猫嫌いの夫もメロメロにした保護子猫との幸せな毎日、しかし3カ月後 「短い間だったけど本当に幸せだった」日々に涙がこみ上げる
「ペットロスとの寄り添い方」第5回は猫・ガッチャンくんです。
多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。
愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2022年、全国47都道府県に在住する20〜69歳の男女5000人を対象に実施された「ペットに関する調査(2022年)実態編」では、「困りごと・気になる点」として「死なれるのがつらい」などの理由から「ペットロス」が上位にあがる傾向にあると発表されています。
飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。
そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。
第5回 飼い主・みほぶっち(@mihobutch5175)/猫「ガッチャン」くん
―― ガッチャンくんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください
みほぶっち:2022年8月末、ガッチャンは私の家の玄関でおなかを空かせて座っていました。毛並みが悪くなかったこと、肉球の間から毛が出ていたことなどから、最近迷子になった元飼い猫と思われました。いったんうちで保護し、警察や動物愛護センター、SNSや迷子動物の掲示板など届け出ましたが飼い主は現れず、うちの子にしました。
自称・猫嫌い(犬派)の夫が、ガッチャンが玄関で座り込んでいたときに「保護してあげよう」と言い出したときには驚きました。私はもともと猫好きで、2022年4月に賃貸から一軒家へ引越し、晴れて猫を飼えるようになったことを喜びましたが、猫嫌いの夫と猫との暮らしは当初心配でした。
しかし夫はかいがいしくガッチャンの世話を焼き、ブラッシングは“夫じゃないと嫌だ”というくらいの立派な下僕になりました。窓辺で日向ぼっこしながら、夫にブラッシングしてもらうのが大好きな子でした。
迷子でさまよっていたころのトラウマなのか、ガッチャンはとにかく食いしん坊でした。また前の家で人間の食べ物をもらっていたのか、私たちの食事中に食卓の食べ物を狙うので、阻止するのに苦労しました。
特にフライドチキンやお刺し身を食卓に並べたときは大変で、もぐらたたきのようにテーブルのあちこちから顔を出して狙っていました。もらえないと分かるとすねて、そっぽを向いていた姿がとてもかわいかったです。
ガッチャンのルーティンは毎朝、私の指をお乳のように吸うことでした。保護当初からしていたので、「こんなに甘えん坊な子が何日も独りぼっちでさまよっていたなんて」とショックを受けたことを覚えています。
ガッチャンを抱っこしたままふと、自身の顔を鏡で見たときに、自分でも見たことがないくらい幸せそうにほほ笑んでいたことに驚きました。猫との暮らしはこんなにも人間を幸せにしてくれるのだと、実感した瞬間の一つでした。
―― ガッチャンくんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください
みほぶっち:ガッチャンは推定1歳ちょっとで虹の橋を渡りました。保護当初、近所の外猫専門動物病院でマイクロチップの有無などを調べてもらった際に、エイズや白血病の感染症については潜伏期間があるため、2カ月後に検査したほうがいいだろうと言われました。
そして2カ月後、同じ病院で検査をした結果、“猫白血病ウイルス”であることが発覚しました。ストレスがかからないようにすれば、今まで通りの生活でも大丈夫とのことだったのですが、そのひと月後にガッチャンの呼吸回数が多いことに気付き、検査設備のある別の動物病院へ行って診てもらいました。
その結果、胸のリンパ腫があり、治療しなければひと月持たないと言われました。細胞を病理検査に出している間のステロイド剤で少し元気になりましたが、検査結果が出て数日後、抗がん剤治療を始める予定日の2日前にぐったりしてごはんも食べなくなり、病院へ連れて行きましたが、そのまま回復せずに息を引き取りました。
