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自粛から明るい話題へ、DMVデビューで大団円! 「2021年の鉄道ニュース・乗り鉄話題」10選月刊乗り鉄話題(2021年12月版)(4/5 ページ)

乗り鉄にとって、2021年も感染症の流行で自粛を強いられる年でした。それでも明るい話題、楽しいことがいくつもありました。日本の鉄道完乗率100%の筆者が振り返ります。

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【6】「えちごトキめき鉄道」が何度も話題に

 新潟県の越後トキめき鉄道は北陸新幹線の並行在来線会社として発足しました。2021年は「国鉄型観光急行」「直江津D51レールパーク」「名刺きっぷ」が大きな話題になりました。


えちごトキめき鉄道「413系+455系観光急行」国鉄時代の急行列車用塗装を再現した

 国鉄型観光急行は、旧国鉄の交直両用電車「413系・415系」を購入し、ノスタルジックな観光急行を設定しました(関連記事)。この車両は土休日に「観光急行」として運行するほか、食事付きプラン「朝から夕まで455」「釜めしコース」「スイーツコース」「朝から朝まで455(夜行)」として運行します。

 直江津D51レールパークは、圧縮空気で動く復元SL「D51 827号機」を中心に、413系電車、車掌車、転車台、扇形機関庫などの保存建築物を見学できる施設です。直江津駅から徒歩3分の場所にあります。ただし、1日1便、直江津駅からレールパークへ回送列車に乗車できるサービスがあります。

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えちごトキめき鉄道が販売する「名刺乗車券」裏面が本物の片道きっぷになっている

 名刺乗車券は名刺のサイズのきっぷです。表面は名刺、裏面はえちごトキめき鉄道の「妙高はねうまライン」または「日本海ひすいライン」の全区間有効の片道乗車券になっています。直販サイトで申し込み、メールで記載内容を打ち合わせると、100枚入りケースが届きます。値段は100枚で1万2000円。筆者も作って配りました。話のネタにピッタリですよこれ。

 開業当時「ヘンな名前だなあ」と思っていたえちごトキめき鉄道ですが、やってることもヘンなので、これで社名とのバランスが取れていると思います。もちろん良い意味で。

【7】ロマンスカーミュージアムが開業、VSEの引退が決定

 2021年4月19日、小田急電鉄の海老名駅隣接地に「ロマンスカーミュージアム」が開業しました(関連記事)。小田急ファン、ロマンスカーファンにとって待望の車両保存展示施設です。歴代のロマンスカー5形式と小田急電鉄創業時の電車「1形」が佇んでいます。


2021年4月に開業した「ロマンスカーミュージアム」

 ロマンスカーも時代を経て、新しい車両が登場しています。その一方で古い車両は引退し、他社へ譲渡、あるいは解体処分となっていきます。そんな中で、小田急電鉄はロマンスカーを車両基地などに分散して保存していました。それらを全て集めて公開する施設を作ったのです。ロマンスカーをモチーフにしたこども用アスレチックや、7000形LSEの運転台を再生した運転シミュレーターなど、鉄道ファンからこどもまで楽しめる施設です。

 2階はジオラマパークとして、新宿から箱根登山鉄道までの風景を再現したジオラマがあります。Jの字形のジオラマは、京都鉄道博物館に匹敵する規模。ただし線路は少なめ「ロマンスカーが走る景色を楽しむ」がメインテーマです。全ての建物に照明を組み込んでいるため、夜景の美しさも特長です。

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 館外からも利用できるカフェ「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」では、かつてロマンスカー内で「走る喫茶室」として販売していた「日東紅茶とクールケーキのセット」も再現されました。


2022年3月に定期運行から引退する50000形VSE(写真:PhotoAC)

 12月17日、小田急電鉄は「白いロマンスカー」、50000形「VSE」の引退を発表しました。定期運行は来年(2022年)3月11日まで。それから1年半ほどは臨時列車やイベント列車に使われますが、2023年秋までに完全引退する予定です。ロマンスカーミュージアムへの展示など引退後のことは未定とのことですが、ロマンスカーミュージアムに展示されるでしょう。何となくもう置く場所があるような……。

【8】「ワーケーション」という口実に(笑)

 2021年は旅行先で働く「ワーケーション」という言葉、働き方もじわじわ広まりました。

 ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を合わせた言葉で、2020年の流行語大賞にノミネートされました(関連記事)。リゾート地で余暇を楽しみながら働くという羨ましいスタイルです。しかし、本当に羨ましいのは仕事をしないで余暇を楽しむことだなあ。いつでも仕事に復帰できる環境にしておかないと遊べないのはちょっと寂しいことですね。

 しかし、旅行カバンにノートPCを突っ込めば、ワーケーションと称して堂々と遊びに行けるわけです。というわけで2021年は、列車や駅構内でもワーケーション/テレワークできる環境が次々に生まれました。

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 JR東日本は「新幹線オフィス」として、定員の少ない新幹線の先頭車両を乗客共有のテレワーク用車両に設定しました(関連記事)。新幹線に乗車できるきっぷを持っていれば、誰でも譲り合って利用できます。

 JR東海・JR西日本も、東海道・山陽新幹線に「S Work」車両を設定しました(関連記事)。こちらは座席指定車両で、インターネット予約サービス限定で販売します。


東海道新幹線の「S Work車両」で働いている様子(モデルさん)。オンライン会議もできるってことは動画も見られちゃう……と思って、後日実際に乗ってみたら、皆さんホントに仕事していました。遊びに行く人は遠慮する方がいいかも。あと、車内で寝たい人は避けましょう。落ち着かなかったです

 駅ナカや駅チカに設置するテレワークスペースも普及しています。JR東日本は駅構内のシェアオフィスサービス「STATION BOOTH/DESK」(関連記事)を展開、JR東海も駅のWi-Fiサービス設置を進めるほか、主要駅に半個室のビジネスコーナーとコンセントポールを設置しました。


東海道新幹線の東京駅改札内にできたワークスペース。待ち時間の間に仕事ができてホントに便利でした。コレをタダで使えるなんて!

 しなの鉄道やえちごトキめき鉄道では、観光列車の車内で仕事できる「トレインワーケーション」の取り組みが行われました(関連記事)。いすみ鉄道は10月まで「ワッペン・ワーケーション列車」を運行。1日乗車券とセキュリティ付きWi-Fiサービス利用権をセットで販売していました。

 これらの施設やサービスは乗り鉄にとってもありがたいです。乗り鉄は時間のかかる遊びです。仕事のつながりを断つと不安になります。通信や電源環境を整えたテレワーク設備は乗り鉄中のSNS発信にも役立ちます。「ワーケーション」を口実に長期休暇を取りましょう。乗り鉄を楽しみましょう。

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