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最期の日、愛猫が酸素室から「出たい」と鳴き…… 安楽死も考えた闘病生活、「あまりに若い」別れに胸を締め付けられる

「ペットロスとの寄り添い方」第6回は猫・ネロくんです。

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 多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。

 愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2023年、20歳~69歳のペットを飼っているまたは飼育経験がある391人を対象に実施された「ペットロス」に関する調査では、「約8割が『ペットロス』という言葉を見聞きしており、約4割が実際に経験している」と発表されています(サンセルモsorae調べ)。

 飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。

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第6回は飼い主・ハクらむ(@chiro_yuuki_sub)さん/猫「ネロ」くん

 そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。

第6回 飼い主・ハクらむ(@chiro_yuuki_sub)さん/猫「ネロ」くん

―― ネロくんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください

ハクらむ:転職を機に宮城県仙台市へ越す際、娘の同級生から「捨て猫を拾ったため飼ってくれる人を探している」と聞き、一番わんぱくだった黒猫の「ネロ」に出会えました。ずっと前から黒猫と一緒に暮らしてみたかったのでうれしかったです。

一番わんぱくな子でした

 印象的だったのは、ある日、青森県にある実家でかわいがっていた愛犬が「そんなに長くない」と聞き、ネロに自宅でお留守番してもらったときのことです。日帰りでの一時帰省でしたが、ネロはとても寂しかったようです。

 私がアパートの外階段を上っている最中からすごい鳴いていて、普段はあまり鳴く子ではなかったため「えっ!?」と驚きました。家に入ったらスリスリしてきて、「寂しかったんだね……ごめんね」と声を掛けました。

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普段はあまり鳴かなかったというネロくん
ハクらむさんの一時帰省が寂しかった様子
スリスリして甘えたそうです

―― ネロくんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください

ハクらむ:ネロは病気1つしたことがない子でしたが、2歳のときに拘束型心筋症で血栓症になってしまいました。息を引き取る2日前、肺水腫があまりにも苦しそうで見ていられず、安楽死も考えてしまいました。

 最期の日、ネロが酸素室から「出たい」とあまりに鳴くため、病院の先生に電話をして許可をもらい、部屋で自由に過ごさせました。ネロはいつも私の顔の前にお尻を向けてくるのですが、その日もヨロヨロとした足取りで私の前にお尻を向けて立ち止まり、その後、私の作ったベッドに向かいしばらく休んでいました。その夜、虹の橋を渡ったので、安楽死をしなくて良かったと思いました。

2歳のときに拘束型心筋症で血栓症に

 私自身、娘が家を出て子育てが終わったころで、これからはネロと一緒に過ごすと決めていたため、あまりに若く虹の橋を渡ってしまったことがショックでした。家に帰ってもネロのお出迎えがなく、ケージやフードボウル、トイレがそのままで、「ネロがいない」現実を突きつけられるのが一番つらかったです。

 家にいるとネロのことを思い出してしまうので、なるべく残業を引き受け、仕事のことを考えて気を紛らわせていました。

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「『ネロがいない』現実を突きつけられるのが一番つらかった」

―― 現在の心境を教えてください

ハクらむ:その後、新しい猫を迎えたとき、友人から「もう立ち直ったの?」なんて言われましたが違います。立ち直ったわけではないし、その子はその子で代わりなどいない、唯一無二なので、思い出すといまだに泣けてきます。

「その子はその子で代わりなどいない」
ネロくんは今もハクらむさんの心の中に

―― ネロくんに伝えたいメッセージ

ハクらむ:またママで良かったら一緒にいさせてね。待ってるよ。

「またママで良かったら一緒にいさせてね」

(了)

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 「ペットロス」「ペットロス症候群」になった場合、その苦しみを閉じ込めたり自身を責めたりせず、家族や仲間と共有する生活に支障を来す場合は専門家のカウンセリングを受けるなど、焦らずに“死”を受け入れていくことが大切だといわれています。

 また現在動物と暮らしている人は、「いつかは別れがくる」と理解し後悔のないよう接すること、同じ動物と暮らしている友人や仲間を見つけ、喜びや悲しみを分かち合うことが、いつかくるそのときと向き合う心身の準備へとつながるかもしれません。動物と暮らす喜びをかみしめながら、心のよりどころとなる思い出や関係を作っていきたいですね。

 ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットロスとの寄り添い方」をテーマにアンケートを実施しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事など、【こちら】までお寄せください。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

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