カラーが一部報道に対し「強く抗議」 ガイナックス代表の逮捕を巡り
ガイナックスは現在「エヴァンゲリオン」関連の権利を一切有していないとのこと。
株式会社カラー(以下、カラー)は12月5日、株式会社ガイナックス(以下、ガイナックス)の代表・巻智博氏逮捕を巡る報道に対し、「強く抗議」をするとの声明を公開しました。
ファンには周知の事実ですが、カラーは元ガイナックス所属の庵野秀明氏が2006年に設立したアニメ制作会社。現在「新世紀エヴァンゲリオン」を含めた「エヴァンゲリオン」シリーズの権利はカラーが保有していますが、ガイナックス代表の逮捕報道に際し、「『エヴァ』制作のガイナックス社長が逮捕」のような見出しで報じたメディアが複数ありました。
カラーは、「エヴァ」の原作・総監督などを務める庵野秀明氏および監督・副監督等を務める鶴巻和哉氏が、被疑者と一切関わりがないことを強調した上で、今後同様の報道があった場合は、同社と同社作品の制作に従事するクリエイターらの名誉声望に対する侵害として、法的措置を含めた対応について検討するとしています。
カラーによると、ガイナックスは現在「エヴァンゲリオン」関連の権利を一切保有しておらず、「ガイナックス及びこれに類する称号を有する法人との間に映像製作上、一切の取引関係を有していない」とのこと。また、2016年の報道以来、還付金の返還を求めて現在も係争中であることも明かしました。
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カラーは同件が2020年6月公開予定の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の製作に影響がない旨と共に、被害者へのお見舞いを表明しています。
「ガイナックスに類する称号を有する法人」とは
ガイナックスでは近年、アニメーション監督でもある山賀博之氏が同社の代表を務めていましたが、今年(2019年)10月に巻氏へとバトンタッチ。巻氏は代表就任からわずか数カ月での逮捕となりました。
巻氏はもともと、映像プロデュースなどを手掛ける株式会社オオカゼノオコルサマの代表や、2018年設立のタレントマネジメント会社・株式会社 ガイナックス インターナショナル(以下、ガイナックス インターナショナル)の代表などを兼任していた人物でした。
カラーが「ガイナックス及びこれに類する称号を有する法人」と表現したのには、2014年以降、ガイナックスの関係者/元関係者などが「ガイナックス」の名を冠した企業を立て続けに設立していた背景があります。
「ガイナックス」の名を冠した企業(漏れがあったらごめんなさい)
- 米子ガイナックス株式会社
- 株式会社ガイナ(旧福島ガイナックス)※2018年より木下グループ傘下(関連記事)
- 株式会社福島ガイナ
- 株式会社ガイナックス京都
- 株式会社ガイナックス ウエスト
- 株式会社ガイナックス新潟
- 株式会社ガイナックス インターナショナル
ガイナックスの前社長である山賀氏は、株式会社ガイナ(以下、ガイナ)で新しい監督作「蒼きウル」を準備中。ガイナは12月5日、プレスリリースで「株式会社ガイナは木下グループの一社として運営しており、今回の報道に関してお答えすることはございません」と、ガイナックスとは無関係との立場を表明しています。
ガイナのプレスリリース
一部報道について
この度、株式会社ガイナックス様の報道について、多くのお問い合わせをいただいておりますが、株式会社ガイナは木下グループの一社として運営しており、今回の報道に関してお答えすることはございません。
弊社では、今後もアニメーション映像作品の発信や、アニメスタッフの人材育成に尽力し、日本を代表するアニメの拠点を目指してゆく所存です。
今後とも応援の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社ガイナ
代表取締役社長 浅尾芳宣
同様に、株式会社ガイナックス京都の武田康廣代表、米子ガイナックス株式会社の赤井孝美代表も、それぞれガイナックスとは資本関係がなく、巻氏の逮捕に関して無関係であると各社公式Twitterに投稿しています。
ガイナックスを冠した企業を巡っては、2017年に株式会社ガイナックス ウエストで取締役を務めていた人物が、代表を勤めていた別会社(株式会社神戸アニメストリート)で売上の未払い等、詐欺まがいの行為を行い批判を集めていました。
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カラーの声明全文
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