「何もない」なんてひどい あるじゃねーか!! 千葉県「いすみ鉄道」で昭和レトロな激ウマなグルメ列車に乗ったよ(1/3 ページ)

あえてクルマで行ったウマイ観光列車の旅。なぜならば、夢の「○○の詰め放題」があるから!!

» 2020年01月27日 10時30分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ここには、「何もない」があります。

 千葉県のいすみ鉄道のキャッチコピーです。いすみ鉄道は千葉県の南東部、いすみ市の大原駅と大多喜町の上総中野駅を結ぶ総延長26.8キロの非電化路線です。

いすみ鉄道 今回はいすみ鉄道のおいしいレトロ列車に乗りますよ

 いすみ鉄道の大原駅は太平洋に面し、JR外房線と乗り換えが可能。大多喜町は房総半島中央の丘陵森林地帯。大多喜城の初代城主は徳川四天王の本多忠勝でした。沿線にはおいしいお米も野菜もあります。伊勢エビも捕れるらしいですよ。

 それなのに「何もない」なんてひどい。列車の窓から見えるお城、鉄橋。線路際の花から遠くの山まで。そして、都会にはない田園風景、のんびりした景色。数量限定のお弁当やお土産などなど。何もないどころか、都会にはないモノのほとんどがあります。

 ところが訪れた人が「ここは何もないのか」とつぶやく。それに対して、地元の人々は寂しさを感じつつ「何もなくてスミマセン」とお詫びしたくなってしまう。これはなんとかしたい。そこで、地元の人が謝らなくてもいいように『ここには、「何もない」があります。』と宣言したわけです。

いすみ鉄道 何もない景色、都会にはない景色

 いすみ鉄道の「何もない」は「観光客を喜ばせるような派手なモノがない」という意味かもしれません。景色は自然と田園風景だけ。マリンスポーツもないし、川下りのようなアトラクションもない。そこでいすみ鉄道は国鉄時代に製造されたレトロなディーゼルカーを走らせて、鉄道ファンや昭和レトロ感を演出しました。

 そうすると今度は「ウソだ。わざわざそんなことを言うなんで、ゼッタイ何かある」と思って観光客が来ます。この人たちは宝探しの気分で「何か」を探そうとします。ダメでもともと。でも、何かしら好きなモノを見つけて、満足して帰るのです。

いすみ鉄道
いすみ鉄道 国鉄時代の急行列車の車内にテーブルを付ければ食堂車なんですよ

 いすみ鉄道には何かある。その一つが「レストラン列車」です。いすみ鉄道は関東ではいち早く食事付きの観光列車を始めました。国鉄型急行用ディーゼルカー「キハ28」車両の座席にテーブルを取り付けて走ります。ほぼ日曜日に不定期で運行されるいすみ鉄道のレストラン列車は伊勢エビがメインの豪華な「イタリアンコース」。お値段は一人1万6000円ナリ。わぉ。

 そしてもう一つ、土曜日に不定期で運行する「おとなのピクニック列車」。こちらはランチバスケットとティータイムのお菓子が付いて1万3000円。ちょっとだけお手頃価格です。

いすみ鉄道 日本旅行が開催した「いすみ鉄道 おとなのピクニック列車」

 というわけで今回はこの「おとなのピクニック列車」に乗ってきました。お値段がというより、筆者の偏食(海産物苦手)のせいですけどね。てへ。快晴で小春日和の12月14日。横浜市をマイカーで出発し、アクアライン経由で海ほたるに立寄り、約1時間半のドライブでいすみ鉄道「デンタルサポート大多喜駅」に到着です。

いすみ鉄道 いすみ鉄道の「おとなのピクニック列車」に乗車。バスケットにいろいろな食べ物が入って、まさにピクニック気分

 「乗り鉄話題」の連載なのにクルマかよ、と思うかもしれません。もちろん青春18きっぷやフリーきっぷで行っても楽しいですよね。大原駅は東京駅から特急電車で約70分です。快速を乗り継いでも約90分です。じゅうぶんに近い。

 でもアクアラインのドライブも楽しい。圏央道千葉区間の開通で山道ドライブも少なくなりました。そしてデンタルサポート大多喜駅前の町営久保駐車場は1日上限500円という安さ。今回は母と弟を連れて行きまして、家族やグループで行くならば安上がりなのです。お子様がいても楽ちん。じつはもう1つクルマで行きたい理由があります。これは後ほど紹介します。

 マイカーがなくたって、レンタカーやカーシェアがあるじゃないですか。目的の観光列車を楽しむために、目的地までの往復を鉄道にこだわる必要はないのです(きっぱり)。もっと気楽に楽しくいきましょう!

いすみ鉄道 赤い線がいすみ鉄道、青い線はドライブルート(国土地理院地図を加工)
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」