うちの子にしたときにすぐに検査していれば、白血病だと分かったときにすぐに精密検査をしていれば……と悔やみました。最初の動物病院の先生は、「できるだけお金がかからないように」と気を遣ってアドバイスをしてくださっていたのですが、私たちが無知だったために病気に気付くのが遅れてしまい、今でも申し訳なくて悔やみきれません。
―― 現在の心境を教えてください
みほぶっち:Twitter(@mihobutch5175)でガッチャンとの出会いから飼い主探し、うちの子になった経緯、白血病の発覚から息を引き取るまで、全てを呟いていたので、たくさんの方が慰めの言葉や、ためになる言葉を掛けてくださいました。一緒に悲しんでくださったり、同じ病気で猫を失った方からアドバイスやお悔やみの言葉をいただきました。
「ガッチャンが迷子のまま、外で独りぼっちで旅立たないでよかった」「みほぶっちさんの子になれて幸せだった」とみなさんが言ってくださいました。そして、四十九日まではガッチャンの魂は私たちのそばにいると教えてもらい、慰められました。
「四十九日までは」とケージやトイレ、キャットタワーは生前のまま置いておきました。でも正直、足跡が残ったままのトイレを見るのは辛く、目にする度に涙が止まりませんでした。お骨を収納できる仏壇ハウスやひげ入れ、ソープフラワーなどを買って祭壇を飾り、自分を慰めていました。
いつか悲しみが癒える日は来るのだろうか――と、暗闇を歩いているような気持ちでした。自分が無知だったために病気に気付くのが遅れてしまい、苦しめてしまったんだと自分を責める日が続きました。仕事中でも急に涙があふれてきて、トイレに駆け込むこともありました。
四十九日が過ぎたら、ガッチャンの魂は天国へ行ってしまう――。天国で安らかに眠ってほしい反面、身体だけでなく魂ともお別れするのが寂しいと思ってしまいました。しかしTwitterで「魂は天国に行っても、あなたの心の中にガッチャンはいつでもいるよ」と言ってくださる方がいて、ガッチャンが天国へ行くのを邪魔してはいけないとあらためて気付きました。
2023年1月20日に四十九日を迎えたばかりなのですが、四十九日=魂ともお別れではないと思い直し、ガッチャンの魂が天国へ行く壮行会をすることにしました。祭壇の周りを飾って、食べたがっていたフライドチキンやお刺身、おやつなどをたくさんお供えして、夫と二人でガッチャンに献杯し、思い出話に花を咲かせました。
私は酔ってその後、うたた寝していたのですが、今までまったく夢に出てこなかったガッチャンが夢に出てきました。遠くから走って来てくれて、抱き上げて体中にキスをしたところで目が覚めました。日付が変わる直前でした。きっとお別れを言ってくれたんだと思います。
まだ思い出して涙は出るけれど、悲しいだけでなくあたたかい気持ちになっている気がします。さようならではなくて、天国に行ってらっしゃい、またいつか毛皮を替えて戻ってきてね、という気持ちになれました。
―― ガッチャンくんに伝えたいメッセージ
みほぶっち:うちの子になってくれてありがとう。短い間だったけど、本当に幸せでした。天国でしばらくゆっくり休んで、またいつか毛皮を替えて戻ってきてね。
(了)
「ペットロス」「ペットロス症候群」になった場合、その苦しみを閉じ込めたり自身を責めたりせず、家族や仲間と共有する、生活に支障を来す場合は専門家のカウンセリングを受けるなど、焦らずに“死”を受け入れていくことが大切だといわれています。
また現在動物と暮らしている人は、「いつかは別れがくる」と理解し後悔のないよう接すること、同じ動物と暮らしている友人や仲間を見つけ、喜びや悲しみを分かち合うことが、いつかくるそのときと向き合う心身の準備へとつながるかもしれません。動物と暮らす喜びをかみしめながら、心のよりどころとなる思い出や関係を作っていきたいですね。
ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットロスとの寄り添い方」をテーマにアンケートを実施しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事など、【こちら】までお寄せください。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
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事前に家族全員の同意を得てから、保護猫をお迎えしています。
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