連載

あぁ懐かしの「いい旅チャレンジ20000km」 令和のデジタル環境で国鉄時代の濃いアナログゲームやってみたやすこーんの「くらしの鉄道」(1/4 ページ)

「あの頃」にマジ参戦していた達人の皆さんをお呼びして、いざ! ……ホントにできるのか?

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筆者が入手したエポック社のボードゲーム「いい旅チャレンジ20,000km」

 「いい旅チャレンジ20,000km」。

 そう聞いて郷愁を感じる世代とそうでもない世代は「50歳前後」で分かれるところでしょうか。これは、かつて日本国有鉄道(国鉄)が行っていたキャンペーンです。

 いい旅チャレンジ20,000kmは、242線区(約2万キロ)あった国鉄全線の完全乗車(完乗)を目指すもの。つまり乗りつぶしゲームですね。1980年から10年間、国鉄が分割民営化され、JRグループになった年をまたいで実施されていました。

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国鉄が実施していた「いい旅チャレンジ20,000km」公式ルールブックの「ときめきの踏破パスポートブック」(画像提供:瀬端さん)

パスポートブックに記録しておけるようになっていた(画像提供:瀬端さん)

 参加するには、まず1線区を踏破(走破ではなく、踏破と呼ばれた)した証拠に、その路線の起点および終着駅の駅名と、自分が写っている写真を事務局に送付します。すると「チャレンジカード」と呼ばれる会員証が発行されました。


いい旅チャレンジ20,000kmの「チャレンジカード」(画像提供:栗原さん)

 踏破した数によって、豪華な賞品がもらえました。トランプやタオル、オルゴールやレールで作った文鎮など。今の私だったら、賞品ほしさに乗りつぶしていたと思います。

 キャンペーンのタイアップに当時の富士写真フイルムが関わったこともあり、8ミリカメラや映写機などの副賞もあったとか。


30線区踏破記念商品のレール文鎮(画像提供:瀬端さん)

踏破記念賞品のタオル(画像提供:齋藤さん)

踏破記念賞品のオルゴール(フタ部分のみ)(画像提供:齋藤さん)

あの時代は「家族の距離が密接な時代」でもあった

 先日、SNSで「いい旅チャレンジ20,000kmに参加した人いる?」と聞いたところ、次々に手が上がりました。

 当時、小学生だった方が多く、皆さん「証拠写真の撮影」に苦労していた様子です。まずカメラを手に入れるのが大変で、さらに1人で巡っていれば、誰かに写真を撮ってもらわなければなりません。なるべく優しそうなお姉さんに声をかけた、などのコメントもありました。

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 その上、苦労して撮ってもらった写真が現像したらピンボケだったり、駅名が入ってなかったりしたら……。その時の嘆きようは、想像に難くありません。

 もし撮ってもらったのが親ならば、八つ当たりもしたことでしょう。テレビの前で、カセットデッキ片手に録音しようと息を潜めてスタンバイしていたのに、「ご飯だよ!」と呼ばれて台無し……。その感覚と近いものがあります。今思えば不便かもしれませんが、家族の距離が密接な時代でもありました。

 密を避けてのステイホームの期間中、どうやら暇を持て余して断捨離に励んだ方が多かったようで、私はネットオークションで、気になっていたボードゲームを手に入れました。


筆者が入手したエポック社「いい旅チャレンジ20,000km」のボードゲーム

 いい旅チャレンジ20,000kmのボードゲームは、当時のキャンペーンに合わせて発売された日本一周旅行ゲーム。バンダイとエポック社から出ており、入手したのはエポック社版のものです。

 実際のチャレンジ20,000kmと同様、一番多くの路線を踏破してポイントを稼いだ人が勝ち。鉄道歴まだ13年めの私は当時参加していませんが、このキャンペーンのきっかけになった、宮脇俊三さんの著書「時刻表2万キロ」は読んでいたので、興味はありました。

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宮脇俊三著「時刻表2万キロ」(筆者所有の文庫版)
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