「きゅうり」から包丁を作る → 抜群の切れ味なのになぜか土に還る不思議な包丁が完成:圧倒的不審者の工房(1/2 ページ)
きゅうりで作った包丁でピクルスをスパスパ切る、狂気の動画です。
牛乳、ゼリー、鉱石など、予想もつかないような材料から“包丁”を作る「圧倒的不審者の極み!」さんが新作動画を投稿。今回はなんと「きゅうり」から「包丁」を作ります。
新作は“犬”として人間に飼われているという“犬男”が主人公。手錠をかけられながらも、毎日与えられるきゅうりのヘタを食べてなんとか命をつないでいましたが、ふとテーブルをのぞくとそこには飼い主の食事らしき豪華なローストビーフが……。
この環境に不満を爆発させた犬男は、カギを手に入れて手錠を外すことに成功。果たして飼い主の運命はどうなってしまうのでしょうか……。
というわけで、今回使うのは犬男が毎日食べさせられていたきゅうりです。
煮沸した瓶にスライスしたきゅうりと塩水を注入し、ヒーターで一定の温度に保つことでピクルスと副産物である植物性乳酸菌を生成。水素イオン濃度(Ph)を丁寧に測りながらそれを牛乳に加えると、フルフルのヨーグルトが完成しました。
続いて登場したのは生米です。きれいに洗ってから独特の調理法で炊きあげたお米をすりこぎで潰して潰して潰しまくると、すっかり立場が逆転し、“犬男に飼われている人間”から唾液を採取。潰したお米に加えてからさらにトウモロコシも加えて糖度をアップさせ、ペースト状になるまで潰していきます。
そこにきゅうりから作った植物性乳酸菌を注入し、超音波洗浄機を使ってひたすら超音波を当て続けると、今度は乳酸のもととなる液体ができました。それを手作りの木製遠心分離機にかけ、手動でぶんぶん回していきます。どうしてこんなに謎の器具を持っているのに、遠心分離機だけは自作なのか。
その後は乳酸のもととなる液体に活性炭を投入し、乳酸を吸着させてからアセトンを使って分離させることに成功。フライパンでじっくり加熱することにより、真っ黒でカッチカチのポリ乳酸が出来上がりました。
後は薄く伸ばして固めたポリ乳酸をノコギリを使って成形し、ひたすら研いでいく作業です。最初は粒子が粗い砥石を使い、徐々に細かいものへと変えていくと、だんだんとポリ乳酸がつやつやし始め、切っ先も鋭くなってきました。
PLAとも呼ばれるポリ乳酸は、3Dプリンターの素材としてもよく知られるエコプラスチックで、近年注目を集めているもの。犬男は3Dプリンターを駆使してPLA製の持ち手を作ると、完成した刃に装着。最後は序盤に発酵させたピクルスをスパスパ切り付け、圧倒的不審者の極み!さんらしいエンディングを迎えました。
今回も素晴らしいアイデアで見事な包丁を作りあげた圧倒的不審者の極み!さん。ねとらぼ編集部が詳しいお話を伺ったところ、カギとなった乳酸のアイデアについて「最初は市販の乳酸菌飲料の乳酸を作ろうと何種類か試しましたが、上手く発酵できませんでした。そこで漬物の発酵をヒントに、きゅうりから乳酸菌を作ることを思いつきました。これは予想外に上手く行きました」と制作秘話を明かしてくれました。
また乳酸菌が乳酸を作る過程については、「動画では見た目もあるので、乳酸菌のエサとして主にデンプン(米、とうもろこし)を使いましたが、本来は飲食店や食品工場から出た食品廃棄物と乳酸菌を混ぜて発酵することで乳酸を抽出できます。糖類を含んでいれば乳酸菌が乳酸を作ってくれます」とのこと。
「自作の乳酸を抽出し、フライパンで加熱する過程で嗅ぎなれた使用中の3Dプリンターと同じ臭いがしたときは安堵の表情に変わった瞬間でした」と今回の作品を振り返りました。
また動画の説明文では、「ポリ乳酸は土に埋めておくと分解されます」とコメントしていたこともあり、視聴者からは「つまりこの方法で作った包丁はその辺に捨てても分解されて無くなるから証拠隠滅になるから一部のユーザーに実用的」「なんのために何してんのか全くわからないのに観ちゃうよね」といった声が上がっているほか、海外の視聴者からも高い評価を得ています。
画像提供:圧倒的不審者の極み!さん
(Kikka)
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