【アニメを見ていて年齢を感じた瞬間】あなたの心の中にもいるかもしれない“一歩引いたところから若者たちを見守る謎マダム”

　若いうちにはピンと来ない「〇〇歳を過ぎるとこうなる」とされるアレコレについて、いろいろな人に聞いてみよう、という読者募集企画。今回のテーマは「アニメを見ていて年齢を感じた瞬間」です。

ウィスキーの入ったグラスを片手に遠い目をしている“心の中のマダム”

　子どものころは、アニメキャラにガッツリ感情移入して当事者目線で「主人公が勝った！　やったー！　やっぱ主人公強い！　かっこいい！　ステキ！」「あいつ嫌い！　主人公に意地悪言うから！」などと思っていました。

　ですが、大人になって22～3歳ごろから、一連の流れを見守ってきた部外者の目線」という一歩引いた見方ができるようになり、「主人公が勝った……！　あのひよっこがほんと立派になって……！　あたしゃ誇らしいよ……！」「主人公にあんな物言いをするとは……やっぱりあの子はまだまだ精神的に未熟ね……過去のトラウマがそうさせているのかしら……」などと酸いも甘いも噛み分けた謎のマダムみたいな感想が出てくるようになりました。

　特に目標に向かって邁進（まいしん）する若者がたくさん出てくるアニメ（「プリキュア」「ラブライブ」シリーズなど）を見ているときは、この謎マダムが登場しがちです。

　この前も、とあるアニメで主人公にヒドいことを言うキャラが登場し、SNSでは「あいつ最低だな！」「大人は何してんだよ！　止めろよ！」とブチギレる人たちが。ですが、私は「あの子はまだ子どもなのよ……価値観に雁字搦めにされていることに気が付かないかわいそうな子……。いずれ自分の過ちに気付くときが来るわ……それまで優しく見守るのが大人ってもんよ……」と、まるでウィスキーの入ったグラスを片手に遠い目をしているマダムみたいなことを考えてました。

　私は昔からアニメのキャラに感情移入するタイプだったので、「あの脚本家はキャラの扱いがヒドい！」「お願いだから、アニメでは原作のゲーム版みたいな扱いはしないで」というような話をしている人を見ると、なんだかキャラクターを人格として見ていない感じがして、スン……と興醒めしてしまいます。

　確かにそういう目線もアリだと思うのですが、自分は登場人物たちを優しく見守るおやっさん・おかみさんみたいな目線でキャラ達を応援していきたいです。

（投稿者：レモンムースまんじゅうさん）

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（イラスト：野田せいぞ）