「トロピカル～ジュ！プリキュア」前半戦を振り返る 人気になった意外なキャラクターたち：サラリーマン、プリキュアを語る（2/2 ページ）
「トロピカル～ジュ！プリキュア」、生徒会長や桜川先生などのサブキャラクターもとても魅力的なのです。
「あとまわしの魔女」一味の魅力
さて、放送開始から6カ月がたち、プリキュアファンの間では意外なキャラクターが大人気となっています。
「あとまわしの魔女」の召使いたちです。
本作の敵「あとまわしの魔女」は人魚の国グランオーシャンを襲撃し、人間の「やる気パワー」をも奪おうと人間界に侵攻し、プリキュアと対峙（たいじ）しています。
その「あとまわしの魔女」自体は怖い存在として描かれているのですが、いつも出撃する3人の召使いたちが一気にプリキュアファンを虜にしたのです。
カニ型のコック「チョンギーレ」、ナマコ型の女医「ヌメリー」、エビ型のメイド「エルダ」が繰り広げる出撃前の仲良し描写がほほえましく、そこで描かれる家族のようなほのぼのとした会話は「敵キャラなのに癒やし」とファンの間でも評判となっています。
敵キャラにもかかわらず全員プリキュアを倒しに行くのをめんどくさがったり、みんな夏休みを取るために仕方なく出撃するところや、エルダちゃんのために、デザートを作るチョンギーレさんや、行方不明になったエルダちゃんを心配して探しに行くチョンギーレさんとヌメリーさんは、まさに迷子の子どもを探しているお父さんお母さんのようでした。
「家族」を描くことも多いプリキュアシリーズにおいて、今作では敵キャラも「家族」のように描かれていて、敵キャラなのに憎めない存在となっているのです。
このままプリキュアに倒されて消滅、なんてことにならないと良いのですけどね。ぜひ、最終回ではプリキュアたちと仲良く踊ってほしいと思います。
くるるんも人気
あと、もう1人（？）ファンの間で話題となったキャラクターがいます。
プリキュアたちと行動を共にする海の妖精「くるるん」です。
「くるるん」はグランオーシャンからやってきた女王様のペットです。第7話「やってくる！海の妖精くるるん！」で女王様からのお届け物を届けるために人間界にやってきました。
この「くるるん」、何もしないのが特徴で本当に何もしないのです。
従来、プリキュアに出てくる妖精型のキャラは「守るべき存在」だったり「トラブルメーカー」だったりと何らかの役割があるのですが、この「くるるん」は、本当に何もせずただ転がっているだけです（たまに活躍すると、「くるるんが活躍した!!」とSNSでも大騒ぎになります）。
しかし、その「何もせずにそこにいるだけ」の姿が愛らしいと一部のプリキュアファンに大人気となっています。本来マスコットキャラとはそういうものかもしれませんが、今の殺伐とした世の中、こういった「何もしないことをする」キャラクターが愛されるのも必然なのかもしれません。自分も大好きです、くるるん。
後半戦も楽しい作風？
もちろんサブキャラクターだけではなく、メインのプリキュアたちも魅力的で、とにかくかわいい涼村さんご（キュアコーラル）、意外とおちゃめな一之瀬みのり（キュアパパイア）、姉御肌ながら枕が変わると寝られない滝沢あすか（キュアフラミンゴ）など、どのキャラクターも生き生きと描写されています。
8月が終わり、後半戦に入っていく「トロピカル～ジュ！プリキュア」。10月には「ハートキャッチプリキュア！」との共演も話題の「映画 トロピカル～ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」の公開も控えています。
これまでは「とにかく楽しい」作風でしたが、「愚者の棺」など今までとは少し毛色の異なるワードも出てきてこの先は、お気楽なだけでは済まないかもしれません。
しかしそこは「トロピカル～ジュ！プリキュア」のことですので、最後の最後まで楽しく明るい作風を貫いてくれるものと思います。
日曜日の朝、お気楽にみられる「トロピカル～ジュ！プリキュア」は子どもたちの（そして僕たち大人の）癒やしとなってくれているのです。
個人的には「あとまわしの魔女の召使いたち」も幸せに暮らす展開になってくれたら良いなって思います。
「トロピカル～ジュ！プリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション
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