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戦友との出会い
 
 
 休む間もなくロンバに再出撃する。

 ゲート周辺では,何事もなかったかのように狩りが続いている。今度は身の丈に合った獲物を把握し,クールな状況判断を心掛けようと肝に銘じる。

写真をクリック! とは言え新米がアレコレ考えても限界があるので,ここはひとつ周囲の先輩方に聞いてみよう。折角のMMOなのだし,他のジャンク乗りとの交流を図っても損はあるまい。

 チャット回線を,自機の近く居るジャンクだけが受信できる<say>にセットする。

「すみません,初期装備で適正なグールって,この辺だとどいつでしょうか?」

 うむ,我ながら新米まるだしの口調になってしまったが,致し方あるまい。

 しばしの間をおいて,チャットログに黄色い文字が。

「ここは無限が出て危険です とりあえずP3に移動した方がよいかと」

 これは<tell>という回線で,指定した相手にのみ送信できるチャンネルだ。送信してきたのは<d>(仮名)という人。「無限」というのは言うまでもなく無限大公社所属のジャンクの事だろう。

 こちらもtellで礼を言う。P3というのは<プロメキアIII>という拠点の事だと察しがついた。最前線を求めてやってきたシンヤマトだったが,ライバル企業の兵隊と戦うには,やはりまだまだ力不足なのだ。言外にそう告げられている気がして,思わず唇を噛む。

写真をクリック! すると,続けて<d>からtell。彼もこれからP3に向かうらしく,移動するなら随伴してくれるという。ここに居ても役に立てないなら仕方がない。このありがたい申し出に甘えさせてもらう事にした。

 <d>は人型2脚の,藍色のジャンクに乗っていた。かなりのベテランらしく,機体の動作一つ一つが,驚くほど滑らかだ。陰気な林道を探りながら先行する彼のジャンクを,少し間を空けて追う。

 道中,オレのアルター8滞在時間が延べ一時間に満たない事や,初期のレベルで手早く稼ぐコツなど,周辺を警戒しつつ短い会話を交わす。彼のアドバイスで,初期装備の他にも手持ち型のマシンガンを無償で支給してくれるショップがある事を知った。

 林道を抜け,古びた鉄橋を二つ渡った先に,プロメキアIIIのゲートはあった。

 ゲート前で改めて礼を言うと,<d>は「話があります 中へ」と言うなりゲートに入ってしまった。もしやあまりの無鉄砲ぶりを,ちょっと指導されたりするのだろうか?

 P3の第一階層は,出撃するジャンクと,帰還したジャンクでごった返していた。藍色のジャンクは,ゲートを入ってすぐの場所に居た。

写真をクリック!
写真をクリック!
 

「お話って,なんでしょうか?」

 教官室に呼び出しを食らった新兵のような心境で,少し身構えながら尋ねる。返ってきた言葉は,まったく予想外のものだった。

「ウチのファクトリーに入ってみませんか?」

 はい?

 <ファクトリー>は構成員が収集したパーツを共同出資して加工し,ジャンク用パーツや武器を製造する組合のようなものだ。目下のところ工房としての機能は実装されていないが,ファクトリーの登録と,それへの加盟だけは現時点でも可能だ。中世で言えば,ギルドのようなものだろうか。

 さすがに藪から棒の申し出だったので,気になったところを幾つか質問してみたが,

「とりあえず入ってみれば解ります」

 の,一点張りだった。オレの心境は呼び出された新兵から,体育会系クラブの勧誘に捕まった新入生のそれに変わりつつあった。

「フム,そうですか…」

 と時間を稼ぎつつ,ひとつ大きく息をつく。

 ファクトリーが工房としての機能が実装されていない現状では,互助組織として機能しているのだろうか。だとすれば,仮に<d>が員数を揃えたいだけだとしても,こちらにとっても悪い話ではない,か?

写真をクリック!

「ではよろしくお願いします」

 これ以上考えても仕方がない。誘ってくれた相手に真意を根掘り葉掘り問い質すのも流儀に反するので,思い切ってそう答えた。彼の言うとおり,入ってみれば解ることだ。

 こうして奇妙な縁に導かれたオレは,ある神話に登場する精霊の名を冠したファクトリーの一員となった。

 ファクトリーには既に5人ほどのメンバーが加盟しているようだ。専用のチャット回線で挨拶すると,屈託のない返事が次々と返ってくる。その中の<b>(仮名)という人が,ファクトリーのリーダーらしい。

 彼らはみな面倒見が良く,オレのジャンクに合うパーツや武器を,ガレージの在庫から供与してくれた。

 あまりの気前の良さに最初は戸惑ったが,新米ジャンク乗りの育成が全員の為になる,というのがこのファクトリーの考え方らしいということが,徐々に解ってきた。つまりオレが彼らから受けた恩は,後に続く後輩に対して返済するという訳だ。こういう考え方はオレの性分にも合っていて気持ちが良い。

 ジャンク乗りたちの間で用いられている用語も,いくつか教わった。ミッションは「ミソ」または「味噌」。POFに属する開拓民は「ぽふみん」で,無限側のそれは「ムーミン」等々。

 一見したところのどかだが,POF側のチャット回線に

「シノクにムーミン約20機侵入 苦戦 増援求む!」

 などという切羽詰まった交信が入ると,やはり背筋がゾクリとしてしまう。 次のページへ

 

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