0歳からスマホやPCを触らせていた息子のデジタルスキルが上がってきたむすこの レベルが あがった!

息子のレベルがどんどん上がっていきます。

» 2017年01月20日 06時00分 公開
[赤祖父ITmedia]

連載:「むすこの レベルが あがった!」とは

子供はささいなことでもどんどん吸収し、経験値を得てレベルアップしていきます。子供がいつの間にか覚えていた新スキルを、もうあまりレベルアップしない大人が解説します。

ライター:赤祖父

1980年生まれ。東京都在住。共働きの妻と2014年生まれの息子と3人暮らしをしている普通のサラリーマン。趣味はインターネットと旅と写真。


「生まれたときからスマホがある」世代

 今の子供たちはデジタルネイティブである。それも「生まれたときからネットがある」世代すら既に過去のものとし、「生まれたときからスマホがある」世代だ。触るのに少々ハードルの高かったPCなど不要で、ワイヤレスかつシンプルな端末で、タッチ1つで好きなコンテンツに触れられる。操作の難易度が低いので、それこそ生後数カ月から簡単に操作ができる。なんというか、「未来」を感じる。

 一方親の私は1980年生まれ。Windows 95発売のとき中学生、高校に上がるときにPCを買ってもらってテレホタイムに田舎から都内の草の根BBSに入り浸り、Windows 98の頃に大学進学とともに上京、バイトしたお金でネットにつないで……という流れなので、およそ日本のネットの黎明期に多感な時期を過ごした世代である。そして私の前後の世代の人なら分かってもらえると思うが、自分が子供の頃からネットがあったらどうなるのだろう、というのがいまいち想像がつかないのだった。

 私は文明と遠ざけるナチュラル派の子育てではなく、基本的には今普通に手に入る新しいものは積極的に与えたいと思うほうなので、息子には都度デジタルガジェットを渡してきた。以下、その様子を簡単にまとめたい。

PC

 1歳前からお古のPCを与えてみたが、文字を打ったりする楽しさに気付いたのは2歳半を過ぎたころにようやくで、その前に与えたものについてはキーボードのキーをほぼ全てむしり取ってしまった。残念ながら与えるのが早すぎてもうちの場合は「キーむしり玩具」としか認識してくれないようだった。3歳近くなった現在では「ボタンを押すと文字が出る」というリアクションが楽しいようで、数字やあいうえお程度の文字をタイピングしては楽しんだりしている。

「キーむしりあそび」の餌食となって見るも無残な姿になったPC
タイプすると文字が出ることそのものが楽しいようだ

スマホ

 スマホは生まれた直後から役立っている。まず子供が泣き止む動画やアプリなどでそれこそ生後数日から大活躍だ。そして数カ月にもなると自分でいじることも可能になる。主に幼児用アプリとYouTubeの利用がメインだ。YouTubeは関連動画→関連動画→関連動画……のジャンプだけで目的の動画にたどり着く。検索ワードを入れずとも見たいものが見られるというのは、子供もYouTubeも両者大したものだと思わされる。

 それと見ていて思ったのは、幼児用アプリは大人用のアプリと比較し広告のタップ率が異様に高いのではないかという気がする。まあよく広告をタップするのだ。おかげで課金して広告を消すことも多かった。

 また、息子が2歳10カ月くらいのある日には、散歩していて「駅のほうに行こう」と言ったら逆方向に行きたがって聞かなかったので、ダメ元でGoogleマップを見せて「今ここにいて、駅はこっちでしょ?」と説明してみたらなぜか納得してそちらの方向に歩いてくれた。特に教えたつもりもないのに地図の概念が理解できるのか……この子は天才じゃないかしら! と全世界の親が思うような親ばか思考に陥っていくのであった。

 ちなみに、「最近の子供は黒電話が分からない」という話も聞くが、うちの息子の場合はアニメや絵本等の表現として出てくる黒電話で学んだのか、黒電話やそれを模したアイコンなどもきちんと「電話」として認識している。黒電話の例はたまたまで、使ったことがないことと、それが何なのかを知るかどうかはあまり関係がないのではと私は思う。

偉そうな態度でスマホをいじる

デジカメ

 デジカメは2歳半くらいにスマホでなく単機能としてのデジカメを与えてみた。最初はシャッターを押す力自体が足りなくて撮ることすら苦労したが、だんだんコツを覚えたのと、「撮りたい」という意思が見えてくるようになってなかなか楽しい写真を撮るようになったのが親としてもうれしいところだ。視点の低さや「構図の考えなさ」などがかえって新鮮に感じる。

何の計算もなくストレートな写真を撮るのがかえって新鮮

テレビ

 テレビについては(この行動は多くの子供に見られるようだが)1歳になる前はテレビ画面の裏側を気にすることがよくあった。画面の中の人や風景たちが裏側にいるかどうかをチェックしているのだ。そんな話を自分の親にすると、私が幼少の頃もブラウン管テレビの裏側は気にしていたらしいので、ブラウン管だろうと液晶だろうと幼児のフラットな世界の受け止め方からすれば画面の裏側は気になるものなのだろう。

 テレビとほぼ同時に身近にスマホが存在しているため、テレビをタッチパネルと勘違いしてフリック操作のように触る、というのもまた最近の子育て家庭ならではのあるあるだ。だが、一切タッチが効かないと分かってからは別に触ろうとはしない。きちんと学習するし覚えるのだ。

 われわれ大人の世代も、Windows 8搭載PCのあたりからタッチパネル対応/非対応PCが混在して市場に出るようになったので、幼児と同じように試しに触ってみたけど反応しない……みたいなことは実はよくあったりする。ことデジタルガジェットに関しては、子供の前提知識なしの行動というのは実は「新しいものに対するアクション」としては大人/子供問わず変わらないのではないか。

 そう思うと「先入観なく新しいものを採り入れる態度」としてはむしろ子供を見習うべきなのかもなあ……とだんだん若者の文化やツールに拒否反応が出だした自分を振り返り、反省したりするのだった。

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