「何もない」なんてひどい あるじゃねーか!! 千葉県「いすみ鉄道」で昭和レトロな激ウマなグルメ列車に乗ったよ(2/3 ページ)
乗車したらランチタイムの始まり
今回参加したツアーは日本旅行が開催する「日帰りプラン いすみ鉄道グルメ列車 美味しい料理と鉄道のマリアージュ おとなのピクニック」です。マリアージュなんてスゴい。フランス語ですよ。日曜日のイタリアンに対抗していますよ、なんちゃって。
デンタルサポート大多喜駅に11時30分に集合。しばらく待つとレトロ車両の「急行2号」が車庫から出てきました。2両編成の先頭はキハ52形。1965年製で2010年まで大糸線で普通列車として運行していました。後尾はキハ28形。1964年製で2011年まで高山本線で臨時列車やイベント列車などで運行されていました。北陸地域で活躍する前は房総半島でも走っていたそうです。
2両のうち、キハ28がレストラン車両です。4人掛けボックスシートを2人で使います。2座席分の空間は広いテーブルになるわけですね。動き出す前に、それぞれのテーブルにバスケットが配られました。
おお、まさにピクニックのランチボックス。洋画のピクニックの場面に出てきたかもしれないやつ!! そして温かなスープが配られました。有機の里の根菜スープ。トマト風味です。外は日差しがあったとはいえ風が冷たかった。温かいスープはとてもうれしい。お酒が飲みたい人には飲み物の販売もあります。赤ワイン、白ワイン、コーヒー、紅茶、缶ジュース、ひげ茶など。
11時50分、列車は大原駅へ向かって発車しました。流れゆく景色、街を出ると田園風景が広がります。さて、ランチボックスのナプキンを外すと……おお、盛りだくさんの内容です。
「元祖いすみ豚のローストポーク黒ソース添え」「OTTOザクザクサラダ」「苔玉コロッケ」「カレンズさんminiバケット」「本日のチーズ3品」「タコピン 〜大原産のタコのピンチョス」「いすみ献上米で握ったOMUSUBI」です。フレンチのピクニックというテーマだからでしょうか、(苦手な)海鮮系がないのも個人的には好感度。日曜のイタリアンと差別化しているのかもしれませんね。
途中、国吉駅で約9分間の停車。プラットホームに立ち売りさんがいます。駅弁「いすみのたこめし」と列車型の箱入り「ポップコーン」。たこめしが売れています。普通車両で旅する方たちのようです。私はポップコーンを買いました。
列車はさらに進みます。上総東駅を過ぎて森に入ると、進行方向左側に池があります。ここには……。あ、残念。数年前に訪れたときは、この池にスナフキンとリトルミーがいたんです。テントもあって、スナフキンが釣りをしていたんですけどねぇ。大人の事情で、どこかへ旅に出てしまったようです。まあ、多分、飯能(?)の方かな。
ランチバスケットは盛りだくさんの内容。まだ半分も食べていないうちに大原駅に着きました。約10分間で折り返します。この10分をどう使うか、参加者によって楽しみ方が違います。列車と記念写真を撮る人、たばこを吸いに行く人、トイレ、散歩。駅舎を撮りに行く人。それぞれの時間を過ごし、また同じ列車に乗り込みます。
後半は「ティータイム」ですよ〜
デンタルサポート大多喜駅到着は13時5分です。1時間15分のランチタイムでしたが旅はまだ半分です。約18分の休憩タイム。列車でくつろぐもよし、駅前のお土産やさんをのぞくのもよし。座りっぱなしの旅なので、散歩や柔軟体操するのがオススメ。空気がさわやかで良い気分です。
車内に戻ると、テーブルにはティータイムの準備が整っていました。パウンドケーキ、クッキー、そしてフルーツのセット。紅茶と一緒にいただきます。
今度は終点の上総中野駅まで、片道約約23分、往復約1時間の旅です。ゆったりと過ごそうと思ったら、もうすぐ大多喜城が見えますよ、と教えていただきました。進行方向右側手前方向……あ、ありました。川の向こうに白い城。一瞬でしたけど、印象に残る景色でした。
ちなみにデンタルサポート大多喜駅から大多喜城へ向かう道はメキシコ通りと呼ばれています。江戸時代、フィリピンからメキシコへ向かっていた船が上総国岩和田(現在の御宿町)沖で座礁しました。船長ドン・ロドリゴ以下船員たちは日本の漁民に助けられ、この道を通って大多喜城主の本田忠朝(ほんだただとも)に感謝を伝えたといいます。2020年現在も大多喜町とメキシコ・ク工ルナバカ市との交流が続いています。
あ、そういうことなら、次はメキシコ料理の列車も良いんじゃないかな。タコス列車とか。
列車は蛇行する夷隅川を何度か渡り、終点の上総中野駅に到着しました。この駅は小湊鐵道も乗り入れており、乗り継げば房総半島を横断できます。この日(旅行日の2019年12月)は小湊鐵道の列車は来ません。2019年台風19号の豪雨で被災し、養老渓谷駅〜上総中野駅間が不通になっていたからです。2020年1月中の復旧を目指して作業中(関連記事)。駅前には代行バスが待っていました。普通車で到着したお客さんが数人、乗っていきました。
なお小湊鐵道線はこの最終区間の復旧を終え、2020年1月27日に「全線開通」しました。
私たちは乗ってきた列車で戻ります。もう一度車窓から大多喜城を眺めて、14時22分にデンタルサポート大多喜駅着。ちなみにいすみ鉄道は経営資金獲得のため、大多喜駅などでネーミングライツを販売し、訪問歯科医療関連企業のデンタルサポート社が契約しました。大多喜駅ではなくデンタルサポート大多喜駅です。ここ大事なところ。
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