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小さいクルマだから「小回りがきく」とは限らない!? 「最小回転半径」って何のこと?(1/2 ページ)

小回りきく扱いやすさってけっこう重要なポイントです。

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 軽自動車やコンパクトカーを選ぶ理由として、車両価格や維持費の手頃さと並んでよく挙げられるのが「小回りがきく/取り回しのしやすさ」です。


クルマ選びの希望によく挙がる「小回りがきく/取り回しのしやすさ」

 狭い生活道路をよく通る人、車庫入れが難しい場所にクルマを停めている人、運転に絶対の自信あり! ではない人にとって、小回りの良さや取り回しの良さ=普段乗りの扱いやすさは重要なポイントになります。

カタログに書かれている「最小回転半径」って何?

 しかし実は「車体が小さいから小回りがきく」……わけではありません。おおむね合ってはいます。でも、そうとは限らないことがあるのです。そこで、クルマを選ぶ時にカタログなどで確認しておきたいのが「最小回転半径」という項目です。

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(参考)トヨタ・ヤリスの主要諸元表に記載される「最小回転半径」(トヨタ自動車Webサイトより)

 最小回転半径は、ハンドルを左右どちらかにいっぱいまで切った状態で曲がったとき、外側のタイヤが描く円の半径が何メートルになるのかを示す数値です。最小回転半径の値が小さいほど小さな半径で曲がれる、小回りがきくクルマということになります。


同じ車種でもグレードや仕様によって最小回転半径が変わることは多々ある。ヤリスの前世代ヴィッツは、標準グレードが最小回転半径4.5メートル、GRMNは同5.6メートル。1メートル以上も値に差があった(画像:トヨタ自動車)

 最小回転半径は、クルマのホイールベース(前後のタイヤの中心間距離)、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)、タイヤ外径、ステアリングの切れ角などで決まります。前輪が駆動輪になるFFや4WD車は切れ角が狭くなりやすいので、駆動方式も間接的に関係してきます。

 さらに、同じ車種でも大径ホイールを装着した上位グレードや4WDモデルを選ぶと最小回転半径の値がかなり変わります。例えば、コンパクトエコカーの代表格だった3代目ヴィッツ(現行車名はヤリス)。ベースグレードは4.5メートルだったのに対して、GRMN/GR SPORTなどの上位グレード/上位装備グレードは5.6メートル。1メートル以上も最小回転半径の値に差がありました。

 また、シビック タイプR(FK8型)も見かけによらず最小回転半径の値は5.9メートルです(最新のFL5型も同様)。FFのスポーツ系車種は見かけ以上に最小回転半径が大きくなる傾向にあります。


シビックタイプR(FK8型)の最小回転半径は5.9メートル。スポーティーで機敏そうな見た目に対して、最小回転半径は実はミニバン並みとなるやや大きめの値。かっこよくて速いならばそんなの関係ねー、な人も多いはずですが

デカいのに、実は最小回転半径の値が小さいクルマもいろいろ

 逆に、「見た目より小回りがきくクルマ」には例えば、人や荷物をたくさん積める商用・多目的用途の代表格なクルマ、ワンボックスカーの「ハイエース」が挙げられます。ハイエース ロング・2WDモデルの最小回転半径は5メートル。5ナンバークラスのミニバンやプリウス(5.1メートル)よりも実は小さい値です。

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大きな車体サイズながら意外と小回りがきくハイエース

 参考までに、ハイエースと同等程度のサイズ感である上級ミニバン、アルファードの最小回転半径は5.6メートルです。アルファードはFF車で、ホイールベース3000ミリ。ハイエースがその見かけの割に小回りがきくのは、ハンドルの切れ角を大きく取れるFR車であり、ホイールベースも2570ミリとやや短いことが寄与していると思います。

 クルマを買うとき、選ぶときは、カッコよさや走行性能、機能や装備、利用シーンとともに、“取り回しの良さ”における「最小回転半径」のスペックにも着目してみてはいかがでしょうか。


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