電車の中でのストレスを減らすためにできること臨床心理士みらーのメンタルアドバイス

電車の中にいるときも、ストレスを感じることが多いと思いませんか。特に満員電車は実際の戦場以上にストレスフルな場所という研究もあるほどです。こういった環境では、気力も体力も消耗します。今回はそんな電車の中でできるメンタルヘルスケアを紹介します。

» 2016年09月04日 09時00分 公開
[みらーITmedia]
通勤電車

 現代社会では、いろいろな場面で困難や負荷があり、常にストレスにさらされていると言っても過言ではありません。そんな日常の中でも、多くの人が利用していて、なおかつストレスを感じているものがあります。それは電車です。電車ってそんなにストレスフルな場所なの?と思われる方もいるかもしれませんが、実際どうなのでしょうか。そして、どう対処をすればいいのでしょうか。

満員電車で感じるストレスとは?

 みなさんは実際に、電車でストレスを感じた事はありませんか?

 日本では、1日に25%から44.2%もの人が、最も電車が混雑する時間である、朝の通勤時間帯に、電車に乗っていると言われています。電車の乗車率は軽く100%を超え、とてもストレスフルな環境が出来上がります。

 この、通勤ラッシュにさらされる人が受けるストレスは、トルコのビルケント大学で心理学Assistant Professorを務めるデビッド・ルイス氏によると、臨戦態勢の戦闘機のパイロットや機動隊の隊員よりも大きいそうです。そのことを彼は「機動隊員や戦闘機のパイロットは、目前の出来事によって引き起こされるストレスに対して何らかの対応がとれる。一方で、特に電車を使って通勤するサラリーマンは何の対策も打てない。両者の違いはそこにある。」と述べています。

 そして、この心身の消耗は一過性のものではなく、心身にダメージが残るという研究もあります。

なぜ満員電車で心身が消耗するのか

 なぜこのような状態になってしまうかというと、理由は2つあります。1つはメンタル的な理由。パーソナルスペースの問題です。

 パーソナルスペースは、自分が無意識に感じている縄張りの範囲のことをいいます。そして、この領域に他人が入って来るとストレスを感じます。満員電車は、極端に他人が近く、常にパーソナルスペースが侵されている状態ですから、とてもストレスフルな状態になります。

 もう1つは身体的な理由。劣悪な環境にさらされることに起因する問題です。

 満員電車内は人が多いため、空気は薄く、気温は高く、そして体には常に一定の圧がかかり続けます。こうした環境の中では、貧血やめまい等が発生しやすくなり、体も消耗してしまいます。この状態が、戦場を超えるほどと言われているのも納得です。この中に置かれた人のストレスは想像以上でしょう。

 とはいえ、通勤ラッシュ時の電車を利用しない、車通勤や徒歩通勤に切り替える、というのは難しい方も多いですよね。また、徐々に改善の方向には向かっていますが、現状が劇的に改善するという事も考えにくいでしょう。

 ではいったいどうすればいいのでしょうか?

電車でのストレスを感じたら

 電車でのストレスを感じたときの対処法は、今すぐにでも始められるものです。ストレスを感じても、それに上手に対処できれば、心身の負担を軽減することができます。

身体的ストレスを解消する

 満員電車は体に一定以上の負荷がかかり続けている状態です。ですので、ストレスのかかり方は通常の比ではありません。人間はストレスがかかると筋肉が緊張状態になります。それが続くと筋肉が緊張し、血流が悪くなります。そうすると乳酸などの疲労物質が筋肉にたまり、頭痛や肩こりの原因になります。

 さらに満員電車は、人が密集していることに起因する暑苦しさ、人の出入りの際に体と体がぶつかる不快感、騒音など、ストレスの元になる要素がとても多いので、余計に負荷は大きくなります。

 こうした場合に効果的なものはいくつかありますが、まずは身体的ストレス対処の基本として、筋肉の緊張を和らげ、血流等を改善することが挙げられます。これにより症状が改善されます。もっとも効果的なものはマッサージやストレッチです。

 ただ、満員電車の中でマッサージやストレッチをするのもなかなか大変ですよね。できる範囲のことをやるだけでも、かなり状態が変わってくるので、まずは同じ体勢にならないように、つま先立ちをして足を下ろす、といった動作や、全身に力を入れてから脱力する、、片手でつり革につかまっているときには、体を左右にひねってみたり、首を回したりといったことを心がけると、血流がよくなり、筋肉の硬直が緩んで、体にかかるストレスは軽減されます。

精神的ストレスを解消する

 人間は強いストレスがかかると緊張状態になります。それが続くと神経が参ってしまいます。満員電車は極端に近い対人距離から過度の緊張状態におかれ、とてもストレスフルな状態になるので、こんなときは、なるべくこの緊張やストレスを軽減していく必要があります。

 そのためにまず重要なのは、緊張や対人距離から意識をそらすことです。例えば、リラックスするような音楽を聴いたり、スマートフォンのゲームをしたりと、他の事に集中することで意識がそらせます。また、目を閉じることによって、刺激を減らし、緊張状態を軽減することも可能です。

 窓から外が見える位置にいる場合には、窓からの景色を眺めることによって、満員電車から意識をそらすというのも有効な方法です。

 また、電車から降りたら、好きな音楽を聴いたり、美味しいものを食べたりと、自分がやりたいこと、楽しいことを実行したり、空いた時間に穏やかな場所でゆっくりするなど、電車を降りた後にもリラックスを意識すると、残ってしまった精神的なストレスも軽減されていきます。

 満員電車は多くの人にとって共通の悩みですし、身近なストレスの元です。そんな満員電車のストレスですが、上に挙げた対策を心がけてうまくやっていきましょう。

臨床心理士みらー プロフィール

みらー

 大学院修了後、専門学校の非常勤講師および、高校のスクールカウンセラーを勤め、同時期に教育機関での心理相談員および不登校対策事業の心理相談担当を歴任。

 現在は悩み相談掲示板サイト「ココオル」で相談員を務めるほか、活動領域を青年期支援に移し、地域若者サポートステーションにて若者支援も行い、年間のカウンセリングは1000件以上行い、相談支援に定評がある。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/19/news166.jpg 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  2. /nl/articles/2404/20/news030.jpg 熟睡する3歳&2歳の姉妹、そっと掛け布団をめくってみると…… あまりにも尊い光景に「待ってキュン死にする」「仲の良さがほんと伝わる」
  3. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  4. /nl/articles/2404/18/news029.jpg 【今日の計算】「12×6−5+1」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/19/news176.jpg サントリーのひろゆき氏起用「伊右衛門 特茶」広告が物議 サントリー「ご意見は今後の参考にさせていただきます」
  6. /nl/articles/2404/20/news019.jpg すっぴんママがスーパーモデル風メイクをすると…… 「同一人物!?」な仕上がりに「素晴らしい才能」「メイク前も美しい!」【海外】
  7. /nl/articles/2404/20/news071.jpg 解体が進められている“横浜のガンダム” 現在の姿が「現代アートみたい」「色気がありますね」と話題
  8. /nl/articles/2404/18/news129.jpg 7カ月赤ちゃんが熟睡中、あの手この手で起こすと…… かわいすぎる寝起きに「天使発見!」「なんてきれいな目」
  9. /nl/articles/2404/20/news051.jpg 東京メトロが「1971年の千代田線の駅」を公開 50年以上前のきっぷうりばに「こんな感じだったんですか!」
  10. /nl/articles/2404/19/news036.jpg 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」