「謝罪を要求されました」 NGT48山口真帆と運営側の“食い違い” 会見へのリアルタイム反論でコミュニケーション不足が浮き彫りに
会見の途中で山口さんがツイートで反論する一幕も。
アイドルグループ「NGT48」山口真帆さんの暴行被害騒動を受け、第三者委員会を設置していた運営会社「AKS」が3月22日、新潟市内で会見を開き、調査結果や今後の対応などを説明。この会見中には、山口さんが2カ月ぶりにTwitterを更新し、報告書や運営側の言い分にリアルタイムで反論する一幕もあり、結果的に「事件に関与したメンバーはいない」とする運営との溝があらためて浮き彫りとなってしまいました。
第三者委員会は、2018年12月8日に山口さんの住む自宅マンションの玄関にファンを名乗る男性2人が押し掛け、暴行容疑で逮捕されていたことを受け(その後不起訴。被疑者とAKSの間に示談交渉などはなかったとのこと)、騒動の真相究明のため2月1日に設置。山口さんを始め、NGT48メンバー、関係者らに事情聴取などを実施し、3月21日には公式サイトで調査報告書が掲載されました。
当初、事件に関与したメンバーがいるとされていましたが、第三者委員会がまとめた調査報告書では、メンバーの1人が山口さんの帰宅時間が分かるようなことを被疑者に伝えたこと以上の関与は確認できなかった他、事件への関与を疑われた2人も共謀を認める証拠を確認できなかったとしています。また、事件が発生した要因の1つとして、新潟県の都市部が狭いことや公共交通機関が都市部と比べ発達していないことなどが指摘されています。
なお、調査報告書では被疑者とされる人物らの協力が一切得られておらず、メンバーが真実を供述している客観的な担保もないと説明。調査報告書で“丙”とされる被疑者らの一人は、今回の調査協力を求められ、条件として“出禁”の解除を求め、これにAKSは応じなかった旨が記されていますが、松村さんによると、出禁となったのはこの事件後とのことです。
調査の過程で、ファンとの私的領域での交流が禁止されているのを知りつつ、メンバー12人が一部のファンと私的な“つながり“があったことも明らかに。AKSは、この報告書に基づき、事前の指導不足などを理由に「風紀の乱れ全般は、今回は不問に致します」と処分なしの見解を示しました。
会見には、AKS運営責任者兼取締役の松村匠さんの他、NGT48劇場支配人の早川麻依子さんと副支配人の岡田剛さんが登壇。冒頭で、山口さんを始め、ファンや新潟県民、クライアントなどへ謝罪した後、あらためて「山口さんに暴行が行われたこと」「事件とは関係なく、ファンとの私的領域でつながりをもつメンバーがいたこと」など報告書の内容を説明。
報告書で指摘されたNGT48内の風紀の乱れ、AKSの安全管理に対する運用の不十分さ、社員のメンバーに対する教育の不十分さについては「メンバーの安全を最優先に運営を行うことに努め、今後このような事件が起こらないよう、被疑者に対しては「(民事上の)法的な処置を検討」するとしました。なお、松村さんとAKS専務取締役の大村拓也さんは、2月から約30%の減給措置を無期限で採っていることを明かしています。
「調査報告書の内容に関しては言及できる立場にない」と独立性を強調したAKSでしたが、一方で「報告書に関して新潟への地域性への言及がされているが、今回の事件の原因は当社の組織上、運営体制の不十分さが原因であり、新潟の地域性にあるとは全く思っておりません」と第三者委員会の指摘に一部異論をはさんでいます。
AKSが調査報告を受けたのは3月18日で、20日にはメンバーにも開示。内容について山口さんは納得しているのか問われた松村さんは「本人が理解、納得しているのかは疑問は残るが、山口ともコミュニケーションをとり、フォローに努めたい」とコメント。
しかし、このさなかに当の山口さんがTwitterで、「松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に『繋がっているメンバーを全員解雇する』と私に約束しました。その為の第三者委員会だと、私も今までずっと耐えてきました」と今なおコミュニケーション不全であることがうかがえる悲痛な胸中をリアルタイムで突如ツイート。続けて、1月10日にNGT48劇場で開催された3周年記念公演での謝罪について、「私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました」と告発し、会場は騒然としました。
山口さんの反論に松村さんは、「事実ではないこともある」と一部否定。1月10日の公演で山口さんが謝罪したことについては、「強要した事実は一切ない」とした上で、「私の配慮が欠けていた部分はあった。開演の前に私が出て話した上で出てもらえばよかった」と謝罪しました。
また、ファンと私的領域でつながりがあったとするメンバーについては、特定のファンを優遇する“不適切“な行為としつつも、「第三者委員会の報告によると、私的なつながりとは道端であいさつを交わすことなども範疇に含まれ、ファンサービスと私的領域での線引きが非常に難しい状況だと認識している」とルールそのものがあいまいだとコメント。今後は、「まずはメンバーと向き合い、今までおろそかになっていたコミュニケーションを取り、相談、説得、指導を行う」としました。
しかし、これらの説明のさなかに、山口さんは「報告書に記載もないのにつながりには挨拶も含まれるというのは勝手な解釈です」「証拠がないと仰っていますが、犯人グループとの交際を認めたメンバーもいます」と再び反論のツイートを行っています。
これを受け、松村さんは数分間、会見中に報告書を再度確認。「あいさつも私的領域でつながること全てに含まれる、という私の認識」と誤解であったとし、犯人グループとの交際を認めたメンバーがいるという山口さんの発言には、「本人といま一度話さなければならないなと思う」とコメント。今後の解決策の具体例としてメンバーとのコミュニケーションを挙げたAKSでしたが、山口さんとのコミュニケーション不足が露見する事態となりました。
また、ネットではメンバーだけでなく、運営スタッフと一部のファンが交流している様子がうかがえるツイートがみられることについて、運営スタッフが一部のファンを優遇していた事実は把握していないとしつつ、「運営とファンとの交流が日常的に行われているということであれば、徹底的に洗い出し、誤解を招くことがないようにしていきたい」と管理体制をあらためることをコメント。運営側とファンとのつながりも今後の課題となりそうです。
会見の最後に松村さんは、「皆様からの厳しい意見を受けまして、また新たにNGTが再興できるよう頑張って参りますので、何とぞご支援ご鞭撻のほどお願いしたい次第でございます」と呼びかけ。続けて、「山口始め、メンバー、保護者の皆様に多大なるご心配と心に深い傷を負わせてしまったことをあらためてこの場を借りておわび申し上げます」と十数秒間にわたって頭を下げました。
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