「オンラインでの出会いはもはや当たり前」 “アラジン”ナオミ・スコット&池松壮亮が国際カップルを演じる「モダンラブ・東京」インタビュー(2/2 ページ)
コロナ禍で撮影できた“喜び”が重なるストーリー。
オンラインの出会いってアリ? ちょっとずつ違う二人の価値観
―― 二人が対面する場面からは特に、撮影できる喜びがキラキラと伝わってきました。一方でコロナ禍を経験したからこそ、オンラインを通じた恋愛のリアリティーは増したとも思いますが、お二人はリモート恋愛をどう考えますか?
池松 リスクを考えてしまうと怖いですよね。相手のことが分からない、人となりが見えない。こうしてオンラインで取材を受けていても、どうしてもフィルターがあるように感じてしまいますし、距離があると遠く感じる。
それでも人とつながりっていたい、つながろうとする人間の欲望や行動に、時代によって形は変われど普遍性を感じます。このドラマで、エマの友人のミッキーが守について、「実際の彼を知らないでしょ?」という指摘をします。それにエマは「私たちはリアルライフの中で誰かのことを本当によく知ってる?」という返答をします。
オンラインとフィジカルの間でゆれる人類への的確な問いだと思います。この物語は実話に基づいていて、こうしてオンラインで実際にあった出会いを通じて生まれた物語を伝えることができることはとても意味のあるものだと思っています。
―― ナオミさんはいかがですか? 劇中では「相手がサイコパスだったらどうしよう!」と不安を口にする場面もありました。
ナオミ 私自身が体験したことはないですが、オンラインでパートナーと知り合った友人はたくさんいるんです。だからもう普通なのかな。当たり前のことだと思っています。
池松 そうなんだ!
ナオミ ツールとしてはすばらしい。だけど何でもそうなように、バランスが大切。壮亮が言うように人とのつながりがスクリーン上にしかないのは怖いしやめた方がいい。「もっと外へ出ようよ! 生身の人間に会おうよ! 直接相手とつながってコンタクトをとろうよ!」と伝えたい。
技術の発展で、世界の反対側にいる人ともつながれることはシンプルにすごい。もちろん課題もあるし、サイコパスがいるかも。だけど自分の幼なじみがサイコパスという可能性もあるし、ただ気が付いていないだけかもしれない。どんなことにも長所と短所はあって、その違いだけだと思う。人によってはオンラインの方がスピーディーに展開を進められるし、もっと自由に「私はこういうことを望んでいる」とパートナーへ要求を伝えられる人もいる。
友達は「選択肢が増えると混乱を来す、逆に難しい」というんです。スワイプでイエス、ノー、イエス、ノー……写真だけで瞬時にその人のことを判断する。ツール自体には倫理観はありません。だから使っている人のそれに頼るしかない。SNSも同じで、SNSが善か悪かという議論がありますけど、どちらでもない。その使い手が善か悪かなんですよね。
オンラインデーティングも同じじゃないでしょうか。ツールを使っているあなた次第。自分自身を拒否されるのが嫌だから、自分をさらけ出すのが嫌だから、誰も私にふさわしくない、彼はダメ、彼もダメ、彼も私にふさわしくない……と永遠にスワイプし続けるのではなく、純粋に「僕はこうです」「私はこうです」とオープンにして、パートナーを探す分には本当にいいツールですよね。
ごめんなさい、自分が知らないツールについてなんでこんなに長々と。自分でも分からなくなってきちゃった(笑)。
「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~」
配信中
話数:全7話(6話実写、1話アニメーション)
キャスト:水川あさみ/前田敦子/榮倉奈々/柄本佑/伊藤蘭/石橋凌/成田凌/夏帆/永作博美/ユースケ・サンタマリア/ナオミ・スコット/池松壮亮/黒木華/窪田正孝
松本若菜/寺島しのぶ/梶芽衣子/高良健吾/藤原季節/三浦透子/國村隼
ショーランナー:平柳敦子
監督:平柳敦子/廣木隆一/山下敦弘/荻上直子/黒沢清/山田尚子(アニメーション)
脚本:平柳敦子/黒沢久子/龍居由佳里/荻上直子/黒沢清
主題歌:Awesome City Club 「Setting Sail ~ モダンラブ・東京 ~」
コピーライト:(C)2022 Amazon Content Services LLC All Right Reserved
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6T3R3TL
※作品の視聴には会員登録が必要です。Amazon プライムについて詳しくは amazon.co.jp/primeへ。
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