再び放たれるメンチビーム! シブイ漢(おとこ)たちのシビアな喧嘩の世界「喧嘩番長2 〜フルスロットル〜」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年03月29日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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激突するメンチビーム! うなる喧嘩技! 喧嘩にバイトに明け暮れろ

 “にらみつける”、“ガンをつける”という概念を真正面から視覚化したメンチビームは、ある種おバカな要素として「喧嘩番長」発売当時にちょっとした話題になった。本作でもそのメンチビームは健在で、主人公からも街の不良からも日々ビームが放出されている。

ウンコ座りで気合をためろ! ビームも喧嘩技も気合がなくては出せないのだ
ビームとビームがぶつかりあえば……そこは戦場!
一般人にメンチビームがあたると、相手はその場にへたれこんでしまう。むやみなメンチビームはほどほどに

 相手のビームと自分のビームがかちあえば、熱いビームのぶつかりあいだ。ボタンを押してフレーズを正しく選びタンカをうまく切ることができれば先制攻撃の成功。そして喧嘩に突入する。△ボタン、□ボタン、○ボタンの組み合わせで技を出し、L1ボタンによるロックオン、L2ボタンによるつかみや馬乗りなども使って不良たちをボッコボコにしていこう。

 本作の喧嘩アクションの魅力は、大山田道場で習得することで最終的に320種類以上の多彩な技を入手可能であること。また前作と比べて扱える武器の数も増えている。ただ、喧嘩アクションのバリエーションの豊富さは楽しいのだが、実際にプレイしてみるとヒットアンドアウェイで割と単調になってしまう傾向もあり、アクション面では惜しいところが見受けられた。

タンカを切って先制攻撃だ
相手が何人だろうと、要はぶっつぶしちまえばいいのだ!
道場で技を手に入れるべし。最初は無料で覚えられるが、プレイが進むと有料になる

 主人公の最初の異常な弱さもプレイの障壁になるかもしれない。最初のうちに弱いのは当たり前といえば当たり前だが、とにかく囲まれるとすぐにボコボコにされてしまう。ある程度の技を覚えて、男の器(RPGでいうレベルに相当するもの。これが上がることで各ステータスを上昇させることができる)が上がってくると喧嘩が比較的楽になるが、そこにいたるまでがけっこう大変なのだ。最初のうちはなかなか包帯がとれないかもしれないが、多少強くなるまでは我慢が必要な、シビアな難易度だ。

男の器を上げるためには、とにかく喧嘩に勝ち続けなくてはならない。いつまでも「ポチ」のままではダメなのだ!
本作のメインはタイトル通りの“喧嘩”ではあるが、喧嘩以外にもいろんなことができる。例えばアルバイト。アルバイトは、最初は簡単なものしか選べないがプレイの進行に応じて選択肢が増える。特にバイクの免許を手に入れてからは配達系の仕事ができるので、免許は早めにとっておくといいだろう

ねんがんの バイクを てにいれたぞ! 〜リアルな仕様のバイク運転

 おそらく前作とのもっとも大きな違いはバイクに乗れるようになった点だ。前作をプレイしたファンの「バイクに乗りてえ!」という強い要望があったようで、それが反映された形での待望の新要素。やっぱ“狂走連合”に入るならばバイクを乗り回せなくては! である。

 さて。バイクに乗るには免許が必要、というわけでちゃんと免許センターがフィールド内に存在する。バイクの種類はかなり幅広く、最大400ccまで用意されている。バイクによっては塗装、改造などのカスタマイズも細かくできるので、バイクファンにはたまらないだろう。自宅のガレージでいろいろといじってオリジナルのバイクでブッ飛ばせば気分も爽快だ。

最初は経済的な事情もあり、地味な原付しか買えないだろう。プレイが進めばもっとかっこいいバイクも手に入る。バイクファンはひたすらアルバイトだ
ガレージで見る愛車はまた格別。早くでけえバイクに乗りてえええ

ちゃんとヘルメットはかぶります。交通ルールは守らなくてはならんのであります

 と言いたいところだが、メンチビームなどのおバカでノンリアルな要素がある一方で、妙にがっちりリアルなところもあるのが本作。バイクに関しては細かく交通ルール、交通規制があり、それらを破るとすぐさま警告の表示が出る。制限速度違反、踏切前停止違反など、適当に走っていればこまごまと警告されてしまう。リアルなバイク乗りが体験できる反面、これらの交通上の規制がゲームとしてのバイク運転を狭苦しくしているという印象は否めなかった。ゲームの世界なのだから、もっと仏恥義理(ぶっちぎり)で爽快に走れるようにしてもよかったのではないだろうか。少々残念である。

惜しいところはあるが……このノリが好きならばレッツメンチビーム

ロードが多いのも残念ではあるが、ロード時には番長用語辞典が表示される。突っ込みどころ満載のフレーズ解説はそこはかとなく楽しかったりする

 全体的に惜しい点は多いのだが、もっとも惜しむらくはそのグラフィックとサウンド。デモムービーは前作とくらべてクオリティが上がったように感じたが、プレイ時の画質は前作とそんなに変わらない。またフィールド移動時の音質が若干さみしいのも気になる。プラットフォームは同じプレイステーション 2ではあるが、前作から2年が経過しているのだから、もう少しそういった点の進化も感じられるとなおよかったように思う。

 総じて、何でもありなフィールドと自由な選択肢、おバカテイストもあり、硬派でシビアな喧嘩アクションが楽しめる一作だ。前作を遊び倒したファンなら、純然たる続編として登場した本作を手にとってみてはどうだろうか。前作に触れていないユーザーは、余裕があるなら前作からプレイしたほうがいいが、本作からいきなり手をつけたとしても物語的には一向に差し支えないだろう。

 この不良文化、ヤンキー文化を3Dアクションゲームに落とし込んで成立させた、という本作の芯の部分に関心があるユーザーであれば、本作をプレイする素養はあるはず。並み居る強敵をブチ倒し極東線沿線で成り上がる主人公に酔いしれるもよし、バイクのチューンアップにいそしむもよし、バイト人生に目覚めるもよし、恋に走るもよし、ただ街をぶらぶらするもよし。その広大なフィールドで自分だけの不良ライフを楽しんでみてはいかがだろうか。

「喧嘩番長2 〜フルスロットル〜」
対応機種プレイステーション 2
メーカースパイク
ジャンルツッパリアクションアドベンチャー
発売日2007年3月8日
価格(税込)7140円
CEROB(12歳以上対象)
(C) 2007 Spike All Rights Reserved.


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