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ルールを決めてゲームを遊ぶ子は勉強も効率的? 今どきの小学生の実態調査

ゲームを通じて「いろんな知識が身についた」「漢字を覚えた」との回答も多数。

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 「朝日小学生新聞」が読者を対象にゲームプレイと勉強の状況を調査した結果、全体的に遊べる時間を制限するなど家庭内でルールを決めてプレイしている子は、ゲーム機を持っているが禁止されている子より勉強への集中力が高く勉強における自主性や集中力が高い傾向を示したことが分かりました。

大多数の子どもが家庭内ルールに従い、限られた時間でゲームを楽しんでいます

 調査対象は小学1年生~6年生の男女457人で、81.4%が「勉強が好き」と回答。また、このうちゲーム機を持っていると答えた小学生は370人で、うち91.9%は「宿題や勉強が済んだあと」「1日のうち決められた時間内」など、ゲームに関する家庭内ルールが決められているとのこと。その一方で「(ゲーム機は持っているが)ゲームNG」とされている子は15人(4.1%)と少数派です。

朝小の読者は基本的に勉強好きで、1日の平均勉強時間は80分強

 勉強への集中力や計画性、自主性について肯定した回答は、いずれも「ゲームOK」の子が「ゲームNG」の子より大幅に高い数値を示しました。後者は人数が少なく、単純に比較するのは早計かもしれませんが、必ずしもゲームが学業の妨げとなっていないことは注目すべきでしょう。

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「ゲームNG」の子との比較を抜きにしても、「ゲームOK」の子は勉強への集中力や自主性が高いことがうかがえます

 「ゲームOK」の子ほど家族との会話時間が長く、70%が親に悩みを相談しているとのデータも。親と一緒にゲームをする子ほど好成績という傾向もあり、親の理解も大切なようです。

 また、子ども全体の47.5%、ゲームが好きな親の60.8%が、「ゲームが勉強に役に立つことがあった」と回答しています。具体的な効果は、「いろんな知識が身についた」「漢字を覚えた」「集中力が上がった」など。ゲームから得られる知識やロジカルな考え方などは、案外ばかにできないですからね。

ゲームをする子は家族との会話も多い
「ゲームの経験が勉強に役立つ内容」は、知識の習得が過半数。もっとも筆者の経験上、ゲームだけで終わらず、それをきっかけに別の資料などで理解を深めることが重要と思われます

 調査報告の最後には、2020年の必修化に先駆けてプログラミング教育を実践している、東京都小金井市立前原小学校校長・松田孝先生のコメントも。ゲームには楽しみながら学べるツールとしての側面があり、物事の成り立ちや社会の仕組みを疑似体験できるとしています。また、親がルールを決めて遊ばせてデメリットについても説明すれば、子どももゲームやデジタルとの付き合いかたが判断できるようになるとの提案もされています。

社会科が得意な子は、RPGやアドベンチャーゲームを好む傾向。松田先生は、「ゲームの世界と現実の社会を重ねて見ることで、社会科にも興味をもっているのかもしれない」と考察

(沓澤真二)

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