【JUNK METAL】
■嗚呼,痛恨の味方討ち
新しい仲間への挨拶と再補給を済ませ,狩りを再開する。愛機の両手には,ショップで無償提供を受けたマシンガンが一丁ずつ握られている。これで火力は大幅に増強された。
「カニとサルは手出ししちゃだめ ソッコーで死ねます」
と,まるで見ていたかのようなアドバイスを貰ったので,最初に狩った「犬」と「鳥」を片っ端から攻撃する。
当初思い描いた機動戦法はどこへやら。見通しの利く鉄橋の上で敵機を求めてただ黙々と回転しながら全周を警戒し,機影を発見したら両手のマシンガンを交互にぶっ放して迎撃する。その様はまるで,橋に取り付けられた無人対空銃座のようである。
何機かを叩き落し,コツを掴んできたぞと思った矢先,その事件は起こった。
低空で自機の横をパスする鳥を攻撃したが,まるまる一連射分を外してしまった。そして目標から逸れた弾丸は,鉄橋を渡ろうと接近していた味方ジャンクに,ほぼ全弾が命中してしまった。
一瞬の間の後,「指導ッ!」と言わんばかりに撃ち返された自機は,強烈な衝撃に見舞われた。慌てて向き直ると,その味方機はキャタピラを軋らせて鉄橋を渡ってくる。
重量級の機体の両手には大口径のマシンガンが握られ,肩にはバズーカらしき砲が据えられている。マズい,このままでは同士討ちだ!というか,殺られるのは間違いなくこちらである。
味方である事を告げ,誤射をお詫びしようと,大慌てでチャットメニューを操作する。そしてその動揺は更なる破滅へとオレを導いた。
バババババッ!
エ? エエッ!?
すっかり動転したオレの右手はチャットメニューを操作するはずが,あろうことか彼にもう一連射を放ってしまった!
ゲンコツの次に往復ビンタが飛んでくるのはこの星のジョーシキ。今度ばかりは容赦なく反撃する味方ジャンク。
バズーカ弾の閃光と衝撃。ステータスを一瞥するだけで,自機が既に半壊状態だと解る。
うわすみません,ちょ,ちょちょっと待った,待てってばぅわたっミスみすだてゅのskっrftgyRPG!!
気づいた時には,オレは業者に回収され,プロメキアIIIのガレージに呆然と突っ立っていた。周囲の状況を把握せず,射線上の味方を撃ってしまった自分に弁解の余地はない。
「銃弾で語り合う」とは,アルター8の住人たちがしばしば使う表現だ。
それは,ここアルター8は勝者こそが正義の,弱肉強食の世界であること。そしてそれ故に,犯したミスは自らの血でもって,即座に贖われることを意味している。
それがこの世界の,厳しいが単純明快なルールなのだ。
でもって図らずも味方と「語り合って」しまったオレの明日は,どっちだ!?
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