よく見て考えろ! 洋ゲーならではのパズルアクション「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」レビュー(1/2 ページ)

人気のファンタジー映画を元にしているだけに映画を見てからプレイするのが普通。だが、あえて言おう。いい意味でユーザーを突き放す、洋ゲーらしいテイストが好きなら映画を見ずとも楽しめる。次々と現れる数々の仕掛けを頭と指先を駆使して突破しよう。

» 2008年06月18日 11時05分 公開
[水野隆志,ITmedia]

ちょっと無謀なプレイスタイル?

 ハードの映像表現能力が進歩した現在、映画のゲーム化というのはごく一般的な話になった。昔はあれこれ工夫して乏しいスペックをカバーしようとし、それでもうまくいかずにファンを嘆かせたゲームも珍しくなかったが、今ではそんなものは完全な昔話。「スター・ウォーズ」や「007」など、ゲームそれ自体が高評価を集めるシリーズとなっている例もある。

 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」も同名映画のゲーム化作品だ。WiiとニンテンドーDSでリリースされたが、内容はそれぞれに異なっている。ここでご紹介するWii版は、ナルニア世界を舞台にしたアクションゲームで、特にフィールドにセットされた仕掛けを解きながら物語を進めていくアクションパズルとしての性格が強い仕上がりになっている。

 ところで、映画を元にしたゲームの場合、プレイ前に映画を見ているのが原則だ。今回編集部からの依頼があった時も「映画を見ている人」というのが条件だった。で、すでに映画を見ていた筆者が担当させていただくことになったのだが、プレイをしているうちに、ある考えが浮かんできた。

 これ、映画見ていなくてもイケるんじゃないのか?

 無謀かもしれない。無茶かもしれない。だが、それでもこのアイディアは筆者の中でどうにも切り捨てられない魅力を放ち続けた。最終的に編集部に連絡を取り、“映画を見ていない人を対象にレビューを書く”という、あまり類例のないコンセプトを提案。どういうわけか、否うれしいことにこれが許可された。万歳! ……と喜んでいいのかは分からないが、ともかく始めてみよう。

ファーストステージ:ケア・パラベル

 最初にすべきはライター探しである。映画を見ていない人でないと意味がない。心当たりに声をかけていると、この珍妙な企画に乗ってくれる人を発見した。知り合いの女性ライター、Fさん。映画は未見。原作は読んでいるが、だいぶ昔に読んだらしく、内容はほとんど覚えていないという。聞いてみると「ネズミの騎士がいましたねぇ」というくらい。まあ、この程度ならいいだろう。それともうひとつ、彼女はアクションゲームが苦手。その意味でもなかなか興味深いテスターになってくれそうだ。

敵軍に包囲されたケア・パラベル。映画では描かれなかったシーンだ

 かくしてプレイスタート。

 ファーストステージ、いきなり敵味方の大軍が入り乱れての大攻城戦。画面中にどわっとあふれかえった無数のキャラクターを前にしてアクションの苦手なFさんの目がもう不安げになっている。まずは敵のいないところで操作を覚えて……なんて優しい発想は洋ゲーには微塵もない。この戦いはケア・パラベル城の攻防戦。映画では語られていないシーンで、イベントには未公開映像も盛り込まれている。冒頭からファンサービス旺盛な作りだ。

 ケア・パラベル城は物語の舞台であるナルニア国の王城。好戦的な人間の王国・テルマールの攻撃を受け、落城寸前の状況にある。ステージの目標はミノタウロス、ケンタウロス、ドワーフ、サテュロスの4キャラクターを使い分け、押し寄せるテルマール軍と戦うことだ。ただし、ケア・パラベルの落城はナルニアの歴史では既定の出来事となっている。プレイヤーはそんな悲劇を、その場に居合わせた戦士たちの視点から疑似体験するわけだ。

ミノタウロスはパワーファイタータイプ。その腕力を生かし、マップ上の障害物を破壊することができる
小柄な体格を生かして狭いところに入り込めるドワーフ。壁を登るために必須なフックの扱いにも長けている

 クリア条件は、物語のキーアイテムである“スーザンの角笛”を探すこと。プレイヤーキャラクターのライフがなくなるか、テルマール軍に先に角笛を見つけられてしまうとゲームオーバーになってしまう。また、角笛捜索というメインミッション以外に、複数のサブミッションも用意されている。これらはメインミッション遂行中に並行してチャレンジできる。角笛を見つけてしまうとサブミッションは消滅してしまうので、すべてのイベントを見たいなら、マップ内をくまなく探索しなければならないという趣向だ。

 Fさんは、城内に攻め込んだ敵をミノタウロスで切り伏せるのに一所懸命になっている。敵はザコといえど、そこそこ強く、ライフが結構削られていく。しかもその間隙を縫って仕掛けを解かねばならないのだが、これが一筋縄ではいかない。例えば、隠し扉を開ける機械。回転させるためのレバーがなく、しかも歯車が1つ外れている。レバーは地面に転がっているのだが、歯車はなぜか高い場所にあって手が届かない。4キャラクターのうち、サテュロスは弓が使えるので、カンのいい人ならすぐに解き方が分かるだろう。だが、サテュロスは攻撃力が低く、そうでもなくてもアクションが苦手なFさんは腕力自慢のミノタウロスがお好き。だから、なかなか気づかない。それでもやがて気づいたが、今度は弓にオート標準機能がない。2、3発撃ちながら調整して、ようやく歯車を落とすことに成功した。ところが仕掛けを解いて扉を開けてみると、防御力をちょこっと上げてくれるアイテムがあるだけでシナリオには無関係。「これで終わりなんですか!?」と叫ぶ声には魂がこもっていた。ハイリスクローリターン。これも非常に洋ゲーテイスト。まあ、最初のステージだし、チュートリアルということなのだろう。敵に囲まれながらの練習ではあるが。

ミッションの遂行状態は+ボタンで確認できる。内容はストーリーの進行に応じて変化していく

 その後、場外に出て巨人に乗って投石機を破壊したり、城壁を乗り越えてくる敵兵を倒したりしているうちに、Fさんは王城の最深部に入った。角笛はここに置かれている。この時点でサブミッションはプレイ不可になったわけだが、彼女が見つけなかったミッションにはバリスタで敵の船を沈めるという、これもなかなか面白いミッションがある。有翼獣なども登場し、見所十分のイベントなのでプレイの際にはお忘れなく。

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