「マナーが悪いのは一部」 大井川鐵道が撮り鉄の不法場所取りに苦言、警察にはすでに相談
ルールを破って撮影した写真に価値はありません。
静岡県の大井川鐵道が公道を不法に占拠して場所取りを行う撮り鉄に対し、Twitter上で注意喚起しています。なお当該の行為については既に警察に通報済みとのこと。
問題となっているのは静岡県島田市の抜里(ぬくりえき)の駅踏切近くに置かれていた脚立と立ち入り禁止のテープ。脚立には「抜里カーブ 場所取りをしています」との張り紙が貼られており、設置時刻は10月14日17時と記されています。また「無断移動・無断撤去は厳禁です」などとも書かれており、撮影の際には調整を一切受け付けない旨や場所取りについての苦情も受け付けないとしており、「他の場所で撮影してください」「写真を撮りたい人はルール(順番)を守りましょう」という厳しい文言が書きこまれています。
大井川鐵道の広報担当者を取材したところ、問題が発覚したのは10月16日午前9時ごろ。広報担当者に知人から「こんなものが置かれている」と場所取りの画像が送られてきたことから、同日午後に島田署に相談しました。
この場所取りについては「違法性が高い」との判断で、設置者本人に撤去を求めても応じない場合には逮捕に至る可能性があるとのこと。今後も同様の行為が見受けられた場合には通報するようにという説明が島田署から大井川鐵道にあったそうです。ただし、設置されている脚立などは勝手に撤去ができないということで、あくまでも設置者が自主的な回収が望まれます。
大井川鐵道の広報担当者は、「良い写真を撮りたいという気持ち、また場所取りをしたくなる気持ちは理解できる」としながらも、「最低限のやり方や言い方がある」と今回の場所取りについては残念に感じているようです。また大井川鐵道の車両を撮影しに来てくれる撮り鉄の中には、お客さんが少ない路線だからと撮影ついでに乗車してくれる人や、毎年必ずイベントに参加してくれる人もいるとのことで、「マナーが悪いのはごく一部の撮り鉄。撮り鉄全体に問題があるわけではない」と話しました。
撮り鉄のマナー違反、見かけたらどうするのがベスト?
今回の場所取りには「このような悪質な撮り鉄がいるから、ルールを守ってる撮り鉄にも世間から嫌な目をされる」「完全に悪質な脅迫!」「犯行宣言する違法カメラマン」など批判が集中していますが、もしも撮り鉄のマナー違反を発見した場合にはどのような行動をとるのがベストなのでしょうか。
大井川鐵道の広報担当者は、今後もこのような事案が頻発するようであればあらためて対応を考えなければならないとしつつも、「何らかのマナー違反を発見した場合は大井川鐵道に報告してもらえれば」と話します。ただし今回のように公道での迷惑行為については、警察に相談したほうが良いという場合もあるとのことでした。
JR東日本は「近くに駅がある場所であれば駅の社員に相談してほしい」と回答。ただし近くに駅が見当たらないという場合には警察への相談を勧めるとし、警察からJR東日本に連絡が入れば都度協力するとのことでした。この他にも都内の鉄道会社を取材しましたが、基本的には駅係員への相談が良いとされており、利用者から撮り鉄本人への直接の注意はトラブル防止のためにも控えた方が良いようです。
編集部では先日、景勝地での度重なる撮影マナー違反について取り上げたばかり。今回のような迷惑行為は言語道断ですが、立ち入り禁止場所への侵入なども問題となっています。気持ちよく美しい写真を撮影するためにも、カメラマン1人ひとりの意識が問われます。
(Kikka)
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