プレイするほどに勇気付けられ、心を打たれる――11年ぶりに「ナイツ」が復活：「ナイツ～星降る夜の物語～」レビュー（2/3 ページ）

» 2007年12月14日 00時00分公開

[小泉公仁，ITmedia]

1つのナイトピアで多彩なミッションにチャレンジ

　セガサターン版「ナイツ」では、ナイトピアに降り立った人間がナイツと同化（デュアライズ）することで、一定時間だけ空を飛べるようになる。その間に、空中の至る所に点在する「ブルーチップ」（青いビー玉のようなアイテム）を規定の数だけ集め、「イデアキャプチャー」と呼ばれる場所に運ぶとイデアを1つ取り戻せる。そして、4つのイデアを全て取り戻すとボス戦になり、それを倒せば次のナイトピアに進める、という内容だった。

　今回のWii版「ナイツ」でも、人間がナイツと同化して空を飛ぶというところまでは同じだが、1つのナイトピアに複数のミッションが用意されており、それぞれにクリア条件が違う。前作に最も近いのは、各ナイトピアで最初にプレイすることになる「チェイスミッション」。このミッションでは、まずナイツが捕らわれている牢獄（ナイツキャプチャー）に行き、ナイツと同化すると一定時間だけ外に出られる。そして、牢獄の鍵を持つ「グードル」を追いかけ、鍵を奪って牢獄まで運ぶ、というもの。アイテムを集めるのではなく、ターゲットに早く追いつくことが重要になり、前作よりもスピードが求められる内容に変わった。

ウィルが最初に訪れるナイトピアは、豊かな自然が広がる「ピュアバレー」。ここでの最初のミッションは、ナイツと同化し、牢獄の鍵を持つ看守「グードル」を追いかける「チェイスミッション」だ

ナイツの前方を飛んでいるのがグードル。ナイツの加速能力「ドリルダッシュ」やステージ上の様々なギミックを駆使して、時間内にグードルを捕まえ、鍵を奪わなくてはならない

　「ナイツ」では、コース上のリングやアイテムを連続して取ると「リンク」としてカウントされ、リンク数が増えるほどスコアも大きく伸びる。前作でも、如何にしてリンクを長くつなげるかを試行錯誤するのが楽しく、数字が伸びるほど大きな高揚感を得られたが、今回のWii版ではこれが「リンクチャレンジ」という1つのミッションとして独立した形で用意されている。

「リンクチャレンジ」では、蛸のような姿をした「オクトポー」がリングを吐き出しながら逃げるので、そのリングをくぐったり、ブルーチップなどのアイテムを間断なく取り続け、規定数以上のリンクを達成すればクリア

リングから次のリングまでを1秒以内につながないとリンクがとぎれるので、リンク数を伸ばすには正確なライン取りとドリルダッシュなどによる加速が必要

ナイツが飛行するときに発する光跡（トゥインクルダスト）で輪っかを作ると、その空間にあるものを丸ごと吸い取る「パラループ」が発生するが、これをうまく活用するとリンク数を飛躍的に伸ばせる

　そのほかにも、ナイツが乗り物に変形した状態でプレイするものや、ウィルやヘレンが人間の姿のまま行動するものなど、ミッションの内容はとにかく多彩で飽きさせない。もちろん、各ナイトピアの最終ミッションには、個性豊かなボスとの対決も待っている。ただ、「ナイツ」の醍醐味はやはり空を飛ぶことの爽快感にあるだけに、「あえて『ナイツ』でやらなくても……」と感じるミッションも中には見受けられた。

これは、ナイツがボートに変形して激流を下り、流されているナイトピアンたちを救出するというミッション。前作でもナイツが乗り物に変形する場面はあったが、独立したミッションとしてプレイするのは少し違和感を覚える……

ウィルやヘレンがナイツと同化せずに、人間のままでプレイするミッションもある。人間の状態では、集めたブルーチップを投げつけることができ、ナイトメアンを倒したりスイッチを起動する際に使う

「ピュアバレー」のボスは、ゴムボールのような姿をした「ドンバロン」。前作で登場した「パフィー」を思い出させる

ドリルダッシュで体当たりしたり、敵をつかんではじき飛ばす「タッチダッシュ」を使ってドンバロンを上へ上へと押し上げ、最上部まで達すると倒すことができる

　また、今回から新たに導入された「ペルソナアクション」にも注目したいところ。これは、ある条件を満たして「ペルソナ」を手に入れると、ナイツがドルフィンやロケットなどの姿にいつでも変身できるというもの。ペルソナフォームの状態では、通常のナイツと異なる能力を発揮できる。初めのうちは、どんな場面でどのフォームを使うのが効果的かということが分かりにくいが、いろいろと試す中でそれが見えてくると、フォームの使い分けが俄然おもしろくなってくる。