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JR線、意外と知られていない「幹線」と「地方交通線」の違いのお話(2/2 ページ)

「運賃」が違うのですが、それはなぜなのでしょう。

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冊子の「時刻表」を見てみよう 幹線と地方交通線の簡単な見分け方

 うちの近所のJR線は、幹線? 地方交通線? どっち? を確かめる簡単な方法は……冊子の「時刻表」を見るのがおすすめです。

 例えばJR時刻表の「索引地図」を広げて見ると一目瞭然。「黒」の線は幹線、「青」の線は地方交通線で色分けして示されています。

 この他ザックリな判別方法では、○○本線のような大きな都市間をつなぐ路線やその都市近郊を走る路線は幹線であることが多いです。

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「偉大なローカル線」といわれることがある山陰本線だが、実は幹線

幹線と地方交通線で分けられた理由は……「国鉄時代の赤字」

 せっかく営業キロ数別に細かく定めたのだから、全国共通にすれば客も会社も計算が楽で分かりやすいのに……とも思ってしまいます。では日本の鉄路はいつごろから、なぜ幹線と地方交通線に分かれたのでしょう。

 区別されるようになったのはJRグループの前身である国鉄の経営が悪化した1980年代です。国鉄の経営改善促進のための法律「国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)」に基づき、赤字ローカル線対策・施策のために全国の路線が、“もうかる路線”の幹線と、そうでない地方交通線に分けられました。


現在は観光客が多く利用する京都丹後鉄道線も、もともとは特定地方交通線だった

 地方交通線の運賃が高く設定されるのは赤字対策のため。さらに、地方交通線の中でも特に利用者数が少なく「このままではやばいです」と指定された路線は「特定地方交通線」に分類され、廃線の対象になりました。2021年現在、対象となった特定地方交通線の多くはバスもしくは第三セクター鉄道に移管されました。


LRTへの移管がうわさされる岡山県内を走る吉備線

 もちろん「特定地方交通線」ではないので大丈夫というわけでもなく、やはり昨今は、一部の地方交通線も廃線の岐路に立たされています。もしかして……将来、赤字を出し続けて立ちゆかなくなれば「新幹線」が地方交通線に見直されるような事態も起こるのでしょうかね。

 今後、感染症流行に関連した社会情勢や需要の変化に伴い、JR各社とも改善・合理化を進めていくことでしょう。その過程で地方交通線の未来がどうなるか、十分に観察したいと思います。

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新田浩之(にったひろし)

1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める


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