SIMロックなんて要らない?――海外旅行ついでにSIMフリーiPhone4Sを買うすすめ:旅するガジェット(2/3 ページ)
無事にSIMフリーiPhoneを入手できたら、現地のSIMカードを挿してネットに繋ぎまくりたいところだ。短期滞在の旅行者であっても、プリペイドタイプのSIMならば気軽に買える。引き続きタイでの話となるが、他の国々でも応用可能なので整理しておこう。
プリペイドSIMとは読んで字の如くで、あらかじめ通話/通信料を支払ってチャージしたうえで使用するSIMである。国によっては購入の際にパスポートの提示を求められたり、書類を提出しなければらないケースもあるが、タイでは面倒な手続きは一切不要だ。キャリアのショップ以外にも、各種携帯ショップや市場の中の露店など、そこら中で売られている。もちろん、到着時に空港で入手する手もある。海外旅行の際には、着いたらまず初めに空港でSIMを入手するのが最近はセオリー化してきている。例えば同じ東南アジアのシンガポールでは、チャンギ空港のイミグレーションを出たところにある両替所でSIMが販売されていたりもする。両替と同レベルで旅の必需品になっている現状を物語るエピソードとしみじみ思う。
タイに関していうと、現状でのオススメは「true move H」のSIMだ。「H」が付いてない従来のtrue move 3Gよりも大幅に高速化されたもので、true moveのサイトによると最大42Mbpsもの速度が出るそうだ。実際使ってみると、「H」以前のネットワークと比べて体感できるほどに明らかに速くなった印象を受ける。4S自体の処理能力の高さもあり、通常の使用法においてはサクサク快適に利用できるだろう。true move Hでは、iPhone専用SIMとしてパッケージが用意されている。通常サイズとマイクロSIMの共用タイプで、4/4Sで使用する場合には切り離してマイクロSIMとして使う。
プリペイドSIMの料金は店によってまちまちで、僕はtrue move HのSIMを200バーツで購入した。iStudioではプリペイドSIMは扱っていないため、近隣の携帯電話ショップで買ったのだが、これは少し高かったかもしれない。後日別の店で同じ物が100バーツで売られていたのだ。キャリア側もキャンペーンに力を入れているようで、ウィークエンドマーケット(タイで最も有名な市場)などでも「true move H」のSIMを売る特設ブースを見かけた。また同国第二の都市チェンマイでは、空港に飛行機が着陸して荷物をピックアップする折に、キャンペーンガールがSIMを試供品としてなんとタダで配っている所にも出くわした。
いずれの手段にしろ、ともかくSIMを入手して、SIMフリーiPhoneに挿す――。以上で準備完了だ。めちゃくちゃ簡単なのである。認識されると、画面上部に「TRUE-H」と表示されアンテナが立つ。iPhone公式キャリアのSIMに関しては、接続設定が内部に入っているため、面倒なインターネット接続の設定も全て省略できる。true move Hでは回線開通のためのアクティベーションすら必要ないようだった。ちなみにAndroid端末ではこうはいかない。APNやユーザー名、パスワードなどを手動で入力することになる。SIMフリー機で海外でもスマホをフル活用したい用途であれば、世界規模で統一規格であるし、iPhoneの方が遥かに手っ取り早く悩むことも少ないだろう。
国や状況によっては、プリペイドSIM購入時に、一定の金額をチャージすることができるが、今回はデフォルトではほとんどチャージされていなかった。そこで、クーポンを購入してSIMに再チャージ(リフィル/トップアップなどと呼ぶ)することになる。クーポンはタイならセブン-イレブンが入手しやすい。セブン-イレブンも街中至る所で見つかる。150バーツ単位で購入可能で、お金を支払うとレシートの形で14桁の番号が発行される。電話を開き、「*123*○○○〜#」(○○○〜が14桁の番号)と入力してかける。これはtrue moveならではのコマンドみたいなもので、国やキャリアによって当然異なる。日本ではプリペイドSIMが一般的ではないので、慣れるまでは違和感を覚えるが、手順自体はどこの国でもだいたい似たようなものなので、旅を重ねるうちに自然と腑に落ちると思う。
無事チャージされたら、続いてパケット定額サービスへ申し込むことになる。そのままだと従量課金になってしまうのだ。これも国やキャリアによりけりで、香港のHutchisonなど自動的に定額が適用されるケースもある。SIMを購入する際に確認したいところだが、ネットで検索すればその種の情報が多数見つかるので、出発前に予習しておくとさらに安心だろう。
true move Hでは、プリペイドSIM用のパケット定額のプランが用意されている。金額によって利用できる容量の上限が決まっており、申し込みは再チャージ同様コマンドを電話から送る。安い順に少し紹介すると70MBで90バーツ(コマンドは*900*41#)、150MBで150バーツ(*900*42#)、1GBで349バーツ(*900*43#)となっている。もっと大容量のプランもあるが、短期滞在ならよほど派手な使い方をしない限りはそれらで十分に事足りるだろう。料金プランとコマンドはSIMに付属する説明書や、キャリアのパンフレット等に書いてある。
各プランには、公衆無線LANの使用料金も数時間分セットになっている。申し込みが完了すると専用のパスワードが送られてくるので、空港やカフェなどバンコク市内のあちこちで拾う「TRUE Wi-Fi」に接続することもできるようになる。公衆無線LANは、登録したiPhoneだけでなく、同じパスワードでノートPCやiPadといった他のWi-Fi対応機器でも利用できる点も、細かい話だけれどついでに紹介しておこう。
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