ムーミンのいる暮らしって、どうですか? 「ムーミン日記」平成最後の春編:ムーミン日記(2/4 ページ)
令和もムーミンといっしょ。
2月某日
岐阜県は飛騨市が主催する、短歌コンクールに入賞して、表彰式に行ってきた。なんと副賞は飛騨牛1万円分。
「これは、高級なお肉ですね?」とムーミン氏に聞かれる。そうだよ。食べたこともない、高級なお肉。夜は早速すき焼きに。
夫はあろうことか「柔らかすぎてニセモノっぽい」とのたもうていたけれど、苦笑しつつなかなかどうして、脳がバグっているのが分かる。お肉? やわらかい? 牛肉? ホント? やわらかすぎる? お肉? と、おいしさがダイレクトに感知できないほどに、それはそれは柔らかく重厚、旨味そのものであり、ははーっ飛騨牛様様ナイトでございました。
3月某日
休日。横浜の実家に住む妹から、近所のおいしいパン屋さんのパンぎっしり詰め合わせ! という夢の玉手箱が送られてきた。ひとつずつ手に取ってその重みと、そして匂いを確かめる。その横で、今日は東京マラソンだと夫がテレビを見ている。
「東京マラソンですか。東京には、いったい何があるのでしょう?」
と氏もトーキョーに興味がおありの様子。
私が「若者の夢とか希望じゃない?」と返すと、「そういうことじゃなくって…」と困らせてしまった。トーキョーには何があるのだろう。何があったのだろう。夢や希望じゃなければ、絶望? そのすべて? ああそれでもやっぱり、きっと新宿は豪雨。
3月7日
お花を買ってきた。
明日は二度目の結婚記念日である。
結婚記念日は付き合いはじめた日でもあるので、8年前のこの春のはじまりの日をやっぱり思い出す。どちらもとりわけ好きでもないのにその日はなぜか岡本太郎展に行くことになって、2人して順番に冷やかしでやってみた岡本太郎ガチャガチャでは色違いのフィギュアが出てきた。その偶然がうれしかった。夜はチェーンの居酒屋へ行って、ちょっと緊張しつつしかし親密な雰囲気を楽しんでいたら、実家の母から「家のトイレが詰まった!」とのメールが。そのことを話すと、夫になる前のその人は笑っていた。好きだから、付き合おうかとどちらからというわけではなく、そういうことになった。震災が起きたのはその数日後で、そのこともいつも一緒に、3月のはじめの、まだ寒いこの時のこととして毎年記憶から取り出すのだった。
今年知ったのは、記念日の3月8日が「ミモザの日」であるということ。素敵じゃない、記念日のお花! とうれしくなって当日、ミモザを買いに自転車を漕いだのだけど、訪れるどの店にもないという。最後の最後、フラワーショップというより生花店という面持ちの店頭で箒を掃いていたおばあさんに尋ねると、これでいいなら持ってきな、と店の奥からブワッと溢れんばかりのミモザを手品のように取り出して渡してくれたのだった。嬉しくて、立ち漕ぎで帰る。
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