単行本第2弾発売記念! 「コラムス」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

単行本第2弾「レトロゲームが大好きだ 平成編」が発売されました! 平成編では、ここでしか読めない幻の「ぷよぷよ」記事を収録しています。そこで今回は、ぷよぷよと同じく大ヒットした落ち物パズル、セガの「コラムス」を取り上げてみましょう。

» 2009年03月17日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

「レトロゲームが大好きだ 平成編」が発売されました!

photo こんな表紙で売られています。よろしくお願いします

 本連載の単行本「レトロゲームが大好きだ 昭和編」がマイクロマガジン社から発売中ですが、2月末に単行本第2弾となる「レトロゲームが大好きだ 平成編」が発売されました!

 「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「ストリートファイターII」「ぷよぷよ」など、平成1ケタ台に発売されたゲームを取り上げています。

 特に注目してもらいたいのが、実に22ページにもおよぶ、ぷよぷよの記事。これは過去に某サイトで掲載されていたものですが、現在はそちらで読むことができなくなっています。

 記事の内容は、ぷよぷよの歴史を20ページにわたって詳細に解説。残り2ページがネタ……こういう余計なものをつけ加えなけりゃ、もっと普通の人が読める本になってたんだろうけどなぁ……。

 ぷよぷよ以外は本連載の掲載記事ですが、昭和編同様、加筆したり写真を増やしたりしています。

・あのゲームが世に出た年に、あの有名スポーツ選手が生まれた!
・あのゲームキャラクターと、今話題のあの女優さんが同い年!
・いろんなお城から見た風景写真を追加!
・もちろん、それぞれのゲームの最新情報も追加!


テトリスに続いてヒットした落ち物パズル

photo 今回は伊勢神宮の内宮前、おはらい町にて撮影

 今回は、ぷよぷよと同じ落ち物パズル、セガの「コラムス」を取り上げてみる。“連鎖消し”という要素を取り入れた最初のゲームだった。

 1980年代後半。ファミコンで大容量ROMが使えるようになり、ボリュームのあるゲームが求められるようになったことで、ゲームの開発期間は年を追うごとに長期化。コストがかかるようになった。一方で、タイトル数は年々増え続け、一部のシリーズ作品を除いて、何十万本もの大ヒットを飛ばすことは難しくなってきた。

 こう書くと、現代のゲーム業界の状況と共通点があるような気がする。ゲーム業界は、過去にこんな逆境を何度も乗り越えてきているのだ。

 1988年、アーケードとファミコンに、すい星のごとく現れたのが「テトリス」である。ソビエト連邦で作られたこのゲームは、当時のゲームと比較しても、すごく単純だった。だがテトリスは世界各国でブレイクし、日本でもBPSのPC版とファミコン版、セガのアーケード版と任天堂のゲームボーイ版、いずれも大ヒットした。

 テトリスのヒットによって、落ち物パズルという新たなジャンルが生まれる。開発コストが抑えられるという利点もあって、落ち物パズルは数多く作られ、その中からテトリスに匹敵するほどの人気を博したゲームが数多く誕生した。

 コラムスは、1990年にアーケードで登場し、同年メガドライブに移植された。落ち物パズルでは初期の大ヒット作で、後のゲームに大きな影響を与えている。


photo コラムスのタイトル画面。“古代フェニキアに端を発するゲーム”という設定があった
photo アーケード版のデモにあったゲーム説明。メガドライブ版にも収録
photo ゲーム開始時にレベルを選択する。EASY以外だとゲームスタート時にいきなり得点が入る

連鎖消しがゴージャス

 コラムスでは、さまざまな色の宝石が縦に3個組で落ちてくる。これをフィールドに積んでいき、同じ色の宝石を縦・横・斜めのいずれかに3個以上並べると、宝石が消えて得点が入る。

 落ちてくる宝石は、ボタンを押すことで順番を入れ替えられるが、向きは変えられない。宝石がフィールドからはみ出したり、新たな宝石の落ちてくる列が埋まったりするとゲームオーバーだ。

photo EASYだとレベル2までなら、どこに宝石を置いたら消せるかヒントが出る
photo 宝石がフィールドからはみ出すか、宝石が落ちてくる列が最上段まで積み上がるとゲームオーバー

 “何かが上から落ちてきて、特定の条件で消え、フィールドからはみ出すとゲームオーバー”という点はテトリスと同じ。だがコラムスには、テトリスにはない特徴があった。

 まずグラフィックが派手なこと。色をそろえて消すゲームなので、さまざまな色の宝石がフィールドを彩り、テトリスにはないゴージャス感があった。

 ちょうどテトリスや「UFOキャッチャー」のヒットで、ゲームセンターに若い女性が増え、ゲームセンターが“アミューズメントスペース”に変わりつつあったころ。コラムスの派手さは、こういう時代に良く合っていた。

 派手なのは見た目だけではない。宝石の消え方も派手だった。テトリスのブロックが消えるのは一度に4列までだが、コラムスでは多くの宝石が、豪快に消えていくことがある。意図しないところで偶然消えていくのも、テトリスにはない感覚だった。

 宝石が消えた空間には上にあった宝石が落ちてくる。それによってまた同じ色が3個以上並ぶと、その宝石も消えた。後の落ち物パズルに大きな影響を与えた、連鎖消しの元祖である。

photo 意図しない場所で多くの宝石が消えるのは爽快(そうかい)だった。連鎖を狙っている時には厄介だけど
photo 連鎖消しの一例。1カ所消えることで、橙と青がそれぞれ斜めに3個つながる
photo 左の写真の続き。さらにこの後、黄色や緑も連鎖で消えていく

 時々出現する“魔宝石”も魅力。ピカピカ光る3個の宝石で、これがほかの宝石の上に乗ると、その宝石と同じ色の宝石がすべて消える。そこからさらに多くの宝石が、連鎖で消えていくのが楽しかった。

 コラムスは、同じくセガが出していたテトリスとともに、アーケードで大ヒット。落ち物パズルというジャンルを確立させた。家庭用ゲーム機にも移植され、セガのメガドライブやゲームギア、セガサターンはもちろん、PCエンジンでも発売されている(販売はレーザーソフト)。後には、ニンテンドウパワーでの書き換え専用ながら、スーパーファミコンにも移植された。

photo これが魔宝石。緑の宝石に乗っけると、フィールド上の緑がすべて消える
photo 緑が消えたことで連鎖が発生し、フィールドにこれだけのスペースが空く

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