「妻は発達障害なんじゃ?」妻と離婚寸前の相談者、それでもモラハラの自覚がない 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)
ちゃんとしたしゃべり方に反して、とにかく的外れな受け答えが印象的。
自分の非を許すために妻を発達障害認定
「奥さんが離婚しないと決めてね、アナタのところに戻ってくると、あんまり今までと変わらない生活になると思いますよ。なぜならアナタ自身が、病気になるほど奥さんがね、自分によって苦しめられているということについて何の実感もないように聞こえますから」
「私も一応、いろいろこう……1年くらい前から、その調べた中で、まあ妻がちょっとこう、発達障害とかじゃないかなっていうのを思いはじめてるんですけど」
「発達障害はある意味ね、非常に便利に使われている言葉でもあってね。アナタの中で、自分を許す言葉になりますよね。要するに自分は普通に行動してるんだけど、相手の方に何らかの問題があってね、普通だったら問題にならないことが問題になったんだという風に思い込む言葉になってますよね」
もちろん妻が発達障害だというのは、相談者が勝手に判断しているだけで、正式に診断が出ているわけではない。
「モラハラっていうのは分かりづらい主張なので、言われた方もピンと来てないかもしれないしね。特にアナタの今お考えの回路だと、向こうの方に問題があってね、病気になってるんだっていう風に思ってますから」「アナタが病気にしてるんですよ」
殴る蹴るのDVだったら悪い・悪くないが目に見えて分かるが、モラハラの場合は加害者が「自分は悪くない」と考えがちだ。
「(被害者は)精神的には殴られてるので。『殴っていないからそんなに自分は悪くない』って思っている人とはね、やり直したり続けていったりするっていうのは非常に難しい問題になると思うんですよね」
相談者が「離婚したくない」と主張している以上は、現段階では離婚調停は不調に終わると考えられるが、だからといって妻が相談者と再び同居するという話にはならないだろう。大迫が続ける。
「アナタは奥さんのこと、親身になって心配してないと思いますね。アナタが心配なのは、自分の家庭の話であってね。妻という人が家にいて家事をしている家庭というものを考えた時に、家事をするべき妻がね、どうなってるのかなという関心はあるかもしれませんけど、奥さんという人に対して親身に『大丈夫かな』っていう気持ちはないように思います。それは多分、一番奥さんが分かってると思いますよ」
「私もその、薬とかを服用してたのは分かってたんで、それをお酒と一緒に飲んだりとか、飲み忘れたりとかしてたんで、心配で『ちゃんと飲んでる?』って聞いてたんですけど、そういうのが多分、ダメだったんでしょうねぇ」
また回答をズラしてきた。妻が発達障害だと主張したり、薬を酒で飲んでいたと明かしたり(本当ならそれはそれで心配だが)、何かと“妻が悪い”アピールをしてくる。
「あのね、アナタは『ちゃんと決められたことやってるのか!』って言ってるでしょ?」
「そうですねぇ……」
「それはね、言われた方は、自分のことを心配しているとは思っていなくて、『またルールだ』と思ったと思いますよ。何でも自分の決めた通り、人を従わせるっていうことしかこの人は考えていないんだなって受け止められてしまったと思いますよ」
今回の相談者は終始、淡々としたしゃべり方で、すごくちゃんとした印象があるのに、語る内容や考え方がとにかく的外れ。モラハラをしている自覚がまったくなく、本気で「妻は発達障害なんじゃ?」と心配しているとしたら、恐怖でしかない。
妻は入院前、パートで働きに出ていたというが、相談者いわく収入は「9対1とか、9.5対0.5みたいな形」とのこと。「パートでヒマなんだから家事は完璧にやれて当然」くらいに思っていそうだ。
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