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群馬の地ビールのラベルが温厚なインド人も怒鳴るほど難解すぎる 「日本刀持ったライオンに追いかけ回される味わい」(1/2 ページ)

詩的な説明文の意味をメーカーに聞きましたが、ますます分からなくなりました。

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 白葡萄(ぶどう)の復讐に加担した愚かな麦芽が抱く殺意の液体は、日本刀を持ったライオンに追いかけ回される未踏な味わい――。詩的で解読不能な説明文で知られる群馬の地ビール「CHROA(クロア)」の新作が、例年にも増して難解で話題です。

例年にも増して難解な説明文。理解しようとすればするほど真意からは遠ざかる――そんな予感がする怪文書
クロアの新作「deracine」。フランス語で「根無し草」を意味するその名の意味は……?

 CHROAは、ミュージシャンとホームレスを経て世界的ファッションホイールデザイナーとなった異色の人物、片岡達也(@kataoka12201905)さんがプロデュースを手がける「ビール業界にないファッション感覚と人間のサガやタブーを味とデザインでストレートに表現していくビール」。これまでも「お前は今幸せか?」「麦芽娘のヘブン状態な味わい」「お前の愛はハイオクか?」など、奇抜なキャッチフレーズで話題をさらってきました(関連記事1234)。

片岡達也さん近影

 片岡さんが2023年に放った新作「deracine」(※フランス語で「根無し草」の意)は、どうやら気難しいライオンがテーマの様子。瓶の説明文には、ライオンがデラシネな夜にベンツを乗り回し、美容師にからんでたてがみをブローさせるも仕上がりの不満から頭痛を生じ、百薬の長(=酒)に頼るストーリーが描かれています。

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白葡萄の復讐に加担した
愚かな麦芽が抱く殺意の液体は、
日本刀を持ったライオンに
追いかけ回される未踏な味わい。
デラシネな夜、ベンツに乗った
ライオンにからまれた美容師が
たてがみをブローアンドブロー。
仕上がりに不満な百獣の王は
頭痛を伴い百薬の長に頼る。
ライオンは「心配ないさ」なんて
呑気なセリフ吐くわけないよ
――CHROA deracine

 「ライオンは『心配ないさ』なんて呑気(のんき)なセリフ吐くわけないよ」と、解読にお笑い芸人「大西ライオン」さんの知識まで求められるポエムは、消費者はおろか片岡さんの知人まで混乱させてしまいました。

 バーベキューで同席した、優秀で温厚なインドの留学生が数時間かけて解読に挑むも一向に意味が分からず、「ニホンゴキライ」と泣きながら瓶をたたきつけたというのです。われわれネイティブだって、読めるだけで完全な理解はできないのだから、このポエムは嫌いでも、日本語のことは嫌いにならないでください……!

インド人留学生のオム君は、「僕の方がライオンの気持ちがよく分かる」と怒っていたそうです

醸造元に詳細を聞きました

 優秀な留学生を半狂乱せしめたポエムとビールには、いったいどんな意味が込められているのか? ねとらぼ編集部は醸造元であるCHROA(@love_chroa)の広報担当者に詳細を聞きました。

――インドの留学生も困惑したという紹介文ですが、どのような味なのか、あらためてコンセプトを教えてください。

CHROA白ワインの「ネルソンソーヴィン」と、特有の香りがするホップを使用した、キレッキレッの背筋が凍る喉越し――それは誰かに追われてる感覚です。

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――ラベルの日本刀を持ったライオンが気になります。何者なのでしょうか?

CHROA私たちにも分かりませんが、おそらく片岡氏そのものをご本人が描いたのでしょう。常に誰かを追い、追われてるような方ですので……。

 日本刀を手に不条理な社会に生きる、名もなき一匹のライオンですが、人は奴を「デラシネ」と呼びます。

人呼んで「デラシネ」

――現在通販はセット販売以外売り切れとなっているようですね。

CHROA片岡氏の世界観や、ご本人自体がよくニュースなどで騒がれてますし、とにかくブランド自体があまりに売れるので、工場を増設するという話も出ています。奇怪な文が書かれたビールがなぜ売れるのか、偉い人たちにはあまり理解できない様子でした。

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 取材の結果、ヒントらしき回答は得られましたが、確証までは得られませんでした。申し訳ないですが、読者の皆様におかれましては、それぞれ自分の中で落としどころを見つけていただきたい所存です。

協力・画像提供:片岡達也(@kataoka12201905)さん/CHROA公式(@love_chroa

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