ニュース

船のプロペラ、水中なのになぜ水が入ってこないの? 知られざる船の専門技術にびっくり(1/2 ページ)

な、なるほど!(←理解してない)

advertisement

 船のプロペラ、水中にあるのになぜ船内へ水が入ってこないの?──。大型タンカー船を運行する東幸海運と船舶部品大手のイーグル工業がその理由と技術を解説してくれました。そ、そういえば知らない……。皆さん、その理由をご存じでしたか?


水中にあるプロペラから水が船内へ入ってこないのは……なぜでしょう?(東幸海運タンカーの日常より、以下同)
タンカー船のプロペラの隙間から水が入らない理由をメーカさんに聞いてきた 内航タンカー船 豊善丸 東幸海運(YouTube/東幸海運タンカーの日常)

 多くの船は、船外の水面下にプロペラ(スクリュープロペラ)を備え、プロペラを回して水をかくことによって推力を得て進みます。プロペラを回す動力源は船内のエンジン。船外のプロペラは、プロペラと同じく回るシャフト(プロペラ軸)を介して船内のエンジンとつながっています。以前東幸海運が公開した、大型タンカーの4500馬力級巨大エンジンと機関室の様子も大迫力なのでぜひ見てみてください(関連記事)

 ……ということは船底に穴が開いていて、船の中から外へブンブン回るシャフトが貫通しているのですね。なぜそこから水が入ってこないの? どうやって浸水を止めているの? と思ってしまいます。

advertisement

船底、ブン回るプロペラ軸のすぐ先は海水。どうやってここの水漏れを防いでいるのか……

(参考)船底にあるスクリュープロペラ(写真:長浜和也)

 「水が入らない仕組み、それがこれです!」。


イーグル工業のEVK型船尾管シール(水潤滑)(イーグル工業Webサイトより)
Water Lubricated Stern Tube Seal (EVK)(YouTube/EAGLE INDUSTRY Kemel)

イーグル工業・EVK型船尾管シールの実物 「海水は船尾管シールのメイティングリングとシーリングのリップ部で止められて、船の内側には漏れません」

「リップの表面に薄い水膜をつくり、摩耗を抑えながら水を止めてくれるんです」

 封水のキモは、軸部に取り付けるシール部品です。イーグル工業は多くの船舶で使われる「EVK型」を製造する船尾管シールの大手。EVK型船尾管シールは、特殊なゴムを水圧で押さえつけて金属と密着させ、併せて表面に水膜をつくって軸を潤滑する構造になっているそうです。数多くの構成部品とともに、水や水圧もうまく利用して封水します。

 「海水は船尾管シールのメイティングリングとシーリングのリップ部で止められて、船の内側には漏れません」「リップの表面に薄い水膜をつくり、摩耗を抑えながら水を止めてくれるんです」。う……ちょっと難しいお話ですが(笑)、ためになる。つまりは、数々の工夫と長年培ってきた船尾管シールの技術で「プロペラの軸から水は浸入しない」のです。船の技術、やっぱりすごい!


つまり、海水は「船尾管シール」によって船内に漏れない

 動画にも「全く漏れてこないのはすごい!」「模型やスライドもあって勉強になりました!」「なるほどね!」などのコメントが多く寄せられていました。

(カナブンさん)

advertisement


おすすめ記事

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  4. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  5. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  6. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  7. 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  8. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  9. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  10. 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端