容に仕上がっている。今までアーケードで何コインも連投してきたコアなファンなら、家庭で、しかも無制限に“バーチャ”ができるということの価値は十分に見出せるはずだ。「“バーチャ”に興味はあるんだけど、アーケードは猛者たちばかりだからボコボコにされるんだろうな…」と思っていた人にも、もちろんオススメだ。家の中で心行くまでコンボの練習ができるので、本作でみっちり鍛えてアーケードで暴れるなんてのも不可能ではない。ただし、アーケードの猛者たちは本当に強いのでご用心を。

 そして「プレイステーション 3を買ってはみたけど、次はどのソフトで遊ぼっかなあ」という人も、手にとってみてもいいかもしれない。明らかに旧世代とは違うハイクオリティなゲームを楽しむことができるし、難易度を低くすればガチャガチャプレイでもけっこう進めてしまう。そして、やり込んでいくうちに“バーチャ”の持つ底知れぬ魅力にハマり、気がつけばアミューズメントセンターでデビューをしているかもしれませんよ。

(C)SEGA


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