滑り台で、ジェットコースターのように垂直ループすることは可能なのか?
巨大滑り台で加速すれば何とかなるか……?
ジェットコースターの基本的な仕組みは、実は公園によくある滑り台と同じ。例外もありますが、「利用者を高いところまで移動させてから、コースを下降させることで運動エネルギーを得る」という方法で動いています。
では、すべり台にジェットコースターのような垂直ループを作ることは可能なのでしょうか。物理エンジンを使って検証してみました。
滑り台で、ジェットコースターのように垂直ループすることは不可能なのか?
今回は、直径3メートルのループを持つ滑り台でシミュレーション。ただし、かなり変わった形状をしており、滑り降りるためのコースは用意されていません。その代わりに
- 人間のモデルを空中からコース上に落下させ、直後にあるループに進入させる
- ちゃんとループを通過できるか確認
- そのときの高さなどから、ループ付き滑り台の条件を調べる
という検証に特化した作りになっています。本当にあったらジェットコースターより怖そうだなこれ……。
まずは摩擦をないものと仮定し、高さ6メートルからモデルを落としてテスト。勢いが足りなかったためか、モデルはループ頂上あたりで失速し、下のコースに落ちてしまいました。ですが、8メートルに引き上げると、くるりと一回転することに成功!
ちなみに、この高さは数階建てのビルに相当。市街地の公園にある滑り台などを考えるとかなり大規模なものではありますが、資金と場所さえ用意できれば実際に作れるかも……?
よくある「ちょっと滑りにくい滑り台」だと……?
次は、摩擦を考慮したよりリアルな条件でシミュレーション。検証動画を製作したこーじさんによれば、「現実世界のちょっと滑りにくい滑り台」を再現した設定になっているとのこと。8メートルではループ手前の軽い上り斜面でモデルがストップし、50メートルでも途中で落下してしまいます。
その後も高さを変えながらテストを続けましたが、結局、ちゃんとループを通過させるには140メートルまで引き上げなければなりませんでした。前述の通り、今回はコースの一部を省略しており、実際の滑り台よりも摩擦の影響が小さくなっているはずなのですが……。
というわけで、検証から分かったのは「ものすごーく滑りが良いコースを用意しないと、垂直ループ付き滑り台は難しそう」ということ。不可能ではないかもしれませんが、滑り台にはジェットコースターと違って安全バーがなく、十分な加速に失敗すると、利用者がループ途中で落下してしまう恐れが。いろいろな意味、絶叫必至なアトラクションになりそうです。
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みんな一度は考えるやつ。
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