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「意見が違う人=敵」ではない デリシャスパーティプリキュアが子どもたちに伝える“SNSとの接し方”サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

プリキュアは時代に合わせて表現することも柔軟に変わっていくのです。

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プリキュアはSNSを肯定的に描き続けている

 2015年以降のプリキュアシリーズでは、プリキュアたちは普通にスマートフォンを所持し、インターネットやSNSを使用する描写も数多く見られるようになりました(それまでは異世界の謎アイテムで通信していました)。

 例えば2020年「ヒーリングっどプリキュア」の平光ひなた(キュアスパークル)。彼女のスマホにはネコミミ型のカバーがついていて、TikTok(風のアプリ)に動画投稿したり、勉強中にゲームアプリの星5が出ないと嘆いたり、またTwitter(風のアプリ)の投稿情報を元に敵の位置を割り出したりと、今どきの女子中学生として描かれました。


平光ひなたは、スマホを使いこなす普通の女子中学生として描かれた

 今やプリキュアたちが日常的にインスタグラム、YouTube、TikTok(風のアプリ)に投稿したり楽しんだりしている場面が描かれるのも当たり前となっているのです。

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 プリキュアの世界においては、インターネットやSNSは否定的に描かれるのではなく、むしろコミュニケーション上大切なものである、というスタンスをとっています。

 当然、それを視聴している子どもたちはインターネットやSNSに大きな憧れを抱きます。だからこそ、SNSに潜む危険性も描かれる必然性が出てくるのです。

未就学児のインターネットの危険への啓発は10%未満

 2022年の日本において、小学生低学年の女子の約2割、小学生高学年女子では約4割がスマートフォンを持っているというデータがあります。小さな子どもたちがスマホを持つことはもはや当たり前になりつつあるのです。


デリシャスパーティプリキュアではSNSへの投稿を楽しむ現代風のプリキュアが描かれる

 この先、スマホを持つ年齢はさらに低年齢化が進み、未就学児にも及ぶのと思われます。

 内閣府の調査「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調」内の子どものインターネットの利用状況によると、5歳児の60.5%はインターネットを利用している、というデータもあり、今やインターネットは未就学児にも当たり前のものとなりつつあります。

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令和元年の0~9歳のインターネットの利用状況(内閣府調査資料から)

 そんな中、大人がしっかりと教えないといけないのは「インターネットの危険性」です。

 しかし、同調査の「子どものインターネットの危険性に関する啓発や学習の経験によると、5歳以下の子どもが「インターネット上の不適切なサイトやネットイジメなどの啓発や学習」を受けたのは10%未満と、プリキュアを視聴しているであろう未就学児はインターネットの危険性についてほぼ学んでいないのが現状です。


未就学児にはネットの危険性が啓発されていない(内閣府調査資料から)

 この先、インターネットやSNSの世界に否応無しに入っていかざるを得ない子どもたち。無邪気に足を踏み入れるのはとても危険なこの世界に対し、プリキュアというアニメを通して「インターネットやSNSの危険性」を伝えると同時に「正しく使えば、とても楽しいものである」ということを伝えているのはとても有意義なことだと思います。

 リアルの世界と同様に、SNSの世界でも「自分の意見をしっかり持ちつつ、意見が異なる相手も否定しない姿勢」が大切であることをプリキュアが教えてくれる時代なのです。


 現在放送中の「デリシャスパーティプリキュア」は、プリキュアシリーズでは初のAmazon Prime Video、NETFLIX、dアニメストアほか各種見放題配信サービスでも見逃し配信中です。

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「デリシャスパーティプリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション

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