テクモとコーエーが、経営統合へ向けた協議を開始するとして、「経営統合委員会」(仮称)を設置したことを受け、東京証券取引所において記者会見を行った。これにより、8月29日に提示されたスクウェア・エニックスからの友好的TOBの提案を、テクモ取締役会は不賛同を表明したことになる(別記事はこちら)。
なお、記者会見ではテクモ側からはテクモ代表取締役会長兼社長の柿原康晴氏とテクモウェーブ代表取締役社長の阪口一芳氏が、コーエー側からはコーエー代表取締役社長の松原健二氏と常務執行役員管理本部長の浅野健二郎氏が質疑応答に出席した。
今回の経営統合についてはコーエー側から声をかけたと松原氏。スクウェア・エニックスのTOBの内容を確認した上で、コーエーも検討の候補として取り上げてほしいとコンタクトをとったとのこと。コーエーは今までM&Aには慎重だったが、創業者同士の親交もあつく、加えてテクモの財務状態が健全であり、文化的にも共有できることが多いと語る。
テクモは本日、スクウェア・エニックス側にTOBを断る趣旨の文章を送っている。柿原氏は不賛同を表明したことについて、企業価値の向上と従業員の確保など、さまざまな観点から考えた上での結論と語っている。コーエーとの提携については、テクモが北米市場に強くコーエーはアジア市場に強いと、重複する部分が少ないという点と、オンラインゲームの分野が進んでいるコーエーと組むことで、強いシナジーが生まれると判断した。
スクウェア・エニックスの提案に対して柿原氏は、5月から話をしていると言っているが、テクモとしてそのようには受け取っておらず、具体的な提案もなかったと、慎重に検討したものの、急な話であり検討時間があまりなかったと明かす。
今後のスケジュールだが、経営統合委員会を設置し、2カ月程度をめどに進めていくことになる。まずは経営統合委員会設置の覚書を取り交わし、11月初旬には計画を打ち出す予定だ。スクウェア・エニックスが920円という価格をつけたことに関しては、具体的な数字を提示することはなかったが、経営統合委員会の中で算出していくとしている。
現在、協議が始まったばかりであり、具体的な話にはまだ進展していないが、両ブランドについてはそれぞれ残ることに取締役会で合意している。
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