BPO、テレ朝「報道ステーション」の川内原発報道について「客観性と正確性を欠き、放送倫理に違反している」
「フェアな報道姿勢とは言いがたい」と説明。
放送倫理・番組向上機構「BPO」の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は、昨年9月10日にテレビ朝日「報道ステーション」で放送された「川内原発報道」に関する意見を公表。事実と異なる内容で視聴者の誤解を招いたとして「客観性と正確性を欠き、放送倫理に違反している」と指摘した。
川内原発をめぐる原子力規制委員会の記者会見での質疑応答の内容を「竜巻と火山の質問を取り違える」など番組で誤って伝え、「委員長の発言をめぐる編集についても、実際の質疑応答とは異なる印象を与え」たのではないかとして、昨年10月10日に放送倫理検証委員会で審議入りしていた。
原子力規制庁から出された抗議を受けてテレビ朝日が社内調査をした結果、事実誤認と不適切な編集が判明したとして、9月12日放送の同番組で訂正とお詫びをしている。
委員会は質問を取り違えてVTRで使用したことは明らかに事実と異なり、「さまざまな理由が重なったにせよ、やむを得なかったと斟酌(しんしゃく)すべき事情は見当たら」ず、「フェアな報道姿勢とは言いがたい」と説明。発言をつなげたVTR原稿や編集に対し、「番組関係者の大半がその不自然さに気づかなかった事態も深刻に受け止める必要がある」とし、客観性と正確性、公正性を欠いた放送倫理違反と判断した。
テレビ朝日側は問題点として事実誤認と過信、そして分業体制にあるとし検証、再発防止に努めるとしている。委員会は局側の事後の対応について「迅速で適切だった」と認め、「再発防止策はかなり具体的であり、実践的である。本件放送の誤りを手痛い教訓として生かそうとする真摯な姿勢がくみ取れる」と評価している。
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