インタビュー

「報道ステーション」配信は快挙―― 藤田社長に聞く、AbemaTV1周年の手応えと最近の取り組み(2/2 ページ)

AbemaTVを支えるアニメチャンネルの担当者にも話を聞いています。

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新作は毎クールごとに全てチェック

―― ここからはアニメチャンネルを担当している2人にもお話を聞いていきます。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

椛嶋 私はもともと広告代理事業の方でスマートフォン広告の担当をしていて、AbemaTV立ち上げのタイミングでジョインしました。

 ゲームは好きなんですけど、これまでにアニメ関係のお仕事をしたことはなく……。担当になってから毎日アニメを見たり声優さんの勉強をしたりイベントへ行ったり、気付いたらアニメが大好きになっていました。

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水谷 私はテレビ朝日からの出向で、3年程前にサイバーエージェントに来ました。テレビ朝日ではキッズアニメだったり特撮周りのライセンスのビジネスを担当していて、AmebaTV開局に際してアニメチャンネルの担当が椛嶋さんしかいないということで声が掛かりました。


左から水谷誠也さん、椛嶋麻菜美さん

―― 実際にアニメが配信されるまでの流れはどのようになっているのでしょう。

椛嶋 チャンネル毎にプロデューサーを立てており、それぞれが作品の調達・編成・宣伝・効果分析など一連のフローを担っています。タイムリーなネタを重視し、各プロデューサーがコンテンツホルダーに直接提案します。

 立ち上げ当初は2人と、内定者バイトのメンバーや他スタッフと日々奮闘しておりましたが、今では各チャンネルにプロデューサーを立てて運用しています。番組は一枠およそ30分なので、他チャンネルに比べて本数は多いです。そういう意味では物量的には大変ではあります。

水谷 大変ですが丁寧な仕事を心掛けています。ちょっとしたぼろが出てもよくないので。

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―― ぼろと言いますと?

水谷 作品のつなげ方だったり……あと、いろんな制作物を広告で使ったりしているんですけど、そういうところで変なキャッチフレーズにならないようにとか。違和感のないよう、日頃から意識しています。

―― 調達するアニメは内容もチェックしているんですか?

水谷 さすがに全話となると厳しいですが、第1話は必ず見るようにしています。あと毎クール新作は全部追うようにしています。

―― 先ほど藤田社長から配信契約がしやすくなったとの話がありましたが、アニメはどうなのでしょう。

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椛嶋 立ち上げのときは、そもそもAbemaTVってうまくいくのかというお声がすごく多かったんです。でも、3カ月目に新作アニメチャンネルを立ち上げ、地上波で放送中の作品をネット最速で配信する、みたいな取り組みが徐々にできるようになってから、少し風向きが変わってきました。いまでは大きなコンテンツホルダーさんからも、AbemaTVでなにかやってみたいというようなお声掛けをいただくことが増えてきてますね。

―― 立ち上げ1年目で、さまざまなことを経験されたと思いますが、特に印象的なエピソードを教えてください。

椛嶋 いまは特番にかなり注力しているんですけど、2016年12月に配信した「ユーリ!!! on ICE」の特番では、コメントが集中しすぎてコメント機能が壊れたことがありました。豊永さん、諏訪部さん、内山さんといったメインキャストに久保ミツロウ先生まで呼ぶことができて、生ではなく収録だったんですけど、内山さんが発言した瞬間にコメント機能が……(笑)。

 アニメチャンネルの中でも異例の伸びで。ユーリの人気はもちろん、盛り上がっているタイミングだったこと、そして持ち込んでいただいた企画だったこともあって、トラブルには見舞われましたが、すごく印象的ないい出来事ですね。

なぜ、クリスマスに「School Days」を配信してしまったのか

―― アニメチャンネルは、ねとらぼでもよく取り上げさせてもらっていますが、最近になってかなりエッジの効いた特集が増えてきたように感じます。2016年のクリスマスには「School Days」や「WHITE ALBUM」を配信して、「AbemaTVが攻めてる」と話題になったこともありました。

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椛嶋 クリスマス特番には、ちょっとしたエピソードがありまして。これは開局前の話なんですけど、アニメ好きの内定者の子がいて、特にSchool Daysが大好きだったんですね。それで話を聞いたりする中で、いつか配信したいと思い始めて。クリスマスは周りも皆仕事だったので、「よし、配信しよう!」と(笑)。

水谷 編成会議で、クリスマスにチャンネル横断の企画をやるから、なにかないかといわれて、ここしかないと思って提案しました。ちょうど2017年が放送開始10周年だったので、そこに合わせようというのもありました。

―― サイバーエージェントというと、どうしても「キラキラ女子」というイメージが先行してしまいますが、アニメ好きの人ももちろんいますよね(笑)。

椛嶋 結構います(笑)。キラキラしているように見えて、意外と「School Days」を求めているのかもしれないです。


「社内を歩くと、アニメ好きの社員が多いのが分かると思う」と藤田社長

―― それでは最後に、アニメチャンネルの今後へ向けた取り組みについて教えてください。

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椛嶋 いろいろな作品とのコラボですとか、地上波よりも早く配信したり独占配信したりといろいろ実績はできてきたので、そこは引き続き注力しつつ、アニメ業界を一緒に盛り上げていけるような取り組みもやっていきたいです。

水谷 いま新作アニメがメインのチャンネルを担当していまして、この4月クールで4クール目になるんですけど、どれか1作品が突出するわけじゃなく全体的に数字が上がってきています。

 深夜アニメって、地上波ですとなかなか浅い時間に放送できないと思いますが、AbemaTVでは昼間でも深夜アニメを配信できます。過去の作品を見に来てくれた人が新作にも興味を示してくれて見てくれるという環境が作れれば、アニメ業界にもいい形で貢献できるんじゃないかなと思っています。そういう意味でも、コンテンツホルダーと一緒にアニメ業界を盛り上げていけたらと思っています。

藤田 オリジナルドラマなども作っていく予定ですが、アニメでもAbemaTVでやりたいというコンテンツ制作者が現れるようなサービスにしていきたいですね。

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