流れてくると思わずハミングしちゃうやさしい音楽 日本初の「発メロ」はどの駅で始まった?(1/2 ページ)
蒲田駅の「蒲田行進曲」、高田馬場駅の「鉄腕アトム」? 実は発メロ採用1番駅は関西です。
電車に乗ると、さまざまな駅でいろいろな「発車メロディー(発メロ)」を耳にします。この「発メロ」は、いつ、どの駅で始まったかをご存じでしょうか?
日本初の発メロ導入駅は「京阪電気鉄道の淀屋橋駅」といわれています。導入年は今から50年も前の1971(昭和46)年のことでした(諸説ありますが、ここでは淀屋橋駅で話を進めます)。
当初はシンプルなメロディーで、軍隊のラッパ曲をヒントに作られました。その後、三条駅でも使用され、発メロは京阪に定着しました。
京阪電車は平成になり「牛若丸」をアレンジした特急専用のメロディーも導入。京都らしいメロディに旅情をかきたてられたものです。個人的には今でも京阪の牛若丸アレンジ曲が好きです。
2007(平成19)年には新しい運行システムの導入と同じタイミングで、発メロも一新しました。
作曲者はミュージシャンで鉄道マニア、鉄道ファンならばご存じの向谷実氏(関連記事)です。
この新曲は特急用と通勤列車用、上り/下りの計4つのコンセプトに分けて制作され、導入駅のメロディは全て異なります。そして、コンセプトごとにつなげると何と1つの曲になります。すごい。
2021年現在は、京橋~七条駅間ノンストップ「快速特急洛楽」専用の発メロも登場し、独自の進化を遂げています。
蒲田駅の「蒲田行進曲」、高田馬場駅の「鉄腕アトム」なども続々
一方、JRグループで積極的に発メロを採用したのはJR東日本です。
JR東日本は創成期から発メロ開発に着手していました。そのきっかけは「発車ベルがうるさい」という乗客の声があったからでした。
少し世知辛い気もしますが、列車がやってくるたびにジリジリとベルが鳴り響く昭和モーレツ時代のラッシュアワーの駅は、今や想像しにくいくらいに騒がしかったのでしょうね。
JR東日本は音響メーカーであるヤマハに作曲を依頼。数々の難題を乗り越え、1989(平成元年)年に新宿駅と渋谷駅に初めて発メロが導入されました。
ピアノの響きや小鳥のさえずりを取り入れたやさしいメロディーは乗客からも好評でした。2021年現在この発メロはもう流れていませんが、聞き直すとやはりセンスの良さを感じさせてくれます。
その後、急ピッチでJR東日本管内の駅へ発メロが導入されます。JR蒲田駅の「蒲田行進曲」やJR高田馬場駅の「鉄腕アトム」など、その街、その駅に由来した曲の発メロも登場しました。
現在は関東圏や関西圏だけでなく、地方の主要駅でも発メロを耳にするようになりました。皆さんが今お気に入りの、あるいは思い出に残る「駅の発メロ」は何ですか?
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める
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元ツイートは2万5000RTを突破。大阪環状線全19駅が発車メロディでつながる 「夢想花」や「ヨーデル食べ放題」「酒と泪と男と女」など
大阪城公園駅は法螺貝。いっちょ大坂の陣でもやろか。東京メトロ、東西線に発車メロディを導入 九段下駅の「大きな玉ねぎの下で」など
作曲編曲は向谷実氏。進行方向にひとつなぎ。地下鉄・新横浜駅の発車ベルがマリノス応援ソングに ゆず作詞作曲の「We are F・Marinos」
横浜市交通局のイメージキャラ「はまりん」やマリノスのキャラ「マリノスケ」が出席するイベントも。東京メトロ銀座線、一部駅でご当地発車メロディー 森山直太朗さん「さくら」など
上野駅は「さくら(独唱)」、銀座駅は「銀座カンカン娘」など、4駅で街にちなんだ発車メロディーを取り入れる。
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