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マスクが当たり前になった世界、好きな子の“くち”を見てしまいドキドキ……近未来の男女を描く漫画『ニューノーマル』(1/2 ページ)
こんなふうになるかもしれないけれど、なってほしくない世界。
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ある感染症が世界的に流行し、マスクで口元を隠すことが当たり前になった近未来を描き、Twitterで大きな反響を呼んだ漫画『ニューノーマル』(作:相原瑛人)の単行本が発売されました(ファンギルド刊行、748円)。
主人公の秦は、生まれたときからマスクの装着が当たり前となっている世代。口元を隠して育った彼らは、友達の素顔を見たことがなく、口元に性的な魅力を感じ、口元を見られると恥じらいを覚える、そんな文化の中にいました。
秦はある日、気になっているクラスメイトの夏木がマスクを外して水を飲む姿を偶然目にしてしまいます。「結婚もしてない男女がくちを見せ合うなんて」――そんな価値観の世界で、2人は口元を見せ合い、秘密を共有する関係に……。
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もしかしたら、事態が収束しなかったらこうなってしまうかもしれないと思わせる世界。「お父さんたちが若い頃はマスク着けないで人と話したり一緒にご飯食べたり当たり前だったんでしょ?」という作中のセリフに、現実はこんな世界になってほしくないと思わずにいられません。
自分の口元がどう見えるか気にしたり、互いの口元を見てドキドキしたりする思春期の心情の描写がリアルに感じられてむずがゆくなると同時に、「防疫壁で封じられた東京」「壁の向こうは機密情報」など、ラブコメだけでは終わらなそうな不穏な要素が気になるお話です。
『ニューノーマル』は作者の相原さんが2020年8月にTwitterに投稿した漫画からスタート。反響を受けて長期連載化が決定し、単行本の発売に至りました
(C)Akito Aihara 2021
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