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SNSも黒一色 米音楽業界が6月2日の業務停止呼びかける「Blackout Tuesday」各界に広がる(1/2 ページ)

Instagramを開いて驚いた。

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 アメリカで音楽業界が6月2日(現地時間)の活動をストップさせる「Blackout Tuesday」への参加を呼びかけ、アーティストやレーベルなど多くの賛同を得ました。

 これは5月25日(現地時間)に黒人男性ジョージ・フロイドが無抵抗であったにもかかわらず白人警官のデレク・ショーバンに頸部(けいぶ)を膝で押さえ付けられ亡くなったことへの抗議活動の1つとして発生したもの。亡くなった男性は「息ができない」などと懇願しましたが、8分以上にわたり首を踏まれ続け、その様子は一般市民が撮影した動画によってネットで拡散されました。


月曜では週末の続きのようで、金曜までは待てない、だから火曜日にしたという(The Show Must Be PausedのWebサイトから)

 発起人は音楽業界でエグゼクティブとして活動するブリアナ・アギェマンとジャミラ・トーマス。2人は「The show must be paused」と「The show must go on(ショーを止めるな)」をもじったフレーズを掲げ、6月2日の業務を停止しようと呼びかける「Blackout Tuesday」を拡散。「Blackout Tuesday」とは、それぞれが「黒人コミュニティーをサポートするために何をすべきか率直で思慮深く生産的な会話をする日」だとしています。

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多くのアーティストが真っ黒な画像を投稿(リアーナのInstagramから)

Fenty Beautyのサイトも24時間ストップ(Fenty Beautyのオンラインショップサイトから)

 バルバドス出身の歌手、リアーナもこれに賛同し、真っ黒な画像をInstagramに投稿。「今日は買わないし売らない」と自身の化粧品ブランド「Fenty Beauty」も生産をストップし、オンラインショップからも24時間商品を買えない仕様にしました。

 この他、米歌手のジャネット・ジャクソン、英ロックバンドのザ・ローリング・ストーンズ、米歌手のブルーノ・マーズ、米歌手のライオネル・リッチー、米俳優でラッパーのウィル・スミスなど数えきれないミュージシャンが同じように真っ黒な画像や黒人文化に関する画像を投稿。音楽業界だけではなく、俳優やその他アーティストらにも広がっています。

レコード会社では最初に賛同を表明したコロムビア・レコード

 さらに大手レーベルのコロムビア・レコード、ソニー・ミュージックレコーズ、ユニバーサルミュージックグループ、キャロライン・レコード、ワーナーミュージックや、米芸能メディアのビルボードも賛同を表明しています。

 また、Apple Music、Spotifyなどの音楽配信サービスも通常の機能が制限され、ブラックミュージックのプレイリストを提供するなどの行動を起こしました。Apple Musicは「私たちはこの日を黒人アーティスト、黒人クリエイター、黒人コミュニティーをサポートするため熟考し、行動を計画するために使います」とツイートしています。

Apple Musicも

 その他、個人ブランドから大手ブランドまでが賛同を表明しています。スポーツ用品メーカーのNIKEはキャッチコピーである「Just Do It」をもじって「For once, Don’t Do It(今回だけは、やらないで)」と「Blackout Tuesday」運動を促すメッセージを発信しています。

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 動画配信サービスのNetflixは、「沈黙は共犯と同じ。私たちはプラットフォームを持っているし、黒人である私たちのメンバー、従業員、クリエイター、タレントは声をあげるべきなのです」とツイート。ソニーもまた「黒人が体験する暴力や差別に対して沈黙するのは共犯と同じ」とツイートし、「行動は言動より雄弁」と続けており、ソニーグループであるソニー・インタラクティブエンタテインメントは6月4日(現地時間)に予定していた新型ゲーム機プレイステーション 5(PS5)向けのオンラインソフト発表会の延期を発表しました(関連記事)。


初めは自身の影響を考え慎重に発言しようとしていたというビリー(ビリー・アイリッシュのInstagramから)

 ジョージ・フロイドの事件を受け、白人のアーティストや俳優も強い怒りを隠さず、特権を持つ立場からさまざまな層へ問題を届けるための発言や行動が目立ちました。

 今回拡散されたハッシュタグ「#TheShowMustBePaused」「#BlackoutTuesday」の前に抗議運動とともに広がっていたハッシュタグ「#BlackLivesMatter(黒人の命は大事なもの)」は、2012年に米フロリダ州で17歳の高校生だった黒人少年トレイボン・マーティンが警官に射殺された事件後に発生したもの。再び広がり始めたこの「#BlackLivesMatter」に続いて現れた「#AllLivesMatter(すべての人の命は大事なもの)」というハッシュタグに対して、米歌手のビリー・アイリッシュは自身のSNSで「マジで黙って?」と率直な怒りをぶつけていました。「誰かの家が燃えてまだ人が中にいるってとき、消防車に“まず他の家も全部見てください、すべての家が大切なんだから”っていうわけ?」と白人の特権が存在している事実についてあらためて語りました。

レディー・ガガも長文を

 米歌手レディー・ガガも「言いたいことがたくさんある」と長文メッセージを投稿し、事件に対する強い怒りを示しつつも、「黒人コミュニティーの声は何度も黙殺され続け、命取りになるものだった」「アメリカのありふれた人々は差別主義者です。それは事実です」と冷静に言葉を紡ぎ、アメリカの人種差別を煽るような発言を繰り返してきた米ドナルド・トランプ大統領への批判も繰り広げています。

妻のブレイク・ライブリーとともにコメントを発表したライアンレイノルズ

 さらに米俳優ライアン・レイノルズとブレイク・ライブリー夫妻は事件を受けて全米黒人地位向上協会(NAACP)へ20万ドル(約2200万円)の寄付を発表。「私たちは子どもたちに法律の異なったルールを学ばせ(警官に呼び止められて)車を停めたあと起こるかもしれないことについて心配する必要はありませんでした」「どれだけ組織的な人種差別が深く根付いているか、過去に知らないでいた自分たちを恥じています」と人種差別の現実に無知であったという過去を認め、子どもたちには自分たちの世代とは違った教育をしていく旨をコメントしています。

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 これまでにもアメリカではずっと丸腰で無抵抗の黒人が根拠のない疑いを向けられ警官に殺害される事件が続いてきました。ガガのいう通りその声は何度も黙殺されており、今度こそ前進したいと強く願う人々の思いが大きなうねりとなった今回の抗議運動。発端となったブリアナ・アギェマン、ジャミラ・トーマスは「これはただの24時間のイニシアチブではなく、私たちは長い闘いを続けていく」とし、ますます大きな運動に発展していくと予想されます。

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