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久々に会ったおばあちゃん家の猫に「トラ、お前はもう長くないのか?」と聞いたら…… お別れ2日前に交わしたやりとりが胸に来る

「ペットロスとの寄り添い方」第14回は猫・トラさんです。

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 多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。

 愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2023年、20歳~69歳のペットを飼っているまたは飼育経験がある391人を対象に実施された「ペットロス」に関する調査では、「約8割が『ペットロス』という言葉を見聞きしており、約4割が実際に経験している」と発表されています(サンセルモsorae調べ)。

 飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。

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第14回は飼い主・舩木さん/猫「トラ」さん

 そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。

第14回 飼い主・舩木さん/猫「トラ」さん

―― トラさんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください

舩木:トラはおばあちゃんが引き取った元野良猫です。おばあちゃんの家にはもう1匹、野良猫だった猫がいるのですが、その子は私にあまり懐いてくれませんでした。しかしトラは、最初から私によく懐いてくれる優しい猫でした。

舩木さんとトラさん
最初からよく懐いてくれたそうです
膝の上で寝るトラさん
心地いいのかな?

―― トラさんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください

舩木:久々にトラと会うと、すぐに膝の上に乗っかってきたので、私はそんなトラをなでてあげました。トラはとても満足そうだけど寂しそうで、なんだか不思議な気持ちになりました。

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 その時すでに、私はトラが長くないことを知っていたので、トラに向かって「トラ、お前はもう長くないのか?」と聞きました。するとトラはその問いに対し、ちらっとこっちを見るだけで、膝の上でじっとしていました。その時トラがすごく震えていていたので、そっと抱いてあげました。

「トラはとても満足そうだけど寂しそうで、なんだか不思議な気持ちに」
お互いに通じ合う何かがあったのかもしれません

 その日私は用事があり、すぐにおばあちゃん家を出なきゃいけなかったので、最後「またね」とトラに伝え、アイコンタクトを取ったあとに家を離れました。その2日後に、おばあちゃんからトラの死を伝えられました。すごく悲しかったし泣きもしました。でも私が会いに行くまで頑張っていてくれた――そんな気がしました。

舩木さんと会った2日後に虹の橋を渡りました

 トラが行ってしまったその日の夜、とても近くにトラを感じました。私の服の膝部分にトラの毛がついてることに気付いたのです。変な話なのですが、間違いなくトラの毛でした。

 その服でトラに会いに行ったことはなく、普段あるはずもないことで、「気のせいだろ」と思うところですが……泣いていた私を心配して、慰めに部屋へ来てくれたのかもと初めて自分の霊感を信じました。

 そんな出来事があったおかげで私は救われました。本当にトラには感謝しています。

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会いに来てくれたのかな

―― 現在の心境を教えてください

舩木:もちろん今も悲しいです。思い出すだけで涙が出そうになります。ですが、私が悲しんでいてはトラも次の生になかなか歩めなくなると思い、トラの思い出とともに心の中に留めることができている、と思います。

―― トラさんに伝えたいメッセージ

舩木:俺に懐いてくれてありがとう。俺といてくれて本当にありがとう。俺を慕ってくれてありがとう。本当にありがとう。今もトラが大好きだよ。でもやっぱりトラが居ないと俺つらいよ。これを打ってる今も涙が止まらないんだ。会いたいな。会いたいよ。泣き虫な主人でごめん。ごめんね。今まで本当にありがとう。大好きだよ。

「今まで本当にありがとう。大好きだよ」

(了)

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 「ペットロス」「ペットロス症候群」になった場合、その苦しみを閉じ込めたり自身を責めたりせず、家族や仲間と共有する生活に支障を来す場合は専門家のカウンセリングを受けるなど、焦らずに“死”を受け入れていくことが大切だといわれています。

 また現在動物と暮らしている人は、「いつかは別れがくる」と理解し後悔のないよう接すること、同じ動物と暮らしている友人や仲間を見つけ、喜びや悲しみを分かち合うことが、いつかくるそのときと向き合う心身の準備へとつながるかもしれません。動物と暮らす喜びをかみしめながら、心のよりどころとなる思い出や関係を作っていきたいですね。

 ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットロスとの寄り添い方」をテーマにアンケートを実施しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事など、【こちら】までお寄せください。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

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