「既存作品と類似している」と指摘　上演中の演劇が急遽中止で劇団側謝罪（1/3 ページ）

　演劇プロデュースユニット「すゞひ企画」は7日、既存作品と内容が類似しているとの指摘があった「演劇×体験型ミステリー『密室は致死量の未来を予言する』」の公演中止を発表した。

「内容が類似」と指摘

　同公演の公式サイトでは中止に至った経緯として「参加いただいたお客様より、既存作品と類似しているというお問い合わせをいただきました。弊団体内で調査を行ったところ、ご指摘の通りの類似点が多数発見されました」と報告。同公演は外部スキルマーケットサービスを介して、脚本の草案を募集する形式で制作されたが、その過程で既存作品のアイデアやセリフが組み込まれたと説明している。

　実際参加者からも「近年話題の本格ミステリ小説から、シチュエーション、ストーリー、設定、トリック、大オチなどの盗用が見られて、非常に残念」との指摘もSNSに寄せられている。5月2日から東京・グレースバリ銀座での上演を皮切りに、大阪・名古屋での地方公演も予定していたが、7日から9日までの東京3公演を急遽中止とした。

　主催者側はこうした事態を「制作体制の不行き届きが招いた結果」としており、「脚本演出の鈴木秀明の責任は大きく、ご不快に思われた方々、該当の出版社ならびに作者様、ご関係者様に深く陳謝いたします」とコメント。内容が類似しているとの指摘があってから、今回の声明を出すに至るまでに時間を要したことについても、混乱を招いたとしてあらためて謝罪した。

　中止となった3公演については全額返金の対応を告知。観劇し不快に思った来場者についても、全額返金するとしている。返金方法については、後日公式サイトで発表する。

　また、大阪公演と名古屋公演の開催については「内容を入れ替えて上演を行うか、中止にさせていただくかを関係各所と協議中」と明かした。