『嘘喰い』最強のエピソードがエア・ポーカー編である理由を、今から皆さんに説明します:今日書きたいことはこれくらい(3/3 ページ)
全部面白いけどやっぱり「エア・ポーカー」が突出していたよねという話。
そして4点目、「次の『屋形越え』に至るまでの展開としても完璧なストーリーだという他ないこと」。
これについては物語の核心に迫る内容なのでちょっとボカす他ないんですが、この勝負、最後の最後には心理戦や駆け引きを越えて、「どこまで協力者を信じられるか」という勝負になっていきます。そこで嘘喰いが最後の最後に賭けたのは、協力者と自分自身の過去のきずな。エア・ポーカーの当初からの描写が全て伏線となって、最終決着へとつながっていきます。
このストーリーがこの後の「屋形越え」最終決戦につながっていく流れもまたお見事としか言いようがありませんで、エア・ポーカーを「最強」と言い切る重要な要素の一つになっているわけです。
まさに文字通り命を賭けた知略戦である「エア・ポーカー」。二転三転し最後まで勝負が分からないこの最高の名勝負を、ぜひ皆さんにも味わって頂きたい、と思うこと大です。
ちなみに、エア・ポーカー編では、貘とラロ以外にもいろんなキャラクターが関わっていまして、2人以外にもいい味を出しているキャラが山ほどいます。
例えば、物語開始当初はただのボンクラ青年だったのに、いろいろな勝負を経て大きく成長し、エア・ポーカー編ではついに貘以上の洞察力を見せて最初に勝敗ルールを見抜いた梶。エア・ポーカー編は、読者が梶の成長を実感する物語でもあったと思います。
「エア・ポーカー」の考案者、またこの勝負の立会人でもある能輪紫音と、同じく立ち会い人の真鍋匠。真鍋さんはちょっと前まで賭郎と対立する組織の警察内「密葬課」の長だったのですが、密葬課が賭郎に吸収されまして、立会人になってからより一層ステキな味わいを出しています。紫音も割と天然な人でして、なんかよく分からない謎ポイントを付けはじめた紫音に、「何言ってんだこいつ……」的な冷めきった反応を返してる真鍋さん面白すぎる。
関係ないんですが、まさか物語最終盤のここに来て「我々は地球を侵略しにやってきた宇宙人である」ネタが再登場するとは本当に予想もしていませんで、あれ読んだときには「ここでこれがくるのかーーーーっ!?!?」って冗談ごとじゃなく鳥肌が立ちました。一方、宇宙人ネタに対して全力受けしている真鍋さんが、これまた最高に面白かったりします。なんだこの人の面白さ。業の櫓編ではここまで面白い人だとは思わなかった。
本作後半の最大のヒロインである大船額人さんも、全然状況が分かっていないながら、随所で抜群の存在感を出しています。この人何気にプロトポロス編でも、ほとんど情報がない状態で状況をひっくり返す大活躍してるんですよね……最初はただのモブかと思ってたのに、嘘喰いは随所随所にこういう「当初ここまでの存在になると思ってなかった」キャラを出してくるからすごい。
まとめ
ということで、長々と語って参りました。本エントリーの内容を一言で説明すると、
「嘘喰いのエア・ポーカー編はめちゃくちゃ面白いし熱いので皆さん読んでください損はさせません」
ということ、あと「嘘喰いのヒロインは大船さん」ということだけであって、他に言いたいことは特にありません。よろしくお願いします。
今日書きたいことはこれくらいです。
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