コラム
» 2010年06月25日 23時50分 公開

「E3 2010」まとめてみました(前編)これだけ読めば大丈夫!?(1/2 ページ)

ロサンゼルスで開催された世界最大のゲームExpoを振り返る前後編。先駆けて行われた各カンファレンスから当日の会場の様子も俯瞰する。

[記野直子,ITmedia]

 Electric Entertainment Expo(E3 2010)はロサンゼルス市内のLos Angeles Convention Center(LACC)にて2010年6月15日(火)〜17日(木)の期間に行われた。主催者側のEntertainment Software Association(ESA)によると、参加者は約4万5600人。昨年E3 2009の4万1000人に比べると10%増となった。

 またつい比較してしまう、20万人弱を集客する東京ゲームショウ(TGS)やGame Convention(GC)などのショーは、一般のユーザーも入場できるコンシューマショーであり、業界関係者だけをターゲットにしたExpoとしては、やはりE3が世界最大と考えて問題ないだろう。2011年のE3は、2011年6月7日〜9日の間に再びLACCで行われることが決定している。

Expoホールのようすは?

 プラットフォーマーのカンファレンスとかぶるからなのか、初日の火曜だけ午後からの開場で、その後2日は午前10時開場、18時閉場という日程であった。会場はSouthホール、Westホールがメインで使われており、会場をつなぐ通路の1階がConcourseホールとしてGame Connectionやゲームアートの展示に使われ、2階はパブリッシャーのミーティングルームとして使用されていた。往年の6万人規模でのE3は、Southの下に位置するKenthiaホールもフルで使われていたことを考えると、8割戻しと言える規模であったが、大幅縮小して以降のE3では間違いなく最大と言えるだろう。


 ホールでは、往年の「人が多すぎて歩けない」という状況まではなかったものの、人の入りの多さは肌で実感できるほどであり、また、駐車場の大混乱ぶりを見ても、確実に集客ができているのを感じた。各パブリッシャーともにそれぞれ工夫を凝らしたブースとなっていたが、特に任天堂のブースでは3DSを一目見よう、触れようとするものすごい列ができており、数時間待ちと言われるほどであった。


OnLiveブース

 また、記者が興味を持ったのは、サウスに構えたOnLiveブース。ストリーミング技術を駆使してサーバ上でプレイヤーが遊べるため、持っているハードに左右されずに遊べるというコンセプトが2009年のGDCで脚光を浴びた。ブースを見てみると、Electronic Artsの「Mass Effect 2」、「Dragon Age: Origins」、Ubisoftの 「Assassin's Creed 2」や「Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction」、Eidos Interactiveの「Batman: Arkham Asylum」、「Just Cause 2」、2K Gamesからは「Borderlands」などなど、大手パブリッシャーの大型タイトルは既に供給されている。

 E3最終日である6月17日に、本格サービス開始ということで話題も集まっていた。OnLiveについては現時点でアメリカ市場中心のサービスであることから、日本メーカーの参加は見られなかったが、今後ダウンロードやストリーミングへの流れが必至な海外市場を考えれば、無視はできないサービスプロバイダーであろう。



 残念なのは、数年前からESAに対してE3出展ボイコットを表明しているActivision Blizzardの不参加である。北米のトレンドがすべて分かる! はずの業界ショーE3で、世界ナンバーワンの3rdパーティパブリッシャーが不参加とは何とも皮肉な話である。来年は復帰してほしいものだ。Activision BlizzardがE3に参加すればさらに大きなショーになることは間違いないからだ。

 Concourseホールでは異変を感じた。TargetがE3に出展していたのだ。TargetはいわゆるWalmartなどと並ぶGMS(General Merchandising Store)、日本で言うと大手スーパー的な存在の小売店で、業界関係というよりは業界に招かれて来る側との見方が強いので、記者は若干驚きを隠せなかったが、メーカーがパッケージからオンラインへの志向を進めていることに対する危惧の表れなのかもしれない。

 さて、毎年E3前日から各プラットフォーマーのカンファレンスが続き、パブリッシャーもE3と平行してメディア向けのカンファレンスを各々行うのだが、今年はマイクロソフトが前日14日午前中のカンファレンスに加えて、前々日である13日(日)の夜にイベント(13日の夜に南カリフォルニア大学のGalen Centerで、Xbox 360 Experience Project Natalという、「シルク・ド・ソレイユ」をフィーチャーしたKinectに特化したイベントも行われていた)を準備しており、すべて参加した場合は日曜日〜木曜日の長丁場のスケジュールとなっていた。

プラットフォーマーのメディアカンファレンス

 E3には必ずと言っていいほど、プラットフォーマーの大きな発表があると言われている。これは、E3が商戦である年末に向けての各プラットフォームの戦略アピールの機会だからである。

マイクロソフト

 E3が開幕する前日6月14日(月)午前にロサンゼルス市内のWiltern Theaterで行われた、「Xbox 360 Media Briefing」。たくさんの業界関係者やメディアが訪れた。昨年のような大物ゲスト(BeatlesやSteven Spielberg氏など)の登場はなく、Natal改め「Kinect」と年末商戦タイトルのラインナップ発表に終始した印象である。Natalがマイクロソフトの中でどのように進化しているのか? 久しくアップデートが聞こえてこなかったこのプロジェクトの大きな波を見ることができたと言えよう。

 マイクロソフトだけではないが、今年のプレスカンファレンスは販売状況やユーザー層、競業状況などのマーケティング資料の開示はほとんどなく、現在市場に出回っているハードがシェアやターゲットなどの棲み分けも含めた安定期を迎えたことを物語っていたと言える。

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