【JUNK METAL】
■発進スタンバイ!
アルター8は気候や地形によってエリア分けされており,その中継地点として各地に拠点が据えられている。それら拠点は自らが置かれた環境に次第に適応し,それぞれ独自の文化や経済を育くみつつある。
オレが降り立った拠点は,<シンヤマト>と呼ばれている。東洋の複雑な表意文字と極彩色のネオンが入り組んだ路地を彩り,アヤシゲなパーツを扱う物売りのだみ声が響くこのハングリーな活気は,一昔前のアジアのスラム街といった風情だ。
物陰ではジャンク乗りと地元の連中が,身振り手振りでなにやら慌しく交渉している。時折そこに,「LBZ,弾付きで○○solで売ります!」といった,ジャンク乗りが不要パーツの直取引を募る声も混じっている。ちなみにsol(ソル)とは,ここでの通貨単位だ。
オレがシンヤマトを旗揚げの拠点に選んだ理由は二つ。最新の勢力図を見る限りではこの近辺が最前線となっているようだったし,シンヤマトでは闇パーツが手に入るという噂を耳にしたからだ。まあ,いま手元にある給付金程度じゃあ,ジャンクのガス代ぐらいにしかならないが。
陣営はPOFを選んだ。ジャンクメタルの原型となった歩行機械を最初に開発したのはPOFだ。ジャンク乗りとして,なんらかの形で生みの親に寄与したいというのがその「志望動機」だ。
登録を済ませるべく,POFのロゴマークをでかでかと掲げたビルに向かい,ロビーの端末にアクセスする。
どちらかの企業に入社したジャンク乗りたちは,この端末から勢力情報の参照や,「ミッション」と呼ばれる下請け仕事の契約をする。
まずはメニューから<入社>を選び,実行……次の瞬間,めでたくオレはPOFの新入社員として迎えられた。えらく簡単だが,面接とかはいいのか? あ,いいのね……。
しばし街中をブラついてみたが,やはり手持ちの金では,ジャンクの強化パーツには到底手が届かないようだ。まずはセオリーどおりミッションを請け負うなりグール狩りに出るなりして,軍資金を稼ごう。
グールを撃破すると,その残骸からパーツを回収できることがある。これを拠点のショップに持ち込めば,その場で換金してくれる。また,グールを倒せばその地域の企業支配率に影響を与えるので,それは即ち自陣営に貢献することにもなる
さて,新人らしくミッションに精を出そうかと思ったが,何しろ実戦経験はゼロ。ちょいと近場でグールを相手に実戦の空気を吸って,基本動作の練習ぐらいはしておこうと思い立った。
ガレージに急ぐ。オレのジャンクは小型・軽量の,耐久性よりも機動力を重視したモデルだ。一人用冷蔵庫のような箱型の胴体部分(コア)に軽量の腕,機動の要となる脚は逆脚とよばれるタイプだ。
「鳥脚」とも呼ばれるその名の通り,膝関節に当たる部分が人間とは逆に前向きに折れ曲がる仕組みで,人型2足や多脚4足パーツに比べて不整地での前進速度に長けている。
その反面,後退速度や旋回率,それに耐久性では見劣りする。まあ,いくら装甲が薄くてパーツの耐久度が低くても,とにかく足が速ければそう簡単には撃たれまい。弾に当たらなければ負けようがないという,ネガティヴだかポジティヴだかよく解らんオレの戦場哲学にピッタリの脚と言える。
肝心の武装は左腕に装着された2連装小型マシンガンが一基のみ。ちょっと心細いが,当面は我慢するしかあるまい。とにかく,弾に当たりさえしなければ(以下略)
コア内の狭いコクピットに潜り込み,愛機に火を入れる。各部パーツ…異常ナシ。弾薬…全弾装填。燃料…満タン。カーゴ内搭載物…当然カラッポ。コンディショングリーン,発進! 次のページへ
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