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「ハピプリ」10周年 名作映画「人形の国のバレリーナ」の挿入歌「勇気が生まれる場所」からのラストバトルをどうしても見てほしいサラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

この映画の挿入歌「勇気が生まれる場所」は本当に良い曲なのですよ。

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プリキュアだって怒るときは怒る

 あと、本作の敵キャラ「ブラックファング」が倒すべき純粋な悪役として描かれているのも僕の好きなところです。

 「敵にも悲しい事情があって~」みたいなことは一切なし。もう普通に悪いヤツで極悪非道なことをやります。だからこそスカっと倒すことができるのです。


本映画の悪役「ブラックファング」(画像はYouTubeから)

 その悪の所業にプリキュアたちがきちんと怒るのも良い。

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 「もう怒ったんだから!」とガチギレするキュアラブリー。プリキュアだって怒るときは怒るのです。

 あの温厚なキュアハニーも怒ります。「世の中にはね、やっていいことと悪いことがあるの……」と大真面目に敵に説教してからの「人を不幸におとしいれて、それを食い物にするなんて、全くいただけないわ!」と食に絡める辺りのキュアハニー節も最高です。キュアハニーが怒るレベルの悪行、なかなかないのですよ。


キュアハニーが怒るレベルの悪行(画像はYouTubeから)

挿入歌からのラストバトルが見どころ

 この映画の最大の見どころは、挿入歌からのラストバトルです。これが「歌」と「演出」が相まって最高にカッコイイのです。

 ちなみに、この挿入歌「勇気が生まれる場所」は、プリキュア20周年のときに公式で開催された楽曲総選挙「胸アツ!勇気が湧いてくる曲」部門で1位を取るなど、いまだに多くのファンに愛されている名曲です。

(※ここから少しだけラストバトルの展開に触れます)

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 ここしかない、という絶妙なタイミングで流れ出すイントロ。ミラクルライトを振るアナウンス。劇場で見ていたときは「プリキュアーがんばれー」の子どもたちの声と共に、曲が徐々に盛り上がっていく。


挿入歌からのミラクルライト、からのラストバトル(画像はYouTubeから)

 AメロからBメロへ。思いを込めるキュアラブリー。片膝をつきながらラブリーを見上げるキュアプリンセス。立ち上がるハニーとフォーチュン。子どもたちの応援が、プリキュアをよみがえらせるのです。

 サビに入ると同時にキュアラブリーは「スーパーハピネスラブリー」にフォームチェンジ。翼が大きく描かれる圧倒的なスタイル! カッコイイ! このフォーム本当にすてきです。


予告でも公開されていた「スーパーハピネスラブリー」(画像はYouTubeから)

 そして、挿入歌2番をバックに大ボスとのラストバトル。

 敵の主張を受け止め、いなし、真っ向から否定し、立ち向かう。待ってましたのプリキュア問答。

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 これぞ「映画プリキュア!」というアツい展開。挿入歌はラスサビ。畳みかけるように歌う4人のプリキュア。愛をぶつける4人のプリキュア。

 「私は、私たちは、幸せをあきらめない!!」

 「歌の進行」と「物語」が完璧にシンクロした最高のラストバトルなのです。挿入歌からのバトルシーンは、なぜにこんなにも私たちを高揚させるのでしょうか。

 アツい挿入歌が流れたとき、プリキュアは絶対に負けないのです。

「勇気が生まれる場所」

 この映画でも示唆されているように「プリキュアにだってできないことはある」のです。

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 では、この映画でプリキュアは何をしたのか?

 自身の弱さを乗り越え、他人に寄り添い、その幸せを守るために戦う。

 できないこともある。でも、寄り添うことはできる。友達を思うことはできる。

 つむぎちゃんに寄り添い、立ち向かっていく姿がつむぎちゃんに「勇気」を与えたのです。

 プリキュアは問題を解決してくれません。

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 いつだって問題を解決するのは自分自身です。

 でも、友達のためにひたむきに戦うプリキュアの姿が「勇気」をくれる。

 あなたの心に「勇気が生まれる場所」ができる。

 だからどうか、あなたも大切な人に寄り添ってほしい。直接的に救えなくても、その思いはきっと友達の力になる。

 そんなことを、プリキュアたちが背中で語っているように僕は感じました。


「勇気が生まれる場所」とはどこなのか(画像はYouTubeから)

ど直球のプリキュアイズム

 さて。この映画、ラストの展開だけはいろいろ言いたい人もいるかもしれません。

 これが「大人向け映画」だったら、ラストは違う展開になっていたかもしれませんね。だけどこれはプリキュアです。プリキュア映画は子どもを笑顔にするものです。だから僕はこの映画の終わり方が大好きです。あとエンディングのダンスが超カッコいいので最後まで見逃せません。

 一切の変化球なし。ど直球ストレートのプリキュア節。

 プリキュアでも解決できない圧倒的な現実と向き合い、乗り越えていく物語。

 一人の少女を真っ向から救う話。

 「ウムム、プリキュアとは何ぞや……」「プリキュアの多様性とは……」なんてことを考える必要もありません。それは他のプリキュア映画に任せましょう。

 「手をつなぎ、友達を思い、大切な人のために戦う」

 それを「プリキュアイズム」と言うのなら、71分間ずっと良質なアクションとともに、アツい「ど直球のプリキュアイズム」を全身に浴びさせてくれます。


一人の少女を救う物語(画像はYouTubeから)

 壁にぶつかったとき「プリキュアの勇気」が僕の背中を押してくれる。「そっと」じゃなくて、「ガツン」と背中を押してくれる。

 「私たちハピネスチャージプリキュアの生きざまを見て!」と言わんばかりに必死に戦うキュアラブリーの背中に、勇気が生まれてくる。勇気が生まれる場所。

 僕にとって「プリキュア」はどんな存在なのかを気付かせてくれる。そんな映画なのです。

 あなたの心にも、きっと「勇気が生まれる場所」が見つかるはずです。

 「ハピネスチャージプリキュア!」10周年、おめでとうございます。

 奇跡のような映画を、本当にありがとうございます。

「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」は一部の動画配信サービスで視聴できます(2024年3月28日現在)

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