「いま令和……だよね」「ディーゼルの音がたまらん」 いすみ鉄道には「昭和そのまま」がまだたくさん残っていた(1/2 ページ)
いすみ鉄道のレトロさと「人」の魅力が詰まっていました。
「あれ? いま、令和……だよね」──。春らんまんののどかな景色を行くレトロな鉄道車両の動画に、「あれ、これは昭和時代の記録映像?」などと錯覚し、思わず見入ってしまう人が続出しました。
こちらは、千葉県・いすみ鉄道の公式Twitter(@isumitetsuitter)が公開した「いすみ鉄道 キハ52 125運行10周年記念動画」。令和時代の今もなお現役で活躍する“昭和”が香りまくる車両、運転士・鉄道員のかっこいい姿、そして美しい景色で構成され、5月17日現在、約1万件の「いいね!」が寄せられています。……うっとりと何度も繰り返し再生してしまうこと必至です。
映像製作は、鉄道と鉄道員への深い愛情を表現する鉄道動画でおなじみの鉄道ビデオグラファー、特急ぬめり(@NumeriExpress)さん。
これまでにも「箱根登山鉄道のすてきな鉄道マンを映した動画」(関連記事)や「昭和94年(?)暮れの小湊鐵道」(関連記事)、「昭和世代がホロリとする“ありがとう185系”ラストラン動画」(関連記事)など多数の感動鉄道作品を公開しています。
エンジン音が鳴り響く中、係員が昭和時代から走り続ける列車「キハ52」の出庫点検を行っています。床下のエンジンをチェックし、運転台のメーターからも動作を丁寧に確認します。
このキハ52は、1965(昭和40)年製造の車両です。JR西日本の大糸線で2010年まで活躍し、2011年にいすみ鉄道へやってきました。車齢56年(2021年現在)のベテラン車両ですが、今なお元気に活躍しています。
運転台にはアナログの計器や車両の状態を示す古めかしいランプ類が並びます。木製のブレーキハンドルは着脱式。デジタル機器の近年車両にはない、独特の機械感や重厚感……、そして画面からなのに、古めかしい匂いさえ感じてしまうほどです。
点検が終わったキハ52がいよいよ出発します。「出発進行」「ぷぉん」。前照灯の横にあるシャッターを開け、そこから警笛を気持ち控えめに鳴らします。「シャッター式タイフォン」。これを搭載する車両も残念ですがどんどん減ってきています。
キハ52は、同じくJR西日本からやってきた「キハ28」と連結し、エンジン音を響かせながら、のどかで時間もゆっくりと流れていそうな春の美しい景色の中を走っていきます。
おや、走行中の車内では実物のオルゴールを使った車内チャイム「アルプスの牧場」が流れていました。まだこれも残っていたとは……。実物オルゴールの車内チャイムはJR北海道の一部車両でも聞けますが、やっぱりこんな装備がある車両はもう貴重です。
動画には「古き良き国鉄時代をほうふつとさせる」「タービン唸る大型ディーゼルの音はたまらん」など、懐かしさを思い出して見入ってしまった人のコメントがたくさん。そうそう、この動画はぜひ「ボリュームを上げて」、ヘッドフォンなどを使って一人でじっくり「音アリ」で再生することをお勧めします。
併せて念のため、この風景は「遠い過去のもの」ではありません。いすみ鉄道はキハ52とキハ28を連結した列車を土曜と休日に3本運行しています(2021年5月現在)。関東エリアの人ならば日帰りで行ける「レトロでのどかな古き良き昭和」へ会いに行ってみてはいかがでしょうか。
